こんにちは、ばしです。
前回からの続きです。
あらためて、全体の手順はこんな予定でした。
1.無水エタノールで脱色
2.サンドペーパーでやすりがけ
3.ローバスバチックで染色
4.乳化性クリーム、ほか、をランダムに投入
前回は「1と2」まで。無水エタノールとアセトン(除光液)でアッパーを剥がし、粗さの異なる3種のサンドペーパーをかけた状態がこんなでした。
今回は「3と4」、色を入れて仕上げていきます。
早速いってみましょう。
3.ローバスバチックで染色
黒と紺の2色、どちらも以前使った残りが残ってました。
今回のペア、もとは黒い靴ですから普通に考えれば黒、なのですが、面白くないんでまずは紺を入れてみました。
おおー!ピンボケですが、迫力ある風な写真が撮れたので笑。
ローバスバチック。紙コップにとり、3割程度水を追加。薄めたうえで筆で塗り込んでいきます。
おー、吸い込む、吸い込む。
じゃんじゃかじゃん♫と、塗り込んでいきましょう。
ベルルッティみたいに仕上げる「パティーヌ」の場合は、赤やら黄色やら、様々な色を全体に、部分にと塗り重ねていくことで、独特な色ムラが現れるわけですが、今回は単なる「塗り直し」です。
べたべたと全体に塗り重ねて、まずは左、完了!
真っ黒笑。
次いで右も。
この時点では全体的に湿っていますので、実際の仕上がりよりも濃く見えます。別角度から。
黒にしか見えませんが、ネイビーです。追加で、あらためて黒のローバスバチックを使うかどうかは、乾いた時の状態・色目を確認してから判断しましょう。
とりあえず30分ほど、日向で放置しました。革靴は日光に当てないのが原則です。特に濡れた状態のものはご法度です。なぜなら、痛みはもちろん、革が縮んでしまってサイズが小さくなってしまうことがあるから、だそう。
今回、このペアのサイズは10Aです。
8Dの私には当然大きいです。爪先に捨て寸、で履くつもりですが、少しでも縮んでくれたら、それはそれでありがたい。ということで、あえて日向で乾かしてみました。
こんな感じ、色目になりました。
浅漬けのなすびみたいです。
アップで。
完全に起毛系のアッパーになってます笑。
追加で紺や黒のローバスバチックを塗り重ねてもいいのですが、クリームやらワックスやらを入れることで色は濃く変化していきます。
染色はここまで、薄めで留めておきましょう。
風通しのいい自転車の籠で、一晩しっかり乾燥させました。
翌朝。
こんな感じになりました。
明るめで色ムラのあるブルースエードの靴みたいになりました。
このままでもいいか、とも一瞬思いましたがやめました。斑に残った当初の黒が目立ってしまって、お世辞にも綺麗とは言えません。
なもんで、当初予定通りでいきます。
最終工程です。
4.乳化性クリーム、ほか、をランダムに投入
まずは、乳化性の無色クリームいれました。
M.モゥブレイ プレステージクリームナチュラーレ。
指に直接とり、全体的に塗り込んでみました。
アップだとこんな感じ。
スエードやヌバックの靴を「オイルド・ラフアウト」したような仕上がりです(「オイルドラフアウト」参考記事こちら)。ネイビーの色目が濃くなり、艶感がでました。艶感はよし。ネイビーはもう少し濃いめが好みです。
次のステップへ。
サフィールノワール クレム1925黒。
何か理由があって油性のクリーム、、というわけではなく、黒い靴クリームこれしか持ってませんで笑。ペネレイトブラシで全体に満遍なく塗り込んでいきます。少し放置して、布で拭き取り、磨いてみました。
色はいい感じです。艶も出てますが、スムーズレザーのそれとは明らかに異なります。
まあ、銀面が削れてしまってますのでしょうがないです。
サンドペーパー掛けましたが滑らかにはなり切っておらず、ボコボコしてます。
せめてトゥだけ、ワックスいれてみました。
五十歩百歩、ですかね。まあ、自己満足です。
右も同様に仕上げてみました。
遠目だと分かりづらいですが、近くで見ると剥がしきれなかった銀面が残ってます。
タンは紐すりゃ分からないかな。
まあ、この辺もよおく見なけりゃ分からんでしょう。
踵。まあ、だれもヒトの足元をしげしげと気にして見ませんでしょうし、良しとしましょう。
ビフォーアフター。
【BEFORE】
【AFTER】
はは、別の靴ですな。
当初から分かっていたことですが、仕事履きは無理ですね。
諦めましょう。
カジュアル仕様で、どうせなら紐も明るいのに仕様、いや、しよう。
してみました。
マーチン用に買っていたオフホワイトの靴紐に変更です。黒よりもカジュアルっぽいですし、何よりコントラストが効いて、アッパーの茄子色がより引き立ちます。
ということで、メンテナンス、というか、リメイク完了です。
あらためて、ビフォーアフター。
【BEFORE】
【AFTER】
うん、まちがいなく、茄子です。
で、この茄子、サイズ感は、やはり大きいです。
というか、長いです。直射日光で縮んだかどうかは不明。縮んでたとしても長さは変わらんかな?
ですが、細物Aウイズということで幅はちょうどです。
爪先に捨て寸、で、なんとか履けそうです。
履いてみました。
あ、しまった、紐穴のクリームが取り切れてませんでした。新品の靴紐、早速汚しちゃいました。タンの端もぼろいですが、まあ、だれもこんなアップでは見ませんし、まあ、分からんでしょう。
せいぜいこのくらいの見え方でしょう。
いかがでしょう?
思ったより悪くないかなと。
色目の仕上がりは予定通り・希望通り、です。たぶん・・・。
まあ、なりゆきの結果オーライですが、人生そんなもんです。
色目としてはいい感じに夏向きに仕上がりました。
もうすぐ梅雨。
RAINY SEASONです。
で、そいつが明けたら、今年はこいつで行きましょう。
夏よ、早く、来い。