こんにちは、ばしです。
4月上旬のことです。
久々にリユースショップで拾いモノのビン靴に遭遇しました。や、や、安い。なんだけれども、「これは是が非でも欲しい」ということは全くなくむしろ「これは履かないな」、との印象だったのですが、義務感より拾ってまいりました。
こいつ。
ワンコイン FLORSHEIM
見慣れたロゴです。
トップリフトもオリジナルのようです。
サイズは「8E」。
品番は「23240」。
アルファベット2文字は「KI」。
1988年11月製、ということかと思われます。
と、思ったら、
なんと!
左足の印字が先ほどの右とは異なります。
アルファベット2文字は「BJ」です。
1989年2月製、となる。
どっちがどうなのか分かりませんが、いずれにせよ左右ともに日本のバブル期真っ只中に製造されたスリッポンです。
ハーフラバー済。
内側に縫い目なくコバに出し縫い糸もありません。セメント製法のペアかと思われます。サイズ8Eは私には気持ち大きいかもですが、まあ、マイサイズといっていい範疇です。ただ、この形です。なんか、バブル期の頃に近所のおっさんが履いてた変なイタ靴みたいな顔です。たぶん履かない。
で、すみません、嘘つきました。
ワンコインではない。ワンコインでお釣り。税別400円でした。うーむ、捨て置きたいところですがフローシャイムです。このままだと履き捨てられそうです。それはまずいです。てなわけで、フローシャイムも1990s前後にはこんなセメント製法の靴も作ってたんだ、との史料として持ち帰ってまいりました。
なんかもう、ヨレヨレです。
この後の扱いはさておき、まずはシャキッとさせたいな。
さくっと行こう、さくっと。
LEXOL
いきなりレクソル。
なんとも微妙な顔です。で、ヨレヨレ。
グリセリン保湿
特段、乾いてたわけではないのですが、
湿らせて、乾かすことで少しばかり縮みます。
シューツリーを入れた状態で乾燥させることで、アッパーが適度に縮み「ぴんっ」と張りが出てきます。しゃきっとさせましょう。
2日後。
どうでしょう。
しっかりと湿ってます。
このまま、乾かす。
乾きました。
うーん。
どうにもこうにも。
乾燥時に革が縮んで甲部分がもっとパリっとするかと思ったのですが、そうでもないな。まあ、しゃあないですな。いつも通りコロニルで仕上げました。
【BEFORE】
【AFTER】
まあ、比較してみたらそれなりかな。甲の皺の改善は期待値には満たないものの、履き口はかなりすっきりしたような。
いや、褒め過ぎたかな。
甲のサドルような切り返しは無いほうがよかったな。
そうすればコブラヴァンプ風に履けたのにね。
いや、まあデザインは個々の好みの問題ですし、あえてこのデザインなんでしょうね。それに、見ると履くではまたイメージも変わります。
足を入れてみよう。
サイズは行けますが、トゥがとんがり気味です。
ど、どうでしょう?
奇をてらった感はないけれど他人とは被らない。そんなデザインです。
お前、なかなかにナウいぞ。がはは。
歴史は繰り返す。
ファッションの流行もロングスパンで繰り返すようですので、このペアが流行の最先端となる時がいつか来るかもしれない。
そのときにまたお目にかかりましょう。
また逢う日まで。
ごきげんよう。
さよなら。
(おしまい)