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銀座ワシントンの内羽根ブーツ

こんにちは、ばしです。

 

このところあまり物欲が湧かない。

普段なら抑えようと思っても抑えられない「靴欲」。あれもこれもそれもと、もっと沢山靴が欲しいはずなのに、7月はそれほどでもなかった(といいながらも4足ほど買ったのですが汗)。理由は何かと考えてみますに、単純明快、他のことに気持ちのベクトルが向いているから。

 

ひとつは、体のメンテナンス。

ダイエットに気が向いてます。6月に人生最大体重である78kg直前となり、流石にこれはまずいと、ここ数週間、週1~2回仕事帰りにプールに通ってます。市営の屋内プールで温水なのですが、冷たくなくても心地よい。水中で「蹴伸び」をして全身の筋肉がすっきり伸びて気持ち良いです。なんだけれど、なかなか痩せない。やはり年齢の所為もあり基礎代謝が落ちているようです。なもんで、

今週から早朝ジョギングも始めました。

朝5時過ぎの東の空。

通りには人影はまばら、と思いきや、いやいや、朝早くから老若男女結構たくさんの人が出歩いています。夫婦でウォーキング中のお年寄り。犬を複数匹散歩させてるおじさん。公園の周りの落ち葉掃きをしてくれてるおばさん。通勤でしょうか自転車で駅方面へ向かうお兄さん。

そんな中を小一時間、いつもより重いカラダで歩いたり走ったりスキップしたりして汗だくになっている私。5日目の昨日は寝坊してしまったのですが、お尻周りの筋肉に痛みを感じつつもなんとなく「手応えのとっかかり」を指先に感じ初めた、そんな感じ。もう2週間もがんばったら少しくらいは痩せるのではないか。

 

もうひとつは、古靴のメンテナンス。

というか、「リペア」です。靴はもう十分腐るほどある。まあ、どれだけあっても一向に構わないのですが、折角買っても履く機会がないのであれば持ってる意味もあまりなくて。で、修理して履くことを前提に買ったのに手付かずで放置したまま、というのが何足かありまして、どちらかというと気持ちはそちらに向いている。

先日リペアが完結したドクターマーチンがそうだったのですが、実は似たような状態なのが他にも何足かあります。もういい加減手当せねば。どんなやつらか、顔ぶれをご紹介しますと、

 

まず1足目。

MATRIX

Heywood Boot &Shoe Co.の持つブランド「MATRIXマトリクス」のペアです。同社は1953年にクローズしたそうなので、こいつはおおむね1940s~50sの製造。かなり旧い個体です。メッシュとレザーのコンビ靴。幸いなことにメッシュ部には不具合はないのですが、

履き口が破けてます。この状態で1年半以上放置してます。夏向きなペアですし、今年の夏中には履き下ろしたい。

 

ついで、もう1足。

BROOKS ENGLISH by EDWARD GREEN

EG製のブルックスイングリッシュ。こいつも1年半以上放置したままです。

こいつも踵履き口が駄目です。状態はかなり酷い。修理しがいがありそう。この手のシンプルなシングルモンクはほかに持ってません。オールシーズン履けるペアでもあり、きちんと復活させたい。

2足とも「修理せねば」とリペアグッズ等購入して準備していたのは昨年5月のこと(「リペアグッズとリペア予定」参照)。あれから1年数カ月。流石に、夏を2度も越させるわけにはいかない。ちょうどお盆休みもやって来るし、しばらくはこいつらのリペアを楽しむつもりです。

 

2足とも、ビンテージ靴にはたまらないやつらなわけですが、そんなやつらもダメージがあればお値段はぐっと安くなる。状態としてはそのままでは履けないわけですが、修理すればまだまだ履ける。なもんで、この手の靴を見かけるとついつい持ち帰ってしまう。

冒頭の通り、7月は靴欲はさほど湧かなかったわけですが、そのままでは履けない、誰も買わないであろう靴を見かけ、これは不憫と持ち帰ってきてしまった。上の2足のリペアの前に、先にそいつの手当です。

 

7月の4足目。

ファブリック地の内羽根ブーツ。なかなか見ないタイプのペアです。

履き口付近に文字が。おそらく、「26」「9C」がサイズ表記と思われます。で、ご覧の通り、アッパーはファブリックなのですが、ライニングはレザーです。

タン裏も、内側は爪先の先まで柔らかなレザーラインニングです。こいつ、何処の何者かといいますと、

 

 

銀座ワシントン「CRIFF」

ワシントン靴店のオリジナルラインで「CRIFFクリフ」というのがあったそうな。20年ほど前のことで今はもう存在しないみたいですが、以前小さめサイズのを1足転がしたことがあります(過去記事「シャドウステッチの銀座ワシントン」)。超高級というわけではないみたいですが、それなりに手の込んだ造りの靴だった。

今回のペアもなかなかに個性的なペアです。で、アウトソールもトップリフトも使用した形跡がほとんど感じられない。

マイサイズと思しきやつが1300円+税とお買い得なこともあり拾ってきたわけですが、恐らく、私みたいな変人でないときっと持ち帰らない、スルーしてるはずです。

なぜなら、変形してるから。

お分かりになりますでしょうか。

アウトソールの形状がおかしなことになっています。

原因はこいつ。

ばね式のシューキーパーです。

靴の型崩れを防ぎ長持ちさせる上で、シューキーパー・シューツリーは必需品であるわけですが、この「ばね式」を使うのはやめた方が良い、なんて話を聞いておりました。入れっぱなしにすると型崩れの原因になる、ということらしいのですが、

なるほど。ここまで変形するとは。

靴の中ではこのような状態なわけですが、片手でキープするには結構力が必要です。

サイドジッパーのない側から。ソールが伸びてはいるものの程度はまだましです。ああ、せめてジップアップした状態であればここまで酷くはならなかっただろうに。柔らかな素材のアッパーにシングルソールということも手伝ってか、原型をとどめないほどになってしまい、さほど旧くもないのに「昔の時代の売れ残り靴」みたいになってしまった。

それもこれもこのばね式のシューキーパーが犯人です。ばね部分に錆もでてますし、こいつは処分するとして、靴本体は魅力的ではありますので、普通に履けるよう、元の状態に戻してやらねばなりません。

やり方はいたってシンプルです。一旦水にドボンとつけてアウトソール含め全体にしっかりと染み込ませ、ばね式でないシューツリーを入れた状態で乾燥させる。おそらくそれだけでかなり矯正できるのではないか。

早速やってみよう。

 

(次回につづく)

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