こんにちは、ばしです。
具体的なDATAは無くて、あくまでも単なる実感値なのですが、私が古靴漁りを始めた3~4年前と比べて、リサイクルショップの店舗数も来店者数も、どちらももの凄く増えたように感じています。
当時、まだ人影まばらだった店にお客さんが徐々に増えてきた。品の良い老婦人が、ビンテージでしょうか、スカーフを品定めされておられるのを見かけたときに、リサイクルショップも一般化したなあと感じたものです。
で、その後、店の数は本当に増えました。自宅界隈から職場までのエリアだけみても、この2年弱ほどで新店が5軒もオープンしました。毎回必ずオープン直後には足を運んでますが、新旧問わず、週末はどのお店も相当な賑わいです。
もともと「もったいない・MOTTAINAI」という言葉と文化のある日本ですから、そもそもリサイクルショップが受け入れられ、広がる素地は十分です。そう考えると、むしろ、遅かったくらいかも。ここ最近のフリマアプリやシェアードビジネスの広がりと相まって、「いい大人が中古なんて」といった躊躇が薄くなり、一気に花開いた、そんな感じでしょうか。
不用品を売りに入って、意外と買い物も楽しめる、そんな風に思われた方もおおいようです。老若男女・国籍問わず、いろんなお客さんが売って、買ってを楽しんでいます。良いことだと思います。
電化製品や家具はお店により取扱があったり、なかったり。ですが、服はどの店でも取り扱いがあります。で、結構充実してます。若い人向けからオッサン向けまで、最近のモノとひと昔もふた昔のモノとビンテージ品が仲良く並ぶ風景。そんな店って、考えてみればリサイクルショップくらいです。
近所のショッピングモールといえば、どのモールも同じようなブランド・テナントばかり。その点、リサイクルショップに行けば、ファストファッションからハイブランドまで、いろんなやつにまとめて会える。で、ほとんどが1点もので、店によっても品揃えはバラバラ。
これが、楽しい笑。
私にとっては、難波や梅田に行かずとも、未知の最近のブランドやメイカーの品に出会えたりするのがリサイクルショップ。へえー、こんなブランドあるんだ、最近の若い子は羨ましいな、てなこともしばしば。実際、メインの靴に限ってだけでも、リサイクルショップで初めて見知った、というブランドも少なくありません。
今回のも、そんなやつです。
こいつ。
SHOEISM 1601 U-TIP
【アッパー】レザー (本革)
【ソール】 ラバー
【製法】グッドイヤーウェルト
【原産国】Made in VIETNAM
初見のメイカーです。
シューイズムSHOEISM。「イズム」です! 一瞥しただけで、何かこだわってる感が伝わってくるようなブランド名です。で、このシューイズム、(有)ドゥオモ商事さんという、古くからクロケット&ジョーンズなどの輸入を手掛けてきた日本の老舗商社が手掛けているブランドだそうです。
そんなSHOEISMの品番1601。
なんだか、Paraboot パラブーツのシャンボートみたい、と思ったら、やはりそれをモチーフとして作られている模様です。
中国での人件費高騰により、周辺国での製造を模索する中で出会ったベトナムの工場。そこで、日本から技術指導を行いながら製作されたこだわりのグッドイヤーウエルティッド、それがシューイズムの靴、だそう。
なるほど、”Original Goodyear Welted” “Made by Hand”との文字が誇らしげです。
昨年12月、北摂方面への遠征時に寝屋川・香里園のリユースシップで発見。ぱっと見て本格派のU-TIP。で、強烈ミントコンディションです。
シールもついたまんま。
ラバーのソールもこの通り。で、写真のとおり、サイズはUS7。残念ながら私には小さめ。マイサイズなら良かったのに。ですが、しっかりとした作りのがお安かったこともあり、ソッコー持ち帰ってきました。
ミントコンディションですが、いちおう、儀式です。
いつも通り、まずは左から。
ステインリムーバーで汚れ落とし
湿って光沢なくなってますが、特にワックスや汚れの類はありませんでした。
デリケートクリームもどきで保湿
変化はあまりありませんが、まあ、念のため。
TAPIR レダーオイルで保革&油分補給
さらにマットな感じに。このオイルのあとは、最低でも半日~1日置いて乾かした方が良いんでしょうね。今後はそうします。
コロニル1909で仕上げ
まあ、安定のクオリティであることは、トゥの先の光加減を見れば分かりますね。
右も仕上げて、一応、ビフォーアフター。
【BEFORE】
【AFTER】
【BEFORE】
【AFTER】
もともとミントコンディションです。見た目そんな変化ありませんが、まあ、しっかりケアしとくに越したことはないでしょう。
手入れして触ってみると良く分かりますが、すごくしっかりした作りです。グッドイヤーへのこだわりを謳っているだけのことはあります。アッパーも厚手で、とても安定感があります。かといって、硬すぎるわけでもない。
で、このサイドビュー。
羽根の付け根からのステッチと、踵からのステッチがそれぞれカーブ描きながら土踏まず辺りで繋がるサイドのライン。パラブーツ、と言われたらそうかと思ってしまいます。ですが、シャンボートもどきではなく、品質面での手抜きは一切ないかと。
新品の定価で、パラブーツの3分の1程度の価格みたいです。このクオリティでその価格ですので、コストパフォーマンスとしてはもう十分すぎるくらいではないでしょうか。
で、今回のペアはさらにそこから3分の1程の値段で旅立って行きました笑。で、それでいながら、リッチなランチ代はゲット。おそるべしリユースショップ、なんぼほど安いねん。けどまあ、ごっつあんです。
ですが、儲からなくてもいいから、マイサイズだったらよかったのになあ。
そんな風に思える、素敵なペアでした。
おしまい。