僕の革靴人生の始まり

こんにちは、ばしです。

 

私がヴィンテージシューズに興味をもってからまだ数年ですが、革靴には若いころから思い入れがありました。今回はそんなお話。

ま、聞いてやってください。

 

「BRUTUS」1989年11月号

大阪生まれの大阪育ち。高校までを大阪の片田舎で過ごした私。ご存じのとおり、中心部以外はメチャ田舎なんですよね、大阪って。で、大学生になり、通学の行き帰りに途中下車しては心斎橋・アメリカ村に日ごとに通ってました。

当時(30年ほど前)のアメ村は、大型の商業施設が進出する前で、こじんまりしたショップが点在する、オシャレな街でした。

東京でいえば、昔の下北沢みたいな感じでしょうか。お金もないのにひとり立ち寄りウィンドゥショッピング。三角公園でひとり、自販機で買ったシンビーノ飲んでました。

あ、なんか友達いない奴みたい・・・。

で、雑誌なんかで遅ればせながらオシャレの勉強中の行けてない遅咲き学生の琴線に触れたのが、「革靴=ドレスシューズ」でした。20歳前の子供には縁遠いはずのこの世界が、私には眩しく感じたバブル経済の絶頂期。

大人の階段のぼ~♪、りたかったんでしょうかね、革靴で(笑)。
そして、その扉が、以前にも登場した雑誌「BRUTUS」の靴特集でした。

 

 

「靴だけは外国製に限る。それも、英国製が世界的傾向。」

雑誌表紙のコピーです。当時の靴業界の傾向はこの一言に尽きます。エドワードグリーン、チャーチ、ポールセンスコーン。靴の聖地はノーザンプトン。そんな折に手に入れたのが、クラークスのブラッチャーモカ(Uチップ)でした。

アメリカ村の「ROCKS」。
今、マクドナルドがある場所に25年程前まであった靴屋です。確か、階段をおりて半地下の通路を奥へと進んで3軒目くらいだったような。

そこで見染めたクラークスの本格靴。
当時、バイトを始める前の19歳の身に32,000円は高嶺(高値)の花子さん、でした。

パラブーツのアヴィニョンに似たモカのスタイル。英国製グッドイヤーのダブルソール。スエードのデザートブーツで有名なメーカーの本格靴。Uチップ、ではなく、ブラッチャーモカ、ね。。眺めているだけでも美しい薄茶色の靴でした。

眺めるまま1年が過ぎた頃。

バイト先で予定していたスキー旅行。仲間の一人が盲腸で入院し、旅行はキャンセルに。積み立てていた旅行代金が戻ってきました。

その額、3万円。

握りしめて、ROCKSへ直行しました。

 

 

真にジャストサイズの靴は、「きゅっっ」と鳴く

久方ぶりのROCKS。流行り廃りで商品の入れ替わりが激しい中、1年前と同様に眩しく佇むクラークス。まるで私を待ってくれていたかのようでした。

初めての試着。足を入れた瞬間、吸いつくような感覚。

オーダーメイドのジャストサイズの靴は、歩くたびに「キュッ、キュッ」と、空気の漏れる音がすることがあるらしい。と、何かの本で読んでたのですが、この靴を履いて店内を歩いた時、左足だけですが、キュッ、キュッ、と音がしました。

人は皆たいてい、左右で足の大きさが微妙に異なるらしいです。私の場合、レディメイドの靴の左(だけ)が、ビスポークのようにジャストフィットしたのだと思います。運命の、キュッ。

初めてのジャストマイサイズの靴との出会い。当時、フレンチカジュアル、なんてのもあって、学生の身ながらも、ジーンズに茶の革靴、普通にふだん履きしてました。

数年後、初めての海外。ホームステイ先にアメリカでなくイギリスを選んだのも、この靴の存在が大きかったように思います。

ちょうど出始めの頃の初代Nike-AirとこのUチップの2足を携え、人生初めての飛行機、初めての海外、初めてのイングランド・・・。

でもって、あちらの修理屋で、初めてのオールソール交換をして、最低限の目的、義務、を果たしたような気持ちで日本に帰ってきました・・・。

何しに行っとんねん(笑)

 

 

手入れして、愛着を持って、永く付き合う

残念ながら、6万、7万、10万する高級靴は買ったことがありません。欲しいけど、敷居も価格も私には高い。そもそも、この歳でそんな靴屋に、何履いて行きましょうかね。

今もそうですが、外回りの仕事が多かったので、2~3万前後の靴を1日か2日おきに履いて、しっかり手入れして、永く付き合う。

若い頃から現在まで、そんな風に靴と付き合ってきました。

件(くだん)のクラークスのUチップは、週3日のヘビーローテでした。2度のオールソール交換ののち、15年後くらい、30歳半ば頃にお役御免。構造を知ろうとバラバラに分解した上で処分しました。

今思えば、ぼろいままでも残しておけばよかったな。写真すら残ってません。

高級品ではないけれど、永く付き合うのが前提。そんな私には、理由はどうあれ、傷みもないのに持ち主から手放された靴を見ると、不憫に思えてなりません。

捨て猫や捨て犬に出会ったような感覚・・・拾ったことないけど。

で、マイサイズでもないのに、靴に関しては拾って帰ってしまう。病気ですね、ほんと単なるバカです。

社会人になって四半世紀。ビジネスマンとしての紆余曲折を振り返る時、当時履いていたお気に入りの靴がセットで思い出されます。

所詮、GEAR=道具。消耗品の靴ですが、付き合い方次第で人生に花を添えてくれる。

ま、靴に限らないのでしょうが、私にとっては、靴が、そのような存在なのです・・・。

なーんて、単に、趣味についての家族への苦しい言い訳、なのでした。

 

おしまい(笑)。

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