こんにちは、ばしです。
靴のメンテ、皆さんはどこで作業されておられますか?
私はいつも、玄関(外)です。
冬場は寒いですから、本当は家の中がいいんでしょうけど、やれ、レクソルだ、デリケートクリームだ、と、工程ごとにブログ用の写真を撮影します。で、家の中の作業の場合、その都度、床や椅子の座面に直接置いちゃったりするんですよね。で、これが家族に不評だったりします。当たり前か笑。
そんなこともあって、ここ何年かは暑くても寒くても、基本、屋外です。なもんで、冬場はあんまり気が進みません。メチャ寒くて、1時間もすると、足元から底冷えしてしまいます。
ですが、今年は暖冬で、かつ、このところあったかくなってきたので、ちょこちょこメンテ再開してます。前回のALDENと一緒に、パンダみたいなこいつ、メンテしました。
JARMAN コンビ・タッセルスリッポン
JARMANのタッセルスリッポン。白と黒のコンビです。いつものリユースショップの雑多な靴コーナーに鎮座しておりました。
サイズ表記は「26 1/2 2E」。JARMANはもともとアメリカのシューメイカーですが、こいつはライセンス生産された日本製です。1990s頃の品かと思われます。なぜなら、日本製JARMANがたくさん売られたていたのがその頃だったから笑。
記憶によりますと、当時リーガルショップでも売ってました。というか、リーガルショップ「で」売っていた、のかな。他の店で見た記憶がありません。
つくりはまずまず、かと思われます。高級品ではありませんが、当時、そこそこの値段だったと記憶してます。一般的なリーガルの靴よりも高かった。たしか、26000円とか、そのくらいの値段だったような。今回のパンダがどうかは知りませんが、まあ、おそらく、2万円台だったんでしょうね。
スタイルはまずまず、カッコいいです。グッドイヤーのレザーソール。
・・・あれ、れれれ!?
オーマイガー!いやはや、またもやです。ソール全体にべったりと。この黒いやつ、汚れではありません。その昔、「ハーフラバーの替わりにセメダインなどを塗布する」、というメンテ方がありました。雑誌でも紹介されてました。
私もやったことあります。忘れもしない、被験者は神戸のJR高架下で買った並行輸入のジョンマー・オプティマでした。25年くらい前、1990年代半ばころのことです。あ、まんま、今回のペアと同時期です。きっと同じ雑誌の記事を読んでいたんでしょうね笑。
中古靴でこの手の底は、こいつで3足目です。
1足目。CHURCH’S,CHETWYND。
三都市表記の旧チャーチ。ひどいことになってました。結局、彫刻刀で剥がした上で、ハーフラバー施しました(参考記事:「CHETWYNDをメンテナンス」)。
2足目。ALFRED SARGENT PTB。
まだ、こちらのほうがマシでした。結局こいつもハーフラバー。剥がさないまま持ち込んでもOKとのことが分かり、彫刻刀は使用せず。
今回はどうしましょう・・・。
私にはでかいですから、こいつは息子が履くか、転がすかのどちらかです。が、しかし、そもそもこのセメダインはハーフラバー替わり。レザーソールの摩耗を抑え、長持ちさせることが目的のものです。かつ、滑りません。このままでも使用には問題ありません。ということで、ソールはこのまま触らずにおきましょう。
なもんで、アッパーだけメンテです。
いつも通り、まずは左から。
ステインリムーバー
まあ、いつもどおり。
レノマット
甲のタッセルの下あたりが黒ずんでます。白い部分を強力リムーバーで。
消しゴム
同じく、甲の白い部分、消しゴムでゴシゴシ。黄ばみも綺麗になりますので、他の部分も白い箇所は全体的にゴシゴシと。
100均のヒト用クリーム
デリケートクリーム替わりのこいつ。白い部分も黒い部分も、どちらにも全体的に塗布しました。
仕上げのコロニル
メンテ前の右と比べて、随分綺麗になりました。
次いで、右も同様の手順で。甲の黒ずみを中心にみてみましょう。
メンテ前
ステインリムーバー
レノマット
消しゴム
うん、まずまずではないでしょうか。あらためて、消しゴムの威力が凄いです。黄ばみ取りにはこいつが一番効果的かも。くれぐれも、汚れた消しゴムは使用しないように、出来るだけ新品か、汚れのない面を使用しましょう。
ビフォーアフターだとこんな感じ。
【BEFORE】
【AFTER】
うーん、わかりづらいですね。
先ほどの再掲ですが、アップであらためて。
【BEFORE】
【AFTER】
おー、なかなかグッドです。
今回はここまでにしましたが、白場をさらに綺麗にしたい場合は、物理的に白を足す、こんなやり方もあります。
参考画像。
アクリル絵の具です。こいつを水で薄めずにチューブから直接筆にとり、それを一旦布でふき取ったあとに、筆先に残った絵の具をパサパサと擦り付けます。
べったり塗るのではなく、パサパサと。ガンプラの塗装の技法にあるやつです。一度ではなく、複数回にわけて、少しずつ目立たなくまで繰り返す。以前、白いビルケンシュトックでやってみて効果がありました(過去記事)。こうすることで、塗布した部分と元の白の境のない、色目も自然な仕上がりになります。
今回の白場の汚れは、主にタッセルの下あたりですので、少しの汚れくらいは隠れてしまって見えず、ほとんど目立たず分かりませんので、アクリル絵の具はスルー、まあ、そこまではいいでしょう。
あらためて、全景。
うん、まあ、いいんじゃないでしょうか。
いいということにしときましょう。
陽も陰って来て、少し冷えて来ました。
寒いし、もういいよね。
白っぽいレザーのメンテには、【消しゴム】と【アクリル絵の具】が効果的。
そんなことをあらためて実感した、2月のある日の週末の午後、なのでありました。
絵の具、使ってないけど。
おしまい。