こんにちは、ばしです。
皆さんは白い靴、履いてますか?
何足持ってますか? そもそも、靴棚にありますか?
学生を卒業と同時に白い靴も卒業、というケースが多いかも。いや、白いスニーカーなんて中学までで、それ以来ずっと履いてないよ、との向きもあるかもしれません。
白い靴は扱いも面倒です。
すぐに汚れるし、汚れが目につきます。汚れを放置してしまうと、なかなか落ちない、綺麗にならない。メンテに手間もかかります。なのに、そもそも、登板機会が少ない。履いたとしても、基本、週末限定。かつ、夏季限定。
私も永らく白い靴とは疎遠だったのですが、ここ数年、懐かしさも手伝って白靴をちょこちょこ買い求めてます。
まだ3月。だけど、もう3月です。そろそろ、夏の準備です。早すぎるというわけではないでしょう。
夏。
夏といえば白。白といえばTシャツにスニーカー。で、白いスニーカーと言えば、白です。白いスニーカーは白くなければなりません。
思えば高校時代、足元はいつも白のジャックパーセルでした。汚れてきたら洗剤で洗って、漂白剤入りのバケツにぶち込んで3日くらい放置したあと、真夏の強烈な陽差しにさらして、泥汚れのシミを真っ白にする、というのが夏のならわしでした。白い靴だからこそ味わえる達成感。それこそが、白い靴を買う、履く、楽しみの一つでした。
今回は白いロングウイング。
泉南方面への遠征時に、その汚さが我慢できず、どうしても綺麗にメンテナンスしてみたくて、思わず持ち帰ってきてしまいました。
こいつ。
HIROSHI TSUBOUCHI ロングウイング
アッパーはスムーズレザーのロングウイング、ソールはスニーカーライクなハイブリッドなやつ。最近この手の靴に縁があります。で、汚いです、薄汚れてます。だけれども、傷みはそれほどでもありません。で、900円+TAX・・・不憫です。
いや、それ以前にもったいないです。
いや、それ以前に、いい歳して相変わらずお馬鹿さんです。
もはや白ではありません。グレー。
全体的に薄汚れてます。で、スニーカーライクなソールは凹凸部分に汚れがびっしり。
トゥは汚れ、というより、表面の白が削れてしまってます。
ソックシートも真っ黒。紐も薄汚れてます。
捨て猫か捨て犬みたいです。
動物を飼ったらきちんと世話しましょう。
白い靴を買ったらきちんと手入れしましょう。
というわけで、前の持ち主に替わって、2日がかりでがっつりメンテしました。
今回は工程が多いです。長丁場になりますので、先に今回の手順をご説明します。
(1)お湯につけて丸洗い
(2)ソールをブラッシング
(3)ソールをセッチマでブラッシング
(4)ソールをメラミンスポンジでさらに白く
(5)洗濯機で脱水~乾燥
(6)アッパーを消しゴムがけ
(7)アッパーにデリケートクリーム
(8)アッパー(トゥ)を白いアクリル絵の具で補色
(9)アッパーにコロニル1909
(10)アッパー(トゥ)にパレードグロス(ニュートラル)
前半でソールの汚れをしっかりと落とし、後半でアッパーの白さを取り戻す、というのが大まかな流れです。写真もこまめに撮影しましたので、我流ではありますが、なにがしかの参考になりましたら幸いです。
てなことで、スタートです。
(1)お湯につけて丸洗い
ボディソープを泡立てながら、ぬるま湯をシャワー。しっかりと浸して、15分ほど放置します。
(2)ソールをブラッシング
ソールの底とサイドを歯ブラシでブラッシング。
まずは左。これだけでもそれなりに汚れは落ちます。
(3)ソールをセッチマでブラッシング
研磨剤入りの歯磨き粉です。メンテ用具箱の底の方に使いかけのが残ってました。普通の歯磨き粉でもオーケーかと思います。
左。ブラッシング後です。
特に汚れの酷い所は入念にブラッシングします。この、境目の汚れ。
だいぶすっきりしました。
ソールも同様にブラッシングしました。
左右ともに同様の作業終了です。
(4)ソールをメラミンスポンジでさらに白く
「水だけですっきり」なやつ。ドラッグストアで売ってます。
手でちぎり、水にひたしてゴシゴシと。スポンジ自体も削れて小さくなっていきます。まずは左、やってみました。
おー、いい感じです。
ソールだけでなく、アッパー内側の汚れもこいつできれいにしちゃいましょう。
物理的に表面を削りますので、見えない内側だけにしとこう。
(5)洗濯機で脱水~乾燥
ぼろ布にくるんで脱水7分。取り出しました。
その後、形を整えて、シューツリーを入れて一晩乾燥します。
翌日朝。こんな感じに。
雨も上がったので、朝から屋外作業です。靴本体はボディソープで丸洗い。靴ひもと中敷きはメンズのシャンプー(中年のおっさん向けのやつ)で洗いました。
随分綺麗になりました。
トゥは表面が削れてます。これはどうしようもないですね。キレイになって、この色です。さて、もうひと頑張りしましょう。
(6)アッパーを消しゴムがけ
白っぽい靴には消しゴム。最近のマイブームです。汚れのついた消しゴム使うと、逆に白を汚してしまいますので、新品を使うか、きれいな面を使用します。アッパー全体の黄ばみ汚れを除去します。ソールもさらに白く。
面積の広い部分はもちろん、パーフォレーションとステッチ部分もしっかりと綺麗になります。で・・・、
消しカス、沢山でます。なので、この作業は屋外でされることをお勧めします。部屋でやりますと、きっと奥さまの雷が落ちることでしょう。
(7)アッパーにデリケートクリーム
栄養補給です。今回はいつものデリケートクリームもどき、100均のヒト用クリームをたっぷりと。
高価じゃないけど、効果はあるでしょう。保湿と栄養補給。少し乾燥させてから次のステップへ。
(8)アッパー(トゥ)を白いアクリル絵の具で補色
どちらもDAISOで100円です。トゥの削れてグレーになっている部分を補色します。筆に直接とります。
筆全体に馴染ませたら、余分な絵の具を布でふき取ります。
僅かに絵の具のついた筆でぱさぱさと補色したい部分を擦ります。ガンプラの汚すテクニック、みたいな感じです。下の写真はビフォー。
アフター。こんな感じです。
補色したい箇所だけでなく、その周囲にも全体的に施すことで、境目のない状態に仕上がります。こつは、絵の具を筆に付け過ぎないこと。少なめの状態の筆で何度も塗り重ねたほうがうまくいきます。
左足だけ先に仕上げてみました。随分綺麗に、自然な感じになりました。
そもそも、アクリル絵の具で革を染めるのはお勧めしない、との意見もあるようです。革の表面が、ペンキを塗ったみたいな質感になるから、だそう。なるほど、全体をしっかりと染める目的の場合はおそらくNGなんでしょうね。そんな気がします。
ですが、今回のように補色程度で、かつ、べったりでない場合には、ガラスや布にも使用できるアクリル絵の具は接着力も高くて適しているように思えます。個人的にはおススメなのですが、ご自分の大切な靴に実施する場合は、一考頂きました上で、自己責任でご判断ください。
(9)アッパーにコロニル1909
あとは通常通りの仕上げです。30分ほど絵の具を乾かして、全体にコロニルを塗り込みます。
(10)アッパー(トゥ)にパレードグロス(ニュートラル)
トゥ部分にだけ透明のワックス投入しました。絵の具部分をコーティングするようなイメージです。本当に必要かどうかは分かりませんが、おまじないの意味も兼ねて・・・笑。
最後に、中敷きも交換します。
元からついてたやつにも、セッチマ・メラミンスポンジ・消しゴムがけ、すべて施しました。お陰で随分綺麗になりましたが、これが限界です。折角なんで綺麗な新品(100円)に交換です。転がすことがあるかもしれないので、その時のために古いのは捨てずに置いときましょう。
ということで、メンテ完了です。
おおっ、白くなりました。
ソールもまずまず、清潔な感じになったかな。
ビフォーアフター。
【BEFORE】お店にて。
【AFTER】
うん、いい感じです。紐も綺麗に真っ白になりました。
【BEFORE】お店にて。
【AFTER】
うん、いい感じではないでしょうか!?
見た目に綺麗です。白いです。で、何より、清潔です!
白の白は清潔感の白です。生活感はご勘弁です。
てなことで、再度、全景。
おおーっ、ま、まぶしい!
そもそも、新品のようにしたいわけではありませんし、個人的には十分すぎるほど目標達成です。
タダ同然で拾ってきた只の中古靴ですが、これだけ手を掛けますと何やら愛着みたいなものが湧いてきます。不思議なものです。
ちなみに、手持ちのホワイトシューズはこれで5足になりました。
夏限定、週末限定で、一体ぜんたい出番がどのくらいあるか分かりませんが、なくても嬉しい、満足です。
白は白くいて欲しい。メンテだけでも楽しいです。
中古ですが、しっかり丸洗いもしたし、これなら素足ででも履けます。
よし、オーケーです。
いつ、夏が来てもオーケー。
まあ、たぶん、夏まで待てないけどね。