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変わり種エプロンフロントダービー【完結編】

こんにちは、ばしです。

 

前回の【後編】からの続きです。

週末にメンテを終え、昨日履き下したエプロンフロントダービー。記事は【前・後編】で終了の予定が思いもよらぬハプニングが発生しまして、急遽今回の【完結編】へと続くことに相成りました。前々回の【前編】をまだお読みで無い方はそちらからどうぞ。

 

さて、昨日の朝の状況です。

出勤前、玄関前にて記念撮影。

結構厚手の中敷きを追加したわけですが、甲はきちっと納まっていて痛くもない。羽根はもっと開くかと思ったけどそれほどでもない。履きこんで中敷きのコルクが沈み込めばもっとぴっちりと閉じて私好みになるに違いないな。

などと楽しみに思いながら駅まで自転車を走らせる。その後、電車に8分ほど揺られたら、最寄りの駅から職場までは徒歩15分弱。ちょうど中間点あたりに位置する地元の神社に立ち寄るのが毎日の習わしです。

深江稲荷神社。

「稲荷」を冠してはおりますがその歴史はさらに古く、垂仁天皇の御代と言われているそうな。それっていつだか詳しく知りませんがそのくらい古い歴史あるありがたい神社です。今日一日をみな怪我無く無事に過ごせるよう手を合わせたら、参道でまた記念撮影。

あれ? 左足の内側、モカ部分にホコリがついてるね。取ろうと指を伸ばしたところ、

ガーン。

左足のモカ部分の内側。薄茶の点が見えますがホコリではない。なんと、黒い革の表面が割れて革の地の色が顔の覗かせているではありませんか!?

いやいや、こうなるのが嫌だからきっちりとメンテしたはずなんですけどね。このダメージは予見できませんでした。ガラスレザーに型押ししたっぽいシボ革。水分油分ともに浸透しづらいです。それなりにケアしたつもりでしたが、革の中側が乾燥していたっぽいな。

けれども、まあ、しょうがない。これ以上広がらなければ、この程度ならいいや。履く分には特段不具合もないし。黒のクリーム塗り込んで目立たなくしよう。

てなことで、職場まで歩くこと5分ちょっと。

ガーン。

先ほどより広がっているっぽい。
さらに追い打ちが私を襲う。

ガーン。

今度は右足です。左よりもかなり酷いことになってます。状態をよく見てみましたところ、糸は切れてはいない。縫い目に革が引きちぎれたわけではなさそうですが、Uチップの継ぎ目に沿ってダメージが発生してます。歩いた際に皺の出来る、最も負荷がかかるであろう箇所が、内側の白い布のライニングが見えるほどにまで完全に裂けております。

 

このダメージは購入する時点ではありませんでした。メンテ中も気づかなかった。もしくは見落としていたか。恐らく、いつこうなってもおかしくない状態であったものが使用によって一気に表面化したのでしょう。ビン靴あるある、といっていいかな。久々にやられました。まあ、しゃーないね。

これ以上ひどくならぬようとりあえず保湿です。冬場は乾燥するので職場に常備してるやつ、ヒト用化粧水を降りかけときましょう。ええ、これは自分用です。

革の奥までビタミン浸透させといた。頼むぞ、メラノCC。明らかに手遅れですけど。

いやあ、しかしまあ、参りましたね。ですが、自分で履く用でよかったな。転がしたやつでなくてよかった。不幸中の幸いです。なぜなら、少々のダメージはあまり気にしない性質な私です。まあ、なんとかなるでしょう。

 

 

さて、少し脱線します。

こいつ、25.5EEサイズなのですが、比較的「細身で甲高」な造りでした。リーガルさんは私には幅が広すぎる印象なのですが、こいつはそれほどでもなくて喜んでたんですけどね。厚めの中敷き入れてタイトに履いたからこうなったのでしょうか?いや、このまま履いていても結果は同じだったのか。

あれれ。アウトソールには「EE」とありましたが、内側にはウイズ表記がありません。「9732」「2003」「589」「25 /2」との表記。モデルナンバーは「9732」か「2003」か。

そういえば、

当時のカタログを持っております。1989-90ということは、社名が「日本製靴」から「リーガルコーポレーション」へと変わる正にそのタイミングです(過去記事「古いリーガルのカタログ」)。

確か巻末のINDEXにモデル一覧があったはず。調べてみよう。

ビンゴ!

発見しました。
「2003」・・・7ページに記載あるらしい。

茶色だけど、これで間違いなさそうです。

「2003ABブラッチャーモカ」とあります。「AB」の意味は分かりかねますが、ブラックとブラウンがあるらしい。写真はブラウン。今回の私のブラックと同様シボ革仕様です。で、説明によりますと、私が苦手な硬いアウトソールは「合成ゴム」なのだそう。トップリフトには名称があるらしい。「リーガルロングライフゴムヒール」。な、長いな。

 

尚、余談ですが、

外羽根を意味する「BLUCHER」。「ブラッチャー」ではなく正しくは「ブルーチャー」と発音するらしい。数年前にそうと知るまでは、私もずっと「ブラッチャー」と思ってました。1989年のこのカタログだけでなく、当時は他の雑誌の靴特集なんかでも「ブラッチャー」と記載されてましたので、我々世代には「ブラッチャー」の方が耳馴染みいいんですよね。

そんなブラッチャーモカ。またの名をエプロンフロントダービー。そのまたまたの名をスプリットトゥダービー。要はUチップなわけですが、英国ではノルウイージャンというらしい。もう、なんでもいーじゃん。

1989年時点で存在したようですので、日本製靴時代から続くモデル、ということのようです。いつまで存在したのかな。1990sのいつ頃のペアだったのでしょう。凝った作りですし、バブル経済が崩壊する前、1990sの前半頃のペアのように思えます。ダメージも軽微で余り履かれてない様子でしたので、永らく箪笥の肥やしになっていて、思った以上に乾燥していたのかもしれないな。言うてる場合か。

 

さて、リーガルの当時の靴は他にもたくさん持ってるんですよね。折角なんでこの機会にカタログと突き合わせてみようかと思ったのですが、数も多いし雨も降ってきたのでまた今度。

日曜のメンテ時、折角なんで記念撮影しときました。

全員集合。

10足になりました。なんやかやで知らぬ間に増えたジャパンメイドのリーガルたち。このほかに、1960s頃のアメリカブラウン社製のリーガルのペアも持っておりますが、11足だと写真撮りづらいんで仲間外れにしてみた。なんだけど、

やっぱり可哀そうなんで写真だけ。

こいつだけVクリートつきです。いかにも米国ビン靴ぽいです。こいつはリーガルですが、リーガルの靴なんだけれども「米国ビン靴扱い」にしておこう。その方が好都合です。

外羽根リーガル。

ちょうど5足あります。なもんで、仲間外れのままの方が好都合です。折角なんで5月か6月に「ブラッチャー・リーガル・ウイーク」をやる予定です。いや、ブルーチャー、か。

うーん、なんか面倒だな。私、Instagramをやってまして「〇〇WEEK」てのをよくやるのですが、週終わりの金曜にいつものように、

ブラッチャーリーガルWEEK、
ミッション⭐︎コンプリート

なんてやって気持ちよくなってるところに「ブラッチャーでなくブルーチャーだよ」などど突っ込まれた日にゃあ、もう、ねえ。よし、そんときは英語表記にしよう。

なんて思っていたのですが、不意のダメージに見舞われた私です。いや、ダメージに見舞われたのは靴のほうです。

日曜時点ではとてもいい感じだったんですけどね。

仕事を終えて帰路につくころには、

ありゃ、遠目でもそうと分かるダメージ。

ダメージ。

このままでも使用には問題ないのですが、流石にこのままでは履けない。こいつ、税込みで4000円弱でした。いつもの「千円」「二千円」なら笑って捨て置けますが、このままでは損が余りに大きい。

靴を消耗品として考えたとして、1回あたり何円くらいのコストになるのかな。少なくとも20回程度は履きませんと元が取れない気がする。何より、このデザインとフォルム、かなり気に入ったんですよね。このままでは済ませられない。

この「REGAL2003」というモデル。

現存してる個体はどれくらいあるのでしょう。状態が良いと思われたペアですらこれですので、恐らくそう多くは残っていないのではないか。だとするなら、かなりレアと思われます。

 

よし、リペアして履こう。

「チャールズパッチ」ではないですが、リペア痕が目立っても別に構わない。アバタもエクボってやつです。どんな風にリペアすればよいかな。プロならどんな風にアプローチするのでしょう。今回もとりあえず、まずは自分でチャレンジしてみます。プロのようにはいきませんが、プロとは違って採算など関係なく、たっぷり時間をかけることができる。

まずはそんな素人の強みを生かそう。プロに相談するのはそのあとで。それまでの間は先ほどのUSリーガルに頑張ってもらうことしよう。GWには作業着手したいですが、さてさて、そんな簡単にいくのでしょうか。結構時間かかるかもしれないな。折角のお気に入りのペアですので、1日も早い復帰が期待されるところです。

 

まあ、自分次第なんですけどね。

 

(完)

 

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