こんにちは、ばしです。
6月2度目の週末。
買った靴のメンテは全て終わったわけではないのですが、いよいよDIYリペアに取り組む時がやってまいりました。
グッズはあれやこれや購入済です。
(過去記事「リペアグッズとリペア予定」より)
いろいろありますが、いきなり難易度の高いことはよろしくない。簡単なことから始めよう。素人が靴リペアに取り組む上で最も簡単なこと、それは「貼ること」ではないか。
貼っておしまい。大変シンプルな作業です。なわけですが、糊の量だとか、乾かす時間だとか、そもそもの糊の強度だとか、程よい加減というものがあるようです。今後のためにも早めに確認しておくことも重要です。
ということで、
こいつから始めることにしました。
とはいえ、こいつはダメージがあるわけではない。今回はリペアではなく補強。薄いマッケイシングルソールヒドゥン仕上げのこいつにハーフラバーを仕込むことといたします。で、
一口にハーフラバーといっても一様ではない。
比較対象準備しました。
まず、右隣りのペア。
大阪駅前第三ビルのBONTAさんにお願いしました。土踏まず辺りのラバーの端は通常は直線なわけですが、こいつは丸く仕上げてもらいました。
ソールと全く同じ形で端まで完璧に貼りついています。ソールとラバーの間には剃刀の入る隙間もないうえに大変美しく仕上げられています。たかがハーフラバー、されどハーフラバー。これぞプロの技です(BONTA de 靴修理(その11))。
素人ではこうはいきません。完璧に貼りつかずところどころ隙間が空いたり、コバ部分がガタガタになるなど見た目に美しく仕上げるのは簡単ではない。目指すところではあるのでしょうが、現実的にはスキルも道具も足りません。
そこで、左隣りのペア。
Sir Herbert Barker Shoe By Norvic
ロンドンのセラーから購入したこの英国製には届いた時点でこのようなハーフラバーが装着されておりました。まさに取ってつけたようなラバー。加えて、釘も何本か打たれてます。
届いたときよりも使用感が増していますが、実用には耐えうると思われます。で、これなら自分でもできそうです。初回の今回はこの仕様で取り組んでみることにしました。
手順は以下の通りです。
①型紙をつくる
②型紙通りに切り出す
③周囲を斜めに削る
④糊で貼る
⑤カナズチで叩く
今回は釘はなしです。シングルソールが大変薄いですので穴が空いちゃいます。まあ、分厚くても釘は不要ではないかな。
てなことで、行ってみよう。
①型紙をつくる
厚紙にペンでアウトソールに沿って線を入れる。
切り出す。
縁を数ミリずつ切っていく。一発で仕上がるのではなく、切っては靴に乗せ、また切っては確認、の繰り返しで調整していく。
あくまでも型紙です。
とりあえずこんなもんで。
②型紙通りに切り出す
ハーフラバーシート投入。
この大きさで税別1400円でした。
実家から父が使ってた包丁などを持ち出してきました。彼は職人ではありませんでしたが、財布などの袋物の製造に携わっていたのでこの手の道具が色々と残ってます。
ラバーシートを裏側から、切り口が斜めになるように切り出す。あとでやすりで斜めに削り整える手はずですが、どうせなら最初から垂直ではなく斜めに刃を入れて切り出しておいた方が手間も少なく作業もスムーズでしょう。
切れました。
断面は、まずまず、斜めに切り出せたかな。
サイズ確認。
ここだけ幅広です。
調整。のあと、形を整えつつ切り口を削る。
③周囲を斜めに削る
この切り口を斜めになだらかにしたい。そうすることで、地面を蹴っても引っかからず、糊が剥がれづらくなる、のではないか。との考えより、貼り付ける前に斜めに形を整える。
ヤスリで、
ぐるりと削る。さらに、新兵器投入。
ホームセンターで購入しました。3種類入って千円ちょっと。
電動ドリルに装着して、
削る。
効果があったのかどうか。やすりで削った方が早いのではないか。その手のことは深くは追求しない主義です。
とりあえず、
両足完成!
④糊で貼る
さて、真打登場です。ノーテープ9820。プロ仕様の糊です。貼り合わせる面の両方に塗布して、少し乾かしてから接着する、との手順らしいのですが、その前に。
接着面をなだらかにしておくことが重要です。
紙やすりを使用することが一般的なようですが、せっかく買った新兵器を投入してみました。
先の方を使うのが良さげ。
接着面を一通りなだらかにしました。ラバーシートの方も同様、がよいのでしょうが、そのままでも行けそうな気がするのでそのまま行ってみよう。
さて、いよいよ、貼ります!
おおよその位置をマーキング。
ラバーに糊を塗布。
塗り過ぎは良くないらしい。しっかりと、かつ薄く、均一に。特に、端はしっかり貼れないとそこから剥がれてきますので塗り漏れの無いよう気を付けて。
アウトソールにも糊。浸み込むのでどの程度の量が適切なのかよくわかりませんが、塗り過ぎぬよう、しっかりと。
で、少し乾かす。この時点で先に糊を塗布したハーフラバーは結構乾いてます。アウトソールの糊が半渇きになったらいよいよ貼り合わせます。
注意深く、正しい位置に乗せて、手でしっかりと押さえる。
⑤カナズチで叩く
このプロセスは重要みたいです。靴の中にはシューツリー入れてます。そうでないとしっかりと叩けません。専用の金属の台のようなものもあるらしいのですが、お安くはないてす。なくても問題ないでしょう。
まずは真ん中、その後徐々に外へと円を描くようにしながら全体的にたたきました。ふち部分は特に念入りにしっかり叩いて圧着させる。叩き漏れがないよう3周ほど叩いたら左足完了です。
どうだっ。
アウトソールの端から数ミリ内側「均等」に仕上げるつもりが、多少ばらつきあり。改善の必要ありですね。次回。
隙間はあるようなないような。
まあ、しっかり貼れてはいるようです。
NORVICのペアと比べてみますと、まあ、似たような感じではないかと。ラバーの切り口は斜めに傾斜させましたので、より剥がれづらくなっているかと思うのですが、どうでしょうね。
右足も同様の手順で貼り合わせたらリペア完了です。
どうだ!
おお、何も見えない。
遠目で観ればプロの技・・・、
とは言えないけど、まあ、まずまずということにしておこう。そもそも靴の底なんて、履いてる分には全く見えません。機能面で役目を果たしてくれたらそれでよい。履いてる途中に剥がれなければそれでよい。
履いてみました。
違和感はない。
自然な感じ。
履いて歩けば体重がかかりますので、より圧着されて貼りの強度は上がるでしょう。この日はこのあと、小雨の降る中をこのまま半日ほど出掛けてきましたが、特段問題も発生しませんでした。
「貼り」の作業については今回の内容&手順でおおむね問題はないようです。あとは、とりあえずラバーの端を階段などでひっかけないよう気を付けて履かねば。
で、それは今回のようにアウトソールより一回り小さくしたからこその懸念です。アウトソール目一杯に貼ればそのような心配はそもそも生じない。ただやはり、貼りは今回同様上手くいったとしても、コバの仕上げはプロの美しさのようにはいかないよな・・・。
いかない?ほんとに?
一度やってみて検証してみる必要はあるかもしれません。何より、やる前から白旗を上げるのは性に合いません。まあ、どんな靴どんなアウトソールの状況でも良いという訳ではないでしょうけど、商売でやってるわけではない、他人のではなく自分の靴を自分で、です。少しくらい綺麗でなくとも構わないでしょう。
そのうち別の靴で再トライしてみよう。
とりあえず今回はこれで終了。
出来栄えは、100点満点で75点ほどですかね。
初回だし、まあそんなもんで。
ミッション☆コンプリート。
(おしまい)