こんにちは、ばしです。
ビンテージ靴の蒐集とメンテナンスが趣味の私。
で、趣味そのものから派生して関連するようなグッズなどにも興味関心が向く、というのはよくある話で、私の場合はポストカードに靴ベラによくわからないものまで、脈絡なくいろんなものをちょろちょろと買い漁っております。
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ここしばらくは何も買ってなかったのですが、つい最近メルカリで靴関連の中古書籍を購入しましたのでご紹介です。こんなやつ。
シューポリッシュ缶1001物語
洋書です。
内容は、ワックスの缶で丸ごと1冊、という、非常にマニアックな内容です。パラ見しただけなのですが、そこそこのページ数でもあり、ま、この手のものはなんだか手元にあるだけでワクワクします。
著者であるLaurent Vernay氏はブリキ缶のコレクターだそうですが、フランスの方みたいですね。本のタイトルも英語と仏語の両方で書かれてます。
1001 Histoires De Boites À Cirage
1001 stories of shoe polish Tins
”Cirage”=靴墨、だそうです。
おお、そうなんだ。実は私、学生時代の第二外国語はフランス語だったんですけどね。早々に訳が分からなくなり1年で挫折&離脱。三十年経った今でも明確に覚えているフレーズは「ジュヌパルルパフランセ」だけ。嗚呼なんと情けない。
さて、内容はといいますと、こんな感じ。
靴磨きワックスは革の保護や美しさを保つために誰もが使う不可欠な製品ですが、その起源と歴史についてはよく知られていません。ある靴磨きワックス缶コレクターの情熱的な収集作業の成果により、その秘密が明らかになり、アナタを世界一周、更には中世から現代までの時間を超えた時空旅行に連れ出します。シートベルトと靴ヒモをお締めください。
本物の歴史家的アプローチと緻密な文章と写真に溢れたこの本は、この分野の参考書としての十分な価値があり、必読書と言えるでしょう。この本を読んだり、ページをめくったりしているだけで、誰もがとても楽しい気分になること請け合いです。美しい靴が好きな方には特におすすめ。
この本を読めば、靴磨き缶についての全く異なった観点が身に付くと同時に、人それぞれの異なるニーズに沿ったブランドを選べる勘が備わったりします。勿論、その目的は常に“レザーケアと美しさ”を確保することです。
この書籍の紹介文を引用させて頂きました。グッときましたのが「靴磨きワックス」に「靴磨きワックス缶」という日本語訳。まどろっこしい語感が何だか歴史を感じさせているようでいい響きです。よし、靴ヒモをしっかり締めて、さっそくページをめくってみましょう。
おお、表紙だけでなく本文も英語とフランス語の併記です。まあ、どっちにしてもうまく読めません。余談ですが、最近のIT機器の進歩は凄まじいですね。スマホで写真をとったらテキスト部分だけを選択できて、「翻訳」をぽちっと押したら日本語訳が出てきます。
まあ、それでも全240ページとかなりのボリュームです。暇なときに翻訳しながら読んでみよう。まあ、別に読めなくても写真がたくさんで、眺めてるだけでも結構楽しいです。
冒頭では「靴磨きワックス」の歴史について。
相当にマニアック&貴重な内容と思われます。じっくり読んでみよう。
そのあとページはいろんなメイカーのワックスの缶の写真。アルファベット順に沢山掲載されています。聞いたことないブランド名がほとんどの中、耳馴染みのあるものもちらほら。
例えば、
COLLONIL
1909年創業だそうです。
缶の写真だけでなく、ブランドヒストリーも丁寧に紹介されています。
KIWI
日本でもおなじみのKIWI。
フランス語で2ページ、英語で2ページとかなりのページ数を割いて紹介されています。
LINCOLN
当初は缶のデザインにリンカーン大統領が描かれていたんですね。
靴墨でなくメントールのキャンディなんか入ってそうです。
SAPHIR
見開き2ページで紹介されてます。今のパッケージデザインとはずいぶん異なりますね。デザインの変遷を辿るだけでも楽しそうです。
ちなみに、サフィールはこの書籍発刊に当たって協力もされていて、同社のCEOであるMarc MOURA氏が序文に寄稿されてるようです。
などなど、
世界中の靴磨きワックス缶の写真や当時の広告などがこれでもか、というくらい掲載されてます。タピールの靴墨なんかもあるらしい。欲しいな。
たかだか直径7,8センチの円形の缶なわけですが、ほんとに様々なデザインの宝庫で、見ているだけで楽しくなります。
終盤には各ブランドの昔の広告物なども。
最後の240ページめ。
背表紙。
おしまい。
右下が著者のLaurent Vernay氏と思われます。いい歳したオッサンが、楽しそう、嬉しそうです。うらやましいです笑。
掲載されているビンテージ缶は世界中のもので当然レアなものが多数と思いますが、日本で手に入るモノもあったりするんですかね。
この本を図鑑代わりに、「ビン缶漁りの旅」に出かけるのも楽しいかもしれません。ただ、難易度も値段もビン靴漁りより相当に高そうです。価格にはビンカンな私です。
で、実はもう1冊購入しました。
Handmade SHOES FOR MEN
先ほどの「1001・・・tins」と2冊セットで購入しました。VASSの創業者であるラズロ・ヴァーシュ氏による「世界的伝説の名著」と呼ばれる1冊です。こいつも洋書。なんでこの本を買ったのかといいますと、
日本語版を持っとります。
どうせなら両方とも揃えておきたかったのでした。
なのですが見ての通り、
表紙デザインは全然異なります。
厚さも全然違う。
ということは、中身もかなり違うのだろうか。
いや、同じですね。
ページを記した位置は異なりますが、どちらも88ページです。
ほかはどうなのかな。
126ページ。
これも同じ。
150ページ目も同じです。
なのに、厚さは違うんですよね。
日本語版には解説のページなんかが付加されてるのかな。
と思ったけど、どちらも全215ページ+余白です。同じページ数&枚数です。日本語版の方が紙厚が厚いんでしょうね。世界的伝説の名著ですのでコストもかけてるということなのでしょう。
で、何より凄いのが、英語版も日本語版も、写真も文字のレイアウトもほぼ同じです。英語を日本語に訳すと文字の分量がぐっと減ることが多いのに、ボリューム的に同じページレイアウトを維持している。素人なので詳しくはないのですが、これって、とても素晴らしく翻訳&監修されている、ということなのではないかと思う次第です。
表4は同じ写真です。
まあね、共通する部分もないと同じ本だってことが分かりません。
よい判断なのではないかな。
さて、最後にまとめて記念撮影。
手前の黒も日本語版が出たらいいのにな。
まあ、買う人はほとんどいなさそうですし、無理でしょうね。
でも、もし出たら買いますよ。
中古で、ね。
(おしまい)