こんにちは、ばしです。
ブログを始めて1年半。
「米国ビンテージ靴を中心に・・・」、などど宣(のたま)ってますが、
ずっと、片手落ちだと感じてました。
ええ、はい。
ずっと、足らないことに気づいてました。
ですが、
それも、昨日まで。
折しも、明日から時代は令和へ。
ようやく本日、真打の登場です。
平成のフィナーレを飾るに相応しい、こいつ。
ALDEN 53546
・SIZE:8 B/D
・オースティンベンズカーフ
・ドレスラバーソール
・モディファイラスト
・MADE in USA
米国靴がメインなのにオールデンを持っていなかった私。
ようやく手に入れました。
憧れのモディファイラスト。
マイファーストオールデンです。
品番53547が黒。で、こいつは53546で茶色。
ビンテージではない、比較的新しい6穴のプレーントゥ。
オールデンもフローシャイムや手書きのジョンマーのように年代判定が可能らしいです。恥ずかしながら知りませんでした。
サイズ表記に引き続く「1D08」。
「1」が西暦の1桁目、「D」が月を示す(A=1月、B=2月・・・)。比較的新しいモデルのようですので、恐らくこいつは2011年4月製かと思われます。
少々薄くなったインソックのロゴ。わずかにAldenと読めます。が、仮に完全に擦り切れていたとしても、誰もが見紛うことのないモディファイラスト。
オールデン。
言わずと知れた米国靴の王様です。
いわずもがなのブランドですが、一応、こんなメーカーです。
ALDEN
1884年、マサチューセッツ州でチャールズ・H・オールデン氏が創業。
足の治療や運動機能の補助を目的とした「オーソペディクシューズ」からスタートした米国を代表するシューメーカー。
第二次大戦後、マンソン博士が開発した「マンソンラスト」を改良した「モディファイラスト」が独特の履き心地で人気を博す。
他社が大量生産や海外生産に移行する中でも、ハイクオリティな靴を少量生産し続けてきたオールデン。
今では、昔通りの製法で米国内で製造しているメーカーはオールデンとアレンエドモンズだけになってしまったようです。企業規模ではアレンがはるかに勝るものの、日本ではアレンを上回る圧倒的な知名度のオールデン。
振り返ってみますと、私がその存在を知ったのは、昭和が終わり平成へと時代が切り替わったまさにその年でした。
私とオールデン
学生だった1988年か89年頃、雑誌「POPEYE」で見かけたVチップがオールデンとの初めての出会いでした。
ですが、その記事ではオールデンではなく「エミスフェールのヤコブソンモデル」の靴として紹介されていたと記憶してます。ワンサイズかツーサイズ上を紐をキュッと絞って履くとかわいい云々、と紹介されてました。
「ALDEN」というメーカー名を知ったのは、雑誌「BRUTUS」の1989年11月号。
今も大事に、手元にあります。
まさに平成元年です。私にとって平成のスタートは、本格靴の世界への興味の扉が開かれた年でもありました。
しかし、当時のメインは英国靴。オールデンは「英国以外の靴のカテゴリー」で、114ページ目とおまけの扱いです。で、紹介されていたのはコードバンのタッセルローファー。
なんと5万3000円。今の半値以下です。
ですが、お気に入りは当時も今もアルゴンキン。
授業を終えた帰り道。毎日のように途中下車しては立ち寄ったアメリカ村のBEAMSで、実物を穴が開くほど眺めてました。が、当時大学生の私には到底手の届くものではありません。
そして、眺めるまま時は流れ、社会人に。
1992年。新人時代に面倒を見てくれた先輩の足元にオールデン。
スーツはブルックスブラザーズ、ネクタイはマイケルJドレイク、そして足元はチャーチかオールデン、というこの先輩・川口さんのおかげで、眺めるものから履くものへと認識が変わったオールデン。ですが、20代前半の若者に7万弱の靴はさすがに手が出ませんでした。
その後、思えば、唯一の機会が結婚の年、1997年。
結納返しの品に何をお願いするか。
当初は時計、との話でした。が、どうせならこの機会にオールデン(コードバンVチップ)との選択肢もあったのですが、散々悩んだ挙句、傷むことなく長持ちする時計をチョイス。
レビュートーメン・ランドマーク。
パリダカールラリーの優勝チームのドライバーの腕にあったというこいつ。
蘊蓄に弱い私。今も時を刻んでます。
その後、あれよあれよと価格が高騰したオールデン。
とてもじゃないけど新品には手が出ない。出したら、確実に嫁にどやされます。
中古でも相も変わらず手が出しづらい。5万出すなら3万のビン靴のほうがいい。
嗚呼、オールデンよ。
君とは縁のないままに令和の時代を迎えるのか、と、あきらめていた矢先、つにこのペアに巡り合いました。
毎度のごとく、近所のリユースショップ。4月に入ってから突然オールデンコーナーに現れたこいつ。で、なぜかこいつだけお手軽な値札がついてます。
これはきっと、30年越しの運命的な出会い。
迷わず、即決です。
持ち帰って早速手入れです。
マイファーストオールデンをメンテナンス
いつも通り、まずは左から。
ステインリムーバーで汚れ落とし。
デリケートクリームで保湿。
コロニルで仕上げ。
右も同様に仕上げてメンテ完了。ビフォーアフター。
1万円代半ばのこいつ。なぜ安いのかと思ってましたが、どうやらこのせいのようです。
ひび割れ。です。そんな古い靴でもないのに、なぜ?でメンテしたらこんな感じになりました。
多少はましになりました。どうやら、茶色のワックスが厚めに塗り込まれていたせいで、ひび割れ感が強かったようです。
ダメージは見た目ほどひどくはなく、ひび割れのように見える部分は単に色が抜けてるだけです。
元来柔らかな革です。茶系のクリームを塗り込んでやれば目立つこともないのでしょうが、厚化粧を落としたばかりですので、当面はすっぴんのままでいきましょう。
あらためて、全景。
とりあえず靴紐はそのままです。交換せねば。
初オールデンはこれ、と、決めていたモディファイラスト。
履き心地は聞いていた通り、絞り込まれたウエストは適度にタイトで、爪先はゆとりがあって足指の締め付けが皆無です。
マイ・ファースト・オールデン。
ただのプレーントゥ。
なのに、独特の雰囲気で一目瞭然のモディファイラスト。
マイサイズの8インチ。けっこうゆとりがあります。
7ハーフでも履けそう。
ですが、こいつは追加の中敷きはなしでいきましょう。
何はともあれ、
ウエルカム、オールデン。
平成の終りに、
一生離さないやつがまた1足増えました。