こんにちは、ばしです。
もうすぐお盆休みですね。
明日から9連休という方も多いかと思います。私は10日の月曜日は出社でその後6連休。まあね、取引先も9連休なところが多いようなので、あまり仕事にはならないだろうな。
だからというわけではないのですが、週明けの10(月)は社内で大幅な席替えなどを予定していて、普段よりもあわただしい1日になりそう。資料整理が苦手で荷物の多い私は移動の準備だけでも結構大変です。
そんな気ぜわしさもあり、
ブログは明日から夏休みを頂戴します。2週間ほどお休みしまして、次回は8月21日(金)の更新とさせていただきます。ネタは沢山あるのですがメンテに手が回っていない。夏休み中に追い上げの予定です。
そんな夏休み直前の今回は、気合十分、かなり長い記事になりました。覚悟してお読み下さい。ビン靴ブログらしく「ど・ビンテージ」をご紹介です。
こいつ(ら)。
2足並んだスペクテイターシューズ。
右は先日ご紹介した「French Shriner & Urner のスペクテイター」です。今回の主役は左のペア。
茶のスムーズレザーとベージュのメッシュのコンビ。「ベンチレイテッドシューズ」と呼ばれるものですが、これもまた同様に、zazaさんから譲り受けたペアであります(カテゴリー3-7)zazaコレクション記事一覧)。
で、こいつもまた、
FRENCH SHRINER & URNER
のペアであります。いやもうね、以前から欲しかったこのブランドの貴重なビンテージが2足も。嬉しくてたまらない私です。前々回記事でご紹介したバックスキンペアのロゴはこんなでした。
書体は表記内容は同じです。バックスキンのペアはロゴが黒でしたが今回は金箔です。
遠目に見てもそうと分る程度に残っています。この手のビン靴はナイロンのメッシュ部に破けやほつれが見受けられることが多いのですが、今回のこいつはいたってコンディション良好です。
ロゴも同じで年代も近しいと思われるこの2足。製造が1950s以前ということは間違いないのですが、それ以上のことはワカラナイ。1920s?30s?40s?
先にご紹介したバックスキンのペアをインスタで紹介しましたところ、海外の方から貴重な資料や情報を頂戴しまして、おおよその年代が判明いたしました。後ほど詳しくご紹介いたします。
まずは今回のペアのディテールから。
FRENCH SHRINER & URNER Ventilated Spectator
サイドビュー。
メッシュが涼し気です。ていうか、実際に履いたら涼しいと思います。素足で履いてみたいとの欲望に駆られます。
履き口には若干のキレがあります。
オールレザーの場合よりもかかる負荷は大きそうです。やむなし。まあ、紐をきちんと緩めて、靴ベラを使って脱ぎ履きすればこれ以上ダメージが広がることはないでしょう。
内側の印字。
サイズは【10B】のようです。【L157】が品番なのでしょうか。ちなみに、バックスキンのペアの印字はこんなでした。
似てますが、少しだけ表記方法が異なるような。それが何を意味するのか分からない。ところで、
再掲。
向かって左が【US10B】、右が【US9.0D】です。小指付け根付近のふくらみが若干異なりますが、それ以外は全長もほぼ同じ、履き口の広さもほぼ同じで、総じて似たようなサイズ感&シルエットとなっております。
ええ、いい感じに足が入ります。どちらのペアも、実際に履き下ろして良いのかどうかがまだ思案中ですが。
続きまして、さらに内側。
タン裏はフエルト、であったように見受けられます。
中底には「AVENUE」とあります。
ちなみに、バックスキンのペアの中底は、
「BROADWAY」とありました。これは何を意味してるんですかね。モデル名・愛称、とかなのでしょうか。何なのだろうと調べてみたところ、こんなのに行き着いた。
vcleat.comさんの記事をスクショで拝借。
こちらはデビッドさん所有の1950sのFRENCH SHRINER & URNERのペアです。中底には「STUART」とあります。同氏は、これを「LAST(木型)の名称ではないか」と推察されておられるようです。カタログ等での確認ができないため確証はないようですが、なるほど、そんな風に思えてきました。
再再掲。
左が【AVENUE】、右が【BROADWAY】です。小指付け根付近の膨らみ方が異なります。サイズも異なるわけですが、木型の違いによるものなのかもしれない。
次いで、底面周り。
細身、です。細い。
まずまず、残ってます。
トップリフトはバックスキンのペアについていたモノと同じGOODYEARのNEOLITEです。ひょっとして交換されたモノかも、なんて風にも思っておりましたが、オリジナルな仕様と考えて間違いなさそうです。
コバ周りも、
2足とも似た雰囲気です。
この2足はやはり同じ年代と思われます。
では、いつ頃に製造されたものなのか?
どの程度旧いものなのか?
インスタグラムのコメント欄に頂いた情報をご紹介しつつ年代の絞り込みを行います。ちなみに、インスタにコメントを頂いたのはこちらの7/31の投稿です。よろしければ当該投稿のコメントを合せてご覧ください。
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さて、ここからは年代判定について、です。
まず、大前提としまして、「フレンチシュライナーの年代判別方法」などという大層なものではありません。いつかはそんな記事が書けたら嬉しいわけですが、そこまでの話ではありません。
今回は、2足の同じロゴと同じトップリフトのペアの大まかな年代を絞り込む、そこまでの内容です。ただ、そのためにもかなり有用と思われる情報を頂きましたので、紐解いていきたいと思います。画像&解説多めとなりますが、順次ご紹介です。
まずは、このロゴ。
このロゴから言えることは2つ。
①「& URNEW」=1950s後半まで
FrenchさんとShrinerさんの二人が始めた「French Shriner」。その経営に「URNER」さんが合流して「FRENCH SHRINER & URNER」との社名&ロゴになたそうなのですが、URNERさんが1950sに亡くなられ、1950s後半にはロゴから「URNER」の文字が消える。なので、
「FRENCH SHRINER & URNER」のロゴは1950s後半まで
ということになる。一般的にも言われていることですが、先ほどの vcleat.comさんの記事にも同様の記載がありました。いぜれにせよ、今回の2足は1950s後半以前の製造、ということは間違いないようです。
では、どのくらい以前か。
最も着目すべきはこれだそうです。
②「EXTRA QUALITY」=1947年以降
EXTRA QUALITY
との文字。この文字が加わったタイミングは明確に分かっているらしい。
これは、フットウェア(靴)業界向けの非常に有名な専門誌(トレード・マガジン)である『Boot and Shoe Recorder』(ブート・アンド・シュー・レコーダー)の1948年の記事だそうです。
この部分が該当記事です。曰く、
●ブルース・カリー氏とそのスタッフ(ニュージャージー州ニューアークで高級ハンドメイド紳士靴を製造してきたことで知られる熟練職人たち)が、フレンチ・シュライナー&アーナー(French, Shriner & Urner)の新しいモデルの製造を全面的に担当することになった。
●この新ラインには、カリー氏がニューアークから携えてきた特別な靴型(ラスト) から作られるいくつかのパターンが含まれており、それらは、 全国の消費者や上質なハンドメイド、優れたフィット感、 履き心地を重視する高級小売店の間で、 すでに広く受け入れられている。
最後に補足記事をふたつ。
AKRON, Oct. 6—Goodyear Tire and Rubber Company today announced the development of “neo- lite,” a material for soles of men’s, women’s and children’s shoes. The material is described as providing a degree of comfort “never approached by leather or other mate- rials.” Production is under way in the Goodyear sole and heel plant at Windsor, Vt. The material, the formula of which is secret, has greater wearing ability than leather, according to Harry L. Post, manager of the company’s shoe products division, and is moisture- proof and waterproof.
曰く、
10月6日—グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー社は本日、男性用、女性用、子供用靴底用の素材「ネオライト」の開発を発表した。この素材は「革や他の素材では到底及ばない」快適さを提供するとされている。
とのこと。加えて、この素材は革よりも耐摩耗性に優れ、防湿性と防水性も備えているそうだが、配合は企業秘密、なのだそう。
確かに、
どちらもあまり減ってません。
すっげー耐久性、なのかも。
いずれにせよ、このトップリフトは1944年以降ということなり、先程の「1947年以降」とも整合が取れます。
補足ふたつめ。
【補足②】1949年の広告は「バックスキン」
1949年の広告なのだそうです。このペアは見ての通り、「WHITE BUCK(ホワイトバックス)」です。BUCKとは「牡鹿」の革です。
このアッパーの白はスエードかバックスキンか。
特定できずにおりましたが、1949年のADと同様に、どうやらこいつもバックスキンということで間違いなさそうです。まあね、見た目にスエードはないから間違いないとは思っておりましたが、確率が限りなく高まりました。
このペアは何某かの手入れを施すつもりですので、バックスキンと断定できたのはありがたい。どのように手を入れるかはこれから考えます。
【まとめ】
長文お疲れ様でした。
お付き合い頂きありがとうございました。
そんなわけで、
「この2足は1950s前半のペア」
と、(ほぼ)断定できました。
ところで、ゴルフでは自分の年齢より少ない打数でラウンドすることを「シュートエイジ」と呼ぶそうな。私はゴルフはお付き合い程度で熱心ではないのですが、
こと革靴に関しては「自分よりも早く生まれた靴を履く」ということに並々ならぬ興味と意欲を持っております。まあ、何と言いますか、私の興味関心は「シューのエイジ」、とでも言っておこうかな。
私より一回り以上歳上のこの2足。
こいつらも、いつかは履きたい。
いつ履くか。
履いていいのか。
何に合わせてどのように履くか。
夏休みの宿題といたします。
冒頭の通り次回更新は【8/21(金)】です。
皆さんも素敵な夏休みをお過ごしください。
お仕事の方は暑さに気を付けて頑張ってください。
SEE YOU!
(おしまい)




































