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謎のタッセルローファー

こんにちは、ばしです。

 

子供の頃。

親父が履いていた革靴は、日本製で、セメント製法で、アッパーもソールも薄く、踵はプラスチック製で割と高さもあって、たまに変な金属の飾りみたいなのがついてたりする、華奢なものが多かった。いわゆる、今でもたまにみかけるオッサン靴(おじいさん靴?)です。

近所のリサイクルショップの「雑多な靴コーナー」にもそんなペアが並んでます。いつ行っても、あるんですね。そして、気付かぬうちに消えている。売れたのか?売れないから棚から外されたのか?

先日のこと。

週2~3ほどの頻度で顔を出している近所のリユースショップで、見慣れない、仲良く並んだオッサン靴2足に遭遇。おお!こういうときはチャンス!です。複数のペアが持ち込まれてます。他にも一緒に持ち込まれてるやつがいるかも。と、棚の端から端までくまなく見てみると・・・、予想通り、いました。

こんなやつ、見つけました。

 

ANDOVER タッセルローファー

 

・SIZE:7 1/2
・黒
・レザーソール

 

1600円。気になるペアで、2000円でお釣りが来るやつは持ち帰るのが私の流儀です。

今月2足目となるこいつ。いつの時代のモノか、どこで作られたモノか、全く不明です。履き口当たりの縁(ふち)が擦れて白くなったりしてますが、アッパーの革質は悪くない。適度に厚く、その割に柔らかい。

サイズ表記は7ハーフ。とのことですが、私には若干大きめ、中敷き1枚でちょうどな感じです。27.5センチほどでかくはない。US7ハーフにしてはやや大きいかな。UK7ハーフくらいのサイズ感でしょうか。

インソックのロゴは綺麗に残ってます。”ANDOVER”。

 

アメリカにもイギリスにもある地名のようです。アメリカのANDOVERはマサチューセッツ州にあるそうで、イングランド・ハンプシャーの町、ANDOVERにちなんでつけられたらしい。

で、本家イギリスのANDOVERは、アガサ・クリスティの「ABC殺人事件」で「A」の殺人事件が起きた場所だそうです。「ABC~」、中学生の頃に読みましたけど、どんな内容か覚えてません。ましてや街の名前など、記憶の彼方(笑)。

で、そんなロゴの下には、”We never forget traditional spirit”。わざわざ英語でメッセージだなんて、きっと日本製なんでしょうね、こいつ。

ソールの傷みも少なく、踵は積み上げ。減りもわずか。ライナーもオールレザーです。どんな由来のやつなのでしょう?傷みが少ないですが手入れはされておらず、みすぼらしいです。

早速メンテしてみました。いつも通り、サクッと。

・ブラッシング
・ステインリムーバー
・デリケートクリーム
・コロニル
・コードバンクリーム
・ブラッシング

部分的に白くなった履き口、革が擦れたと思ってましたが、そもそも、布のようです。なんなんでしょ、これ。目立つんで、黒のクリームで補色です。

 

 

 

ビフォーアフター。

 

おお、なかなかグッドです。素敵です。

バックシャン。

 

 

釣り込まれた跡のある、特徴的なヒールカップ。丁寧な仕事です。ALDEN製のBrooks Brothersには、同様のステッチがあるそう。「フォクシングステッチ」というこのスタイルは、ALDENのタッセルローファーでもBB向けだけの仕様らしいです。

そういえばこいつ、少し短めのヴァンプですが、全体的なフォルムやインソールの形状など、なんとなくオールデンぽいです。タッセルローファーの生みの親はオールデンみたいですし、なにより、ANDOVERのあるマサチューセッツ州はオールデンのお膝元です。

このペアは、ALDEN×BBのタッセルローファーのオマージュとして作られたモノなのかもしれませんね。だとしたら、粋なことしますね。

 

以前持っていたタッセルローファー、JARMANREGALも手放しちゃいました。

なもんで、こいつ。

若干大き目で、登板頻度も少なそうですが、しばらく手元に置いておくことにします。

あ、足元に、ね。

 

I never forget traditional spirit!

オールデン、持ってないけど(笑)

 

 

 

 

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