マイファースト BALLY

こんにちは、ばしです。

 

秋を迎え、最近また少しずつ靴が増えつつあります。

玄関横の私専用の靴棚は満員です。この春新設した寝室クローゼット上の天袋スペースも余裕なし。なもんで、最近買ったメンテ前のやら履き下す前のやらが寝室のそこかしこに散乱し始めました。いい加減整理するか、履かない靴は処分するか、外に自腹で倉庫を借りるか、なんとかせえ。と、家内にお叱りを受け始めた今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

(参考「我が家の靴と靴棚事情」)

 

まあ、秋は関係ないのですが、確かに、確かに増えてはおります。なんだけれども、ここ最近は安いヤツばかり買ってるから収支的にはイーブンでいい感じなのさ。いや、そんな言い分は通りません。溢れ出した靴をどうするか。履かない靴は売っ払うのか、箱などに入れて別建てで保管するか、整理が必要なのは確かです。

と同時に、買った靴をいつまでも放置するのも止めねば。確かに、最近そんな靴が多かったです。だけでなく、グリセリン保湿等をマストにしていたこともあり、2週にわたっての作業となることもしばしばで、作業途中のものもあって余計に散乱してるように見えなくもない。いずれにせよ、順次、早々にメンテしていかねばならないことは確かです。

今回はこいつ。

 

 

マイファースト BALLY

1851年にスイスで創業したBALLY バリー。

当初はリボンやサスペンダーなど伸縮ゴム関連のビジネス、その後靴作りへと舵を切って以降、スイス国内だけでなく、フランス・イギリス・ドイツなどヨーロッパ全域に進出。現在は靴以外にも革製品全般を扱うグローバルなブランドとなっている、らしい。

そんなスイスのブランドですが、今回のペアはフランス製です。1970年代に創業家の手から離れて以降、同社は親会社が数度変更となっているようです。経緯はよくわかりませんが、そんな中でフランスで作製されたペアのようです。

別に「バリーの靴が欲しい」と思っていたわけではありません。そうではなく、

キルトタンの靴を探しておりましたところメルカリでお安いのを発見した次第です。

うん、良い感じです。探してもなかなかいいのが無くて。で、当初3000円のところお値引き頂きまして2400円で購入しました。なぜそんな安かったかと言いますと、

このペア、ゴルフシューズなのであります。

最近はこの手の金属製のスパイクはすっかり見かけなくなりました。1980年代まではメタルスパイク全盛だったらしいですが、グリーンを傷めるとの理由から1990年代に入って以降のアメリカではメタルスパイク禁止のゴルフ場が増え、それに合わせてスパイクレスシューズが普及し始めたらしい。

 

余談ですが、

日本においてはジャンボ尾崎プロが1990年代にスパイクレスシューズを流行らせるきっかけを作たっそうです。尾崎プロはクラシッククラブなどビンテージのゴルフ道具の蒐集家であった一方で、自身が使用する道具については新しいものを積極的に取り入れる方だったらしい。

靴については、メタルスパイクシューズは身体に負担がかかるという理由から、腰痛で悩んでいた当時の尾崎プロが他に先駆けてスパイクレスに変更したとのこと。折からのジャンボ三兄弟の人気も手伝って、海外同様日本でもスパイクレスシューズの人気と普及に拍車がかかったそうです。

フジ天城ゴルフ倶楽部さんのコラムを参照させて頂きました)

 

なるほど、

ということは、今回のこのペアも1990年代以前のモノである可能が高そうです。ビンテージというには若いですが、ま、ざっくり30年ほど前のペアと思われます。

そんな懐かしのメタルスパイクのゴルフシューズが欲しかった!という訳ではありません。先ほども述べました通り、欲しいのはキルトタンのペアです。そしてそいつを街履きしたい。

なもんで、スパイクレンチの登場です。

押し込んで回す。

おお、外れました。当たり前か。

爪先側は結構錆がまわっています。緑の錆です。銅なのでしょうか。どうなのでしょう。

簡単に外れました。メタルスパイクの代わりに樹脂製のソフトスパイクを装着すれば普通にラウンドもできるようですが、ゴルフ熱はすっかり冷めきった私。ラウンドの予定はありません。ラウンドするなら、そのフィー分で靴を買いたい私です。

左右ともに外しました。で、写真の通り、靴袋つきでした。駆け出しの靴袋蒐集家の私には嬉しいおまけです。BALLYの刻印の入ったスパイクも捨てずに記念にとっておこう。

さて、こいつを普段履きにすべく、もろもろ作業です。

長丁場になります。ええ、今回も結構長めの記事です。
いつもよりやることが多くて。ま、楽しめてグッドなんですけどね。

さあ、順次いってみましょう。

 

 

まずはキルトタンと紐を外します。

なるほど、こんな風に内羽根5穴の5穴めで固定されてるんですね。

外しました。アッパーの状態は可もなく不可もなく。普通な感じです。

さて、アッパーのメンテから行きましょう。
いつも通り、まずは左足から。

 

 

ステインリムーバー

ワックス等はなし。

 

LEXOL

まあ、いつもの感じで。

ソールの錆も綺麗にと思ったのですが、歯ブラシ如きでは思うように除去できません。ソールは後回しで。

 

デリケートクリームもどき

たっぷりと。

 

 

リッチモイスチャー

おお、なんかいい感じです。

 

TAPIR レダーオイル

いつもの手順です。

 

コロニル1909(ニュートラル)

ま、いつもの感じに仕上がりました。

キルトタンもおんなじ手順で。で右も同じ手順で。

うん、すっきりしました。

内側も綺麗です。爪先までレザーライナー。しっかりとした造作です。

 

次いでキルトタンのメンテです。

笑ってるみたいな顔です。

顔に見立てたこの口の部分、中に金属のプレートが仕込まれております。

プレートを曲げ伸ばしすることでタコにも変身できます。おかげで甲のカーブにしっかりフィットします。手がかかってます。

で、このタンですが、

2枚を貼り合わせているようですが、糊が外れてしまってます。貼り合わせましょう。

開くだけ開いて、ボンドで貼ります。

おお、嬉しいか、そうかそうか(←バカ)。

さて、紐を通してキルトタンの装着です。と思ったけど、紐の色が抜けてしまっています。あまりにみすぼらしい。

いつどこで買ったのか不明ですが、ちょうどよい感じの新品のストックがありました。このペアには平紐よりも丸紐の方が似合うでしょう。こいつに交換です。

 

と、その前に。

気になる。なりませんか?

「BALLY」の小さな文字のプレートが左右に1個ずつついてます。

そういえば、随分以前転がしたフットジョイのゴルフシューズにもブランドロゴのプレートがついてました。

この記事の時にも書いたのですが、個人的にはこの手のブランドロゴは無いほうが好みです。金払って買ってるのはこちらなのに、ブランドロゴをぶら下げられて広告塔にされるってどうよ、って思ってしまう天邪鬼な私です。身に着けるもの全てがそうという訳ではないのですが、普段履きの革靴にブランドロゴはない方がいい。

なもんで、

ごめんなさい。

丁寧に縫い付けられているところ大変申し訳ないのですが、

カットオフさせて頂きます。

切り口には茶のクリームを入れて誤魔化す。

メタルスパイクと一緒にこいつらも記念に保管してきましょう。

 

さて、あらためてひもを通してキルトタンを装着してメンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、紐が変わったこともあり、すっきりしました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

「BALLY」のプレートはついてても目立ちはしなかったわけですが、個人的にはやはりない方が好みです。どこのブランドか、は、靴を脱いだ時に分かるのが気分です。

そのためにソックシートにロゴがあるわけです。

で、側面の印字。「51984」とあります。シリアルナンバーでしょうか。「1984年5月製」とも読めなくもないですが、どうなんでしょうね。で、そのあとに「8.5F」。サイズ表記です。

8Dの私には普通に考えればでかい。なのですが、クッションの入った履き口、ゴルフシューズという特性などから、根拠はまったくないのですが、ひょっとしてこのままでも行けんじゃね?そんな気がしてぽちった次第です。

さて、ほんとに大丈夫なのでしょうか。サイズ確認です。

おー。オーケーです。

なぜオーケーなのか不思議ですがオーケー。仕事履きはしません、できません。少しだけ厚手の靴下を履けば、中敷きを入れなくてもちょうどよさそうです。これで「靴を脱いだらバリー」と分かります。まあ、人前で脱ぐことなんてほとんどないんですけどね。脱ぐ場面を作らねばなりません。もちろん脱ぐのは靴だけです。いや、ほんと。

 

さて、キルトつきの紐靴はこれで2足目です。ならべて記念撮影。

おお、どちらも素敵です。

左のジャラン✕ヒサオサイトウのペアはキルト部分がアッパーと一体になってまして取り外しできないタイプです。ツートンのギリースタイルが素敵なお気に入りの1足なのですが、今回のような別パーツを被せるタイプのも1足欲しいと思ってたんですよね。思いのほかお安く入手できて幸せ者の私です。

ただ、このままでは履き下せない。

ねじ穴が空いた状態です。ハーフラバーを貼ってふさぐ予定ですが、踵部分はこのままでいいのだろうか。

このままでも履けなくはないのでしょうが、スパイクの跡がぽっこりと膨らんでます。滑りそうです。

ね。で、このペア、今頃なんなのですが、出し縫いの糸の箇所に切れ目があります。こいつ、「縦ドブ」のヒドゥンチャネルです。

(参考:他の「縦ドブ」のペアの記事

この手のゴルフシューズの場合、一見グッドイヤー製法っぽく見えて実はウレタンのソールに革を貼り合わせてるだけ、というものもあるみたいです。今回は正真正銘のグッドイヤー製法。

「MADE IN FRANCE」の上に「GOOD YEAR」の文字。その上の「cousu trepointe」というのはフランス語でグッドイヤー製法のことのようです。ソックシートとライナーはイノシシ系のレザーでしょうか。ハイブランドを自負するだけあって、この辺は手抜きなしです。

 

再度、全景。

 

 

うん。いいですね。

茶の色目もシボの雰囲気も、とてもとても気に入りました。素敵です。買ってよかった。

さて、問題はハーフラバーをどうするか。

自分でDIYするか、プロにお願いするか。折角安く手に入れたペアです。リペア代が嵩んではあまり意味がありません。自分でやってみる方向でもろもろ検討中です。できることなら値引きしてもらった600円以内で納めたいな。

さて、どうなることやら。この後の経過は完了し次第ご報告いたします。

 

叱られぬよう、早く済まさねば。

 

(おしまい)

 

2件のコメント

  1. こんにちは
    インスタグラムで先行公開されていたゴルフシューズですね。キルト飾りが雰囲気があってかっこいいです。競技用の靴を普段履きに転用する発想、とても参考になります。
    スパイク穴を塞ぐと普通に使えそうですね。全面にラバーを貼るのか、穴部分にのみ細工をするのか、また他の方法を取るのか、DIY楽しみにしています。

    1. 三十郎さま
      こんにちは、ありがとうございます、そうです、あのゴルフシューズです。
      以前他の方が同じように競技用のを普段履きされてるのをみて私も参考にさせてもらいました。底のラバーの件はまだ私案中です。穴部分のみの細工が手間なさそうなのですが、なかなかいい案が思い浮かばなくて。今週末あたりでしっかり考えて、来週末あたりに作業できればと思ってます。うまく行けばよいのですが(笑)。またご報告いたします。

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