フローシャイム The Dover

こんにちは、ばしです。

 

関西は昨日までの3日間、商売繁盛を願う新年早々の一大イベント「えべっさん」でした。私も昨日、会社近くの布施戎神社へお参りして参りました。

日本一大きい戎像だそうですが、どうです、このドヤ顔と福耳。ポーズもキマッてます。「エビで、鯛を釣る」ではなく、「エビス、鯛を釣る」状態です。

3日目最終日は「残り福」。福が沢山たくさん、「ドバーっ!」と来ますようにとお願いしてきた翌日は、このペアでいき鯛と思います。今回はビンテージの王様、フローシャイムの変わり種。その名も・・・。

 

The Dover(ザ・ドバーっ、もとい、ザ・ドーバー)

 

 

くだらぬ前置きが長くてすみません。。

・品番:21676
・サイズ:9 1/2 C
・GC=1962年7月製造
・網がけタイプのヒールトップ
・黒のシボ革Uチップ
・購入した時点ですでにハーフラバー補強済み

ネットで色々と調べてみたところ、このシリーズは、「The Dover」というらしいです。青窓のレギュラーライン。切り返し部分のモカ縫いが特徴的かつ美しいフローシャイム。
今、こんな靴探しても、みつからなーい。

 

フローシャイムの年代判別

 

 

前にも触れましたが、フローシャイムには製造年月の判別法があります。どこかのタイミングで、自分の整理のためにもきちんと取りまとめるつもりです。取り急ぎ今回のペアの場合は、

①内側の印字「GC」
Gが製造月で、A=1月、B=2月・・・で、G=7月。Cが製造年の1ケタ目。A=0年、B=1年、Cなので、1952、62、72、82年のいずれか、となります。

②底面の形状や表示
インソック(中敷き)下のスポンジが、写真のとおり、U字型になっています。U字型なのは1965年頃までで、それ以降は直線になるそうなので、1965年以前のペア。

③ヒールトップ
このようなアミアミ模様なのは50年代後半~60年代前半。

その他、青地に黄色の「THE FLORSHEIM SHOE」の窓と、写真では見えづらいですが「UNION MADE」の文字表記などから、1962年7月製、と推察されます。

 

 

1962年7月製

・・・ということは、55年前の靴です。
革の質ほか、全くもって、デイリーユースにも全く支障のないクオリティ。
月に1回くらいの頻度で仕事履きしてます。

今の時代の新品の既製靴で、50年後にこんなの、あります?きっと、ありえない。素晴らしいペアです。

1960年代、というと、米国靴業界の黄金期です。アメリカといえば、実力主義で、レイオフなんかもあって、普段から皆ジョブホッピング、条件のいいところを渡り歩いて・・・といった、いわゆる「外資系企業」的なイメージがありましたが、この時代はそうでもなかったみたいです。

1970年代に不景気に突入して以降、徐々に今のようなシビアでドライな面の強い社会に変貌していくようですが、それまでは「親子そろって○○社」だとか「週末は同僚と家族ぐるみでBBQ」「1社で最後まで勤めあげる」といった、日本的ともいえる労働観が存在していたようです。戦後~高度成長期に日本人が憧れた古き良き時代のアメリカ、ですね。

 

笑う門には福来る

日本で1990年半ばに出版された「ビジョナリーカンパニー」(原題:Built to last)。以前、組織人事の畑で仕事してた時期がありまして、その駆け出しの頃に出会った当時の私のバイブルです。

その筋では割と著名な書籍ですが、この中で、過去から現在(当時)の米国企業文化を紐解く中で、そのように触れられていました。えー、そうなの?と、意外に感じたのを覚えています。

 

ま、当たり前と言えばそうかもしれません。きっと、自分の会社や仕事に誇りを持って、仲間とともに、自分たちの祖国のため、お客さんのため、家族のために全力で仕事に邁進していたんでしょう。

革の品質も、職人の腕も素晴らしく、多くのメーカーが競い合っていた時代。ですが、きっと、単に笑顔と希望とやりがいに満ち溢れた時代。そんな中で作られたから、この時代の米国ビンテージ靴はどれもみな素晴らしいものなんだと思います。

この後の景気悪化に比例して米国靴のクオリティが落ちていくことを考えると、やはり何より、景気がいいことって非常に大切なんだなあとしみじみ思います。

アメリカにも「えべっさん」があれば米国靴のクオリティも落ちずに済んだかも(笑)。ともあれ、笑う門には福来る。今日も一日、笑顔で景気よく頑張っていきましょう!

 

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