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たまにはイタ靴、たまには布タグ(その2)

こんにちは、ばしです。

 

お蔭様で、

今回の更新で目出度くブログ5年目突入と相成りました。

ありがとうございます。これもひとえに、常日頃からお付き合い頂いております皆様のお蔭と、感謝感激雨アラレです。ありがとうございます。何がどう変わるわけでもありませんが(トップ画面の画像だけ変えてみました笑)、5年目もゆるゆると、引き続きお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

 

節目ではいつも、スペシャルなペアを自分にプレゼントすることにしています。これまではといいますと、

 

2年目記念:GRENSON  G2  PERCY

ビンテージでない最近のグレンソン。転がして手元にありません。

 

3年目記念:Alligator McHale

年に1度は履くようにしてます。こいつは転がさないやつです。

 

4年目記念:Allen Edmonds 4365  “SENECA”

ベリーグッドコンディション。こいつも転がしません。

 

さて、5年目の今年は、、、、

すみません、相当にスペシャルなやつなのですが、まだ届かない。おそらく12月前半の到着の見込みです。そのスペシャルなやつを含め、海外からの購入分が現在洋上に4足あります。Made in USA,UK,GERAMNY,BRAZILと、ワールドワイドです。

ただ、到着は早いものでも今月末頃になりそう。

・・・って、今月もあと僅かですね。まあ、大半が12月着予定ということです。どれもまずまず、お買い得なペアかと思います。とはいえ、何分海外からの送料はそれほど安くはない。なので、お買い得とはいえ安いものでも1足あたり最低でも6~7,000円程度はかかってしまう。

その点、国内は良いです。リユースショップでなら送料がかからないし、安いものだと500円からあります。先日も税込み550円のを拾ってきてしまいました笑。国内サイトでも送料込みのお買い得なものが多い。メルカリでなら5000円以下でいろんな中古靴が売りに出されてます。

リセールバリューを考えると、フローシャイムなどの王道ブランドは外せない。ですが、5000円以下ならブランドやメイカーなどはあまり気にせずに遊べます。で、海外からみたいに何週間も待たずにすぐに届く。なもんで、眼に止まった中で気に入ったものを自由にチョイスしてすぐに戯れることができる。楽しい。

例えば、こんなやつ。

 

 

マイファースト・ア・テストーニ

シングルよりはダブルソールがお気に入りな私。

イタリア靴をあまり買わないのは、マッケイ製法で底の薄い華奢な靴が多いから。なのですが、こいつはメルカリの写真で見る限り、底は結構厚めです。なおかつ、そろそろ1足欲しいと思っていたレイジーマン。まあ、こいつはシューレスですし、レイジーマンというよりもサイドゴアスリッポン、といった方が良いのでしょうが。兎に角、そのスタイルに一目ぼれしてしまったのでした。

正直、イタ靴のことはあまり詳しくありません。

私の中で高級イタリア靴といえば、タニノクリスチー、エンツォボナフェ、フェラガモトラメッツア、ジャコメッティ、ステファノべーメル、てな感じです。今回はア・テストーニ。初見のシューメイカーです。

こんなブランドらしい。

 

1929年、イタリアのボローニャで創業。ブランド名は昔から靴職人をしていた家系に生まれたアメデオ・テストーニの名に由来する。ア・テストーニの靴は、第二次世界大戦後にアメデオが完成させた独自技術「ボロネーゼ製法」で作られており、逆に言うとボロネーゼ製法の代名詞ともいえる。

このボロネーゼ製法は全177工程に渡り、かつその大部分は大変複雑な技法で、習熟度により靴の仕上がりが大きく左右されるため、現在でも、生粋の靴職人による手作業で一足ずつ丁寧に作り上げられている。同じイタリアの高級靴ブランド創業者であるステファノ・ブランキーニ、エンツォ・ボナフェが、門下の職人として靴作り修行をしていた事は、つとに有名(ウィキペディアより抜粋)。

 

だそうです。「ア・テストーニ」の「ア」は日本では省略することが多いようですが、兎にも角にも、イタリア高級靴といえばその優れた技法で有名なものが多いように思えます。今回のテストーニは「ボロネーゼ製法」。ボロネーゼといえばテストーニ、らしい。ですが、製法についてはあまり詳しいことは分かりません。一応、ディテールを見てみましょう。

ソックシートには黒い布ラベル。

「ブラックラベル」「ブラックレーベル」と呼ばれるアッパーラインだそうです。以前の記事「たまにはイタ靴、たまには布タグ」で取り上げたフェラガモのアッパーラインであるトラメッツァも布タグ仕様でした。ボストニアンやフローシャイムのように、米国ビン靴の場合は、ソックシートに布タグ(時代のもの)は年代が比較的新しく、クオリティが高くないことの象徴のように思えたりしますが、イタ靴はその限りではないらしい。

 

で、靴の中、奥の方。

マッケイのような縫い目が見えます。

コバには出し縫い糸。

これはブレイクラピッド製法なのでしょうか?ボロネーゼ式のブレイクラピッド?? よく分かりませんが、お蔭で底厚な一足となったようです。アッパーは、ショートウイングのトゥはスムーズレザー。次いで切り返してシボ革。で、さらに甲から踵にかけてのサイド上部は再度切り返してスムーズレザーに。

この切り返し部分は2~3ミリくらいのテープみたいな縁取りが施されています。これは「フィレットーネ」と呼ばれる技法だそうです。

革と革を伸縮性の高いカンガルー革等でつなぎ合わせる技だそう。どんなふうにつなぎ合わせているのか、外側からだとよくわかりませんが、パーフォレーションのステッチはとても細かく正確で、全体的に丁寧かつ職人技が施されているであろうことは素人にも容易に見て取れます。

で、ブラックレーベルのペアに施される技に、「スパイラル飾り」なるものがあるそうです。見た目にはウエルトにギザギザと切り目の入った「ノッチドウエルト」みたいな仕様のようですが、このペアには施されてはおりません。

ソール。

レザーソールにハーフラバー。トップリフトも6割ほど残ってます。で、注目すべきが「7 1/2 H」。「H」!です。ほんまかいな。

色々同社の靴の写真を見てみましたところ、「G」ウィズのものが結構多いようです。Gウィズが標準なのでしょうか。ただこのペア、確かに幅広ではありますが、「H」というほどは広くないように思えます。

何が基準なのか、よくわかりませんが、まあいいです。雰囲気的にはE~EEぽい感じで、靴下履いて中敷き入れたらちょうど良さげになりそうです。

まずは儀式です。いつも通り、まずは左から。

 

ステインリムーバー

いつも通り、なのですが、今回は屋内で作業です。勤労感謝の日の大阪は風が強く体感温度はかなり寒い。その上、前々日より風邪気味なせいもあり、おっさんはぬくぬくと作業することにしたのでした

 

LEXOL

いつも通り、なのですが、小さな容器に移しました。いつもでっかい容器のまま使用しておりましたが、使いづらいし、持ち運びづらいし。もっと早くやれってね。そうと分かるよう、オレンジ色の目印つけときましょう。

 

リッチデリケートクリーム

イタリアの著名シューメイカーに敬意を表しまして、100均の「もどき」でないほうで。年代は不明ですが、ビンテージということでもないのでしょうね、乾きもそれほどではありません。

 

リッチモイスチャー

アッパーの変化よりも、ツリーを抜いた状態の「太さ」にばかり目が行きます。これ、サイズがもし8なら私には完全にデカかったと思われます。ギリ、セーフ。

 

TAPIRレダーオイル

油分補給&保革。今回はタピールで。理由は特にありません。

 

コロニル1909ニュートラル

理由も何も、我が家ではいついかなる時も仕上げはこいつと決まっています。

 

底はいつもなら、ソールトニック・パレードグロス・コロニル、なのですが、今回はハーフラバーだし、特になにもなし。

 

メンテ完了です。

どおーんっ。

うん、いい感じです。ま、当初からそんなダメージもありませんでしたが、黒さが深まっていい感じに引き締まりました。

とはいえ、Hウイズのこいつ。Hは大げさとはいえ、見た目に幅広ではあります。

ツリーを入れた場合とそうでない場合を比べますと、一目瞭然です。

どうでしょう。角度を変えてもう2枚。
右斜めから。

左右斜めから。

おおー、やはりツリーの入っていない右足が結構ひろびろしてます。足を入れて、甲の高さが出るようになれば太った感は軽減するようです。どのみちでかめなんで、今回は中敷きを入れます。で、今回の中敷きは、底を挙げるだけでなく、足の左右を少し覆うような、幅広めの中敷きが良さそうです。

左右の隙間を埋めることで、足が中で動くのを低減することで履き心地をアップさせると同時に、甲の高さも増すことで、履いた時の幅広い感じが多少すっきりするのではないか。

てなことで、100均のスニーカー用インソールを買ってきました。

おおー、いい感じです。あ、いや、まだ何もしてない。。

daisoで確認した中で一番幅が広そうなやつをゲットしてきました。

ほぼ同サイズ。ですが、このままだと気持ち大きい=長いので、爪先を5ミリほどカットしました。幅は触らずそのままです。

INしてみました。で、さらに左足にだけツリーをIN.

うん、やはり甲高な方がすっきり見えますね。足を入れたらどうなるでしょう。

うーん、さきほどのツリーだけの時よりは太って見えますが、それほど極端に太い感じでもないかな。

見た目に少しすっきりしたかどうかは正直よく分かりませんが、非常に良い感じにフィットしてます。まあ、真上から他人の靴を眺めることなんてほとんどありません。大体が横からか、斜めからです。

そうそう、この角度。

このサイドビューがこいつの購入を決めた最大のポイントなのでした。ショートウィングスタイルのサイドゴアスリッポン、なのですが、踵付近で巻き上がるラインが1960sのロングウイングのようです。米国製ロングウイングでも、この巻き上がるスタイルが大好きな私。厚めのシングルソールに、かつ、スムーズレザーとシボ革のコンビということで、適度なエグさも私好みです。

 

こいつ、メルカリで送料込みで4000円でした。

イタ靴は詳しくないんで、安いのか、そんなものなのか、価格の妥当性、相場感はよくわかりません。まあ、送料込みですので、絶対額としては安い部類であることは間違いない。ですが、「いい買い物」とはきっと値段の安い高いは関係ない。高かろうが安かろうが、商品の満足度こそがそのバロメーターではないか。

今回は思いがけず、「とってもいい買い物」ができました。

何がいいって、このサイドビュー。一目惚れです。カッコいいです。美しいです。おそらく、唯一無二のスタイルかと思われます。中敷き外せば息子にもちょうど良さそう。

おおテストーニ。いや、
ああテストーニ。もとい、
あ・テストーニ。

ああ、なんか面倒だ奴なあ、
けど、君には長く我が家に逗留してもらうことになりそうだな。

 

5年目も幸先良さそうです笑。

 

(おしまい)

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