こんにちは、ばしです。
ビン靴漁りを始まるようになってから、「ちょっとくらい大きくても中敷き調整でOK」、なんて気でいましたが、難敵がいました。
先週月曜に履き下したAPOLLO。
思いのほか幅広で足に合わず、夕方には腰が・・・週の前半から腰痛で整骨院通いです。
腰も、BONTAさんで折角修理したAPOLLOも、どちらもNGです。
うう、なかなかに辛かった涙。
そういえば、以前、メーカー違いのダブルモンク2足を左右取り違えたまま履いていて、腰痛になったことがありました(過去記事「ダブルWモンクと腰痛注意報」)。
やはり、足に合った靴を履くことはあらためて大切です。
大き目サイズの多いビンテージ靴ではありますが、中敷きを前提にするのではなく、中敷き不要なマイサイズがあればそれに越したことないですね。当たり前ですが。
で、週の後半。
今度は歯痛です。1ヵ月ほど前から使い始めた遠近両用コンタクトレンズの所為です。
慣れたつもりでいましたが、油断禁物です。
そんな先週の良かったこと、といえば、会社帰りにいつものリユースショップでお安いビン靴に遭遇したこと。
それも、同じ店で4足。
まとめて拾ってきました。
とりあえず、同じシューメイカーのやつら、2足仲良くメンテです。
こいつら。
PAULSEN SKONE by CROCKETT & JONES
英国を代表する靴ブランド、ポールセン・スコーン。
もともとはビスポークのシューメイカーですが、ここのレディメイドはエドワードグリーン製とクロケット製がある模様です。
バブル経済絶頂期の頃の英国靴ブームの筆頭頭で、当時の雑誌「BRUTUS」の靴特集の表紙も飾ったポールセン・スコーン。
ただ、それも30年も前の話。今では、靴好きな人以外には知らない人も多いようで、リユースショップでの扱いはリーガルさん以下です。
黒のセミブローグと茶のパンチドキャップトゥ。
同じクロケット製のポールセン・スコーンですが、年代は大きく異なります。
まず、黒のセミブローグ。
インソックのロゴはNEW&LINGWOODとのダブルネームです。
内側の表記はゴシック体。
ヒドゥンチャネルのソールの真ん中にもNとLのロゴ。
ポールセン・スコーンがニュー&リングウッド社に買収されたのが1972年とのことですので、このペアはそれ以降のもの。割とよく見かけるロゴのやつです。
ついで、茶のキャップトゥ。
インソックのロゴが掠れてますが、「J.GANE OF EATON」とあるやつです。
ポールセン・スコーンがイートン校御用達の靴店・J.GANEを買収した頃のダブルネーム。
内側には手書き表記のある、1960年代のペアです。
とりあえず、2足まとめてメンテです。
いつもの手順で、まずは左から。
ステインリムーバーで汚れ落とし
曇りだったのが、御日様が出てきて熱いです笑。茶はそれほどでもありませんが、黒はワックスがそれなりに塗り込まれてました。がっつり落とそう、ということでこいつ。
レクソル
ハブラシにとって、ゴシゴシ泡立て、泡ごと汚れをふき取ります。次いで、
リッチデリケートクリーム
カラカラ、という訳ではありませんが、塗布してしばし放置するとすっかり吸い込んでます。2度ほど塗り重ねたら、仕上げです。
コロニル1909
指で塗り込んで、ウエスでしっかり磨いて、ブラッシングして完了です。
ビフォーアフター。
サイズはどちらも7Eです。
マイサイズのクロケット製ポールセン・スコーンを1足持ってます。
比べてみました。
まずは茶色同士。
インソックのロゴがはっきり残っている方が、マイサイズ・7.5Eです。
どちらも手書き表記、同じロゴ、で、サイズ違い。
確かに、微妙に違います。
踵部分、もともとはドッグテール。
今回拾ってきたペアは補修されているようです。補修した部分、茶の色目がアッパーと微妙に異なりますが、そうと言われなければリペアされていると分からないほど丁寧な仕事です。
ポッコリとしたトゥのおかげで、7Eでも入らないわけではありませんが、やはり私には微妙に小さい感じです。
次いで、黒と比較。
見た目はほぼ同じです。
サイズ表記を見なければ同一サイズ。ですが、足を入れますとやはり微妙に小さい。トゥの捨て寸がより大きい感じ。
黒と茶では木型が異なるのでしょう。
年代は黒の方が新しい。
ですが、アッパーの質は手書き時代の茶の方が圧倒的に素晴らしい。
米国靴も、英国靴も、やはり1960年代までと1970年代以降とではクオリティに大きな溝があるのかもしれない。そうを感じざるを得ないほどのクオリティ差です。
(※2023/10/9付け追加訂正;1990s頃のBEAMSさんの別注による品は1960sの復刻ロゴが使用されていたようで、今回のものも1990s頃のモノのようでした。お詫び&訂正いたします。詳しくはこちらの記事&コメント欄を参照ください。)
3足まとめて記念撮影です。
同メーカーの同サイズが同じ店で同時に店頭へ。
どんな経緯かは分かりませんが、どちらも同じ所有者のものでしょう。
どちらも古いペア。
で、どちらもきちんと手入れされていて、大切に履いてこられたことが伺えます。
なんか、素敵な気分です。
類は友を呼ぶ、ではないですが、古い靴を媒介として、時空を超えて、見知らぬ人と少しつながったような感覚。
同じ靴好きとして、共感といいうか、幸せな気分になれる。
これも、ビンテージ靴を趣味とすることの醍醐味のひとつ、
なんでしょうね。