こんにちは、ばしです。
まだ5月だというのに、暑い日が続きますね。
春も残りあと僅かです。
せまる~♪ 初っ夏~♬ (←仮面ライダー風で)
そんな日差しの眩しいGW明け最初の週末。
いつものリユースショップ。
春の陽気に誘われて這い出てきたような、おもろい、お安いやつらが沢山おります。
で、2000円でお釣りなやつは、迷ったら持ち帰ると決めている私。
靴が増える一方です。
そんな中から今回は、近づく夏を感じさせてくれる、
こいつ。
IVAN BULBON , FOR GENTLEMAN
昭和な匂いがぷんぷんする、「IVAN BULBON」なるインソックのこいつ。
アッパーがちらりと見えてますが、おそらく日本製のイントレチャート。
いわゆる、メッシュ靴、です。
私の知る「メッシュ靴」とは、昔、お爺さんが夏場に履いてたような靴です。
そうそう、こんなやつ。
昔良く見かけましたよね。
意味不明の金属のプレートがついてるのも雰囲気出てます。
古臭い昭和ライクなジャケパンに帽子。
足元にはメッシュ靴。
間違っても素足には履かない。
で、メッシュの隙間から、白い靴下がチラ見するような、爺さんらしいスタイル。
僕は絶対に履かない。
そう決めていたメッシュ靴。
ですが、こいつなら、まあ、ありかな、と、思える奴に初めて出会いました。
全景。
どーん。
・SIZE:26EE
・5穴ホールカット
・茶のメッシュ
・マッケイ製法
・MADE in JAPAN
紐靴のメッシュ靴、こんな形状、初めて見ました。
美しい、素晴らしい、ホールカットのイントレチャート。
履き口に切れがありますが、まあ、問題ないでしょう。そのうち修理です。
で、何が素晴らしいって、このアッパーの編み込みです。
靴のセンターのラインは細かめの網目。で、両サイド部分は若干粗めです。
とはいえ、全体的に細かい網目。ものすごく手がかかってます。
この細かさのせいで、鱗のようにキラキラと光るイントレチャート。
ホールカットに仕立てることを念頭に置いた上で革を編み込む、と言った手順で制作されたもののように思います。
肝心要のパイピング部分の処理も丁寧です。
で、メッシュ1枚ではなくて、レザーライナーつきです。
おそらく、革を編み込んで1枚革になった時点で、編み込みがほどけるのを防ぐ目的で、裏貼りのようにライナーを貼り、その後に加工、との手順かと推察されます。
靴内部。トゥ側には縫い目。
マッケイ製法でしょうか?
ソールに縫い目はありません。薄いソールですが、ヒデゥンチャネルですかね。
製作工程の全てにおいて、通常以上の繊細さが求められる、手間のかかるやつ。
レザーソールの中央、サイズ表記の上には丸いシールが。
「PAT. NO.755225」、その下の赤い文字は「PASS N.L.M.A」。
特許から手掛かりをと調べてみましたが、詳細分からず終いでした。
いつ頃の時代のものでしょう?
とにかく、手間がかかってます。
かかりまくってます。
おそらく1970から80s後半、バブル崩壊前くらいまでのお品でしょう。
EEウイズですが、サイズ感も少し大きい程度です。
中敷き1枚でちょうどよさそう。
よし、さっそく手入れです。
ステインリムーバーで汚れ落とし
いつも通り、まずは汚れ落とし。いつもは左からですが、今回は左右同時で進めます。網目にダメージを与えぬよう、そろりと、です。
いつものように、強くはこすったりはできませんので、どの程度汚れが落ちたのか。まあ、履きこまれたペアではないので大丈夫でしょう。
ついで、保湿。
グリセリン保湿
編み込んだ革です。
幸いにも、というか、奇跡的に、網目部分のダメージは皆無です。
乾燥した状態で、何かに引っかかって、網が破れた、なんてことは絶対に避けねばなりません。
結局、濃度30%のグリセリン水を100均で買ってきたスプレーボトルに入れて、プシュプシュ、と直接ふりかけてみました。
革の表面からだけでなく、編み込みの切れ込みの部分(細く断たれた革の断面)からも水分を吸いそうです。
30分ほど放置した後、拭きとって、最後に、仕上げです。
コロニル1909
少し赤い色目が濃くなって、艶感が増したように思います。
ビフォーアフター。
陽にかざすとこんな感じ。
美しい。
宝石のようです。
足、入れてみました。
うーん、素晴らしい。
外ハトメも効いてます。
ベリーベリー素敵です。
惚れました。惚れまくりです。
また1足、死ぬまで離さないやつが増えました。
とはいえ、人生初のメッシュ靴です。
何に合わせて履きましょうかね。
じっくり考えよう。
よし、とにかくこの夏は、こいつでカッコ良く決めてやる。
夏よ、早く、来い。 (←NHK朝ドラ風で)