こんにちは、ばしです。
昨日の「前編」からの続きです。
おんぼろベルルッティを蘇らせるべく鋭意作業中です。
ここまでを振り返ってみますと、
【購入時】
【丸洗い後】
この状態にクリーム等を入れて乾燥させてました。
さて、ここからが「後編」の本編となります。
3日後の水曜日時点での状況。
丸洗いしてアッパー全体が湿っておりましたが、丸3日経ってすっかり乾いたようです。それに伴い、色目も明るい茶色に戻りました。
酷かった右足のクラック。
サンドペーパーのお陰でかなり薄らぎました。
左足外側。うーむ。かなり削ったんですけどね。
右足内側。あれま、こりゃまだまだ酷いな。週末に仕上げる予定ですので、それまであと3日間の猶予がある。
追加で削ろう。
爪先も含め当初よりもさらに力を入れて削ってみた。
一番酷い右足内側。ここまで削ればかなり改善するのではないか。
爪先も。これ以上はやめとこう。
再度のクリストフ・ポーニー。
爪先、削り過ぎたかな。
まあ、なんとかなるでしょう。
てなことで、再度寝かせたのち、週末に仕上げました。
12月21日(土)夜。
だいぶ馴染んだか。
最大の課題は削り過ぎたこのトゥですが、まあ、補色でなんとかなるのではないか。いろいろ試してみる。まずは、
サフィールノワール・ライトブラウン
全体にかなり明るめの油性クリームを塗布。
今回は濃い色は爪先だけにしよう。
色目の変化はなし。
艶感はアップ。
さて。
コロニル1909(濃茶)
爪先に濃茶を入れよう。
おおっ、染み込みます。
うまくいくのか。
どうなるのであろう。
塗り込むというよりは、
ぽんぽんと叩くように押し込む。
どうだ!
おお、良い感じです。
元がパティーヌ・レザーですので、濃い薄いの斑(まだら)があっても何ら問題はない。今回は結果的にトゥを濃茶に変身させることとなりましたが、元がどうであったかなんて、私も含め誰もよくわかりません。とりあえず綺麗に補色できましたし、このやり方で問題ないことが分かりましたので、あとは一気に仕上げます。
履き口ほか、色の薄すぎる部分に濃茶を入れる。
色抜けが激しかったのサドルの浮き出た部分(=ピアッシング)も少し色を入れてみた。
右も同様に濃茶。パティーヌ、といえるのかどうか知りませんが、濃茶~黄土色の斑な雰囲気は当初のままですっきり綺麗になってきたように思う。
こののち、仕上げ。
コロニル1909ニュートラル入れて、ミラーグロスで光らせて、さらにその上からコロニル1909(ニュートラル)を入れたらメンテ完了です。こんな風に仕上がりました。
どんっ。
おお。
なかなかいい雰囲気です。
【BEFORE】
【AFTER】
スカーフェイス、なれど、だいぶましにはなった。
【BEFORE】
【AFTER】
右足の方が改善の程度は大きいようです。
【BEFORE】
【AFTER】
名残はありますが、まあ、これ以上はクラックが酷くなることはないでしょう。
【BEFORE】
【AFTER】
誰も顔を近づけて視るわけでもなし。
【BEFORE】
【AFTER】
遠目ではそうとは分かりません。
キズやクラックはこれでオーケー。
こんなもんでオーケーということで。
あとは、リシェイプ、どの程度整ったか。
シューツリーを抜いてみよう。
うん、いいですね。
整いました。履けばまたそれなりに形は崩れるわけですが、今度は履いた後にちゃんとシューツリーも入れますので入手時のようにはならないでしょう。そもそもこのアッパー、かなり分厚くて、一旦整いましたのでそんな極端に崩れることはないようにも思えるのですがどうでしょう。
確認です。
昨日履き下してみた。
うん、素敵です。で、
長さも幅もジャスト。
そのままでも良かったのですが、甲に若干のゆとりがありまして、タイト目にすべく百均の中敷きを1枚いれました。厚く見えますが履けばぺったんこになるはず。が、逆にタイト過ぎたかも。再度微調整しよう。最終的には革のみの1枚モノのフルソックの中敷きを自作して入れ込む予定です。
歩けば当然皺が入るわけですが、
ジャストサイズであればそんなおかしなことにもならないでしょう。こいつ、サイズ表記は「UK7.5」なのですが、実感としては「爪先側Eウイズ踵側Cウイズで甲が低めのUS8」といったサイズ感です。入手時に極端に型崩れしていたのは、前の持ち主の足サイズにフィットしていなかった所為もあったのかも。US7.5CとかUS7Dとか、爪先が余ってしまうようなサイズ感で履いたことで、変な箇所に皺が入ったり、ロングノーズ気味な爪先を思いがけず傷つけてしまった、そんな気がする。
私の足には、ほぼほぼジャストです。
思えば、濃茶のドレス感の強いローファーって他に持ってません。薄手の中敷き1枚で気持ちいいくらいにジャストサイズです。2、3万円で転がして美味い焼き肉を食いに行くつもりなのですが・・・。
うーむ、どうしよう、どうすべきか。
とてもスマートだし、美しいし、履き心地も申し分ない。つい先日ゲットしたカーキのジャケットにも良い感じで嵌まりそうです。
かつてアンディ・ウォーホルが注文したローファーは、その名を取って「アンディ」と名付けられ、今もベルルッティの定番モデルとなっているそうです。
今回は同じローファーですがサドルに窓穴がなく、その部分が内側から盛り上がってます。色々と調べてみたところ、この仕様は同社4代目社長である「オルガ」期のオーダー品に見られる仕様であるようです。
まあね、ビスポークでもレディメイドでもどちらでも良いです。乱暴な履かれ方をされたようではありますが、幸いにも幅広もしくは甲高の方に履かれて履き口が伸びたり、といったことはありませんでした。お陰でサイズ感は問題なし。やや細身の私の足にいい塩梅でフィットしてくれます。
「高級靴フリーク」ではなく「ビン靴フリーク」の私がベルルッティ・デビューを果たすには価格も草臥れた感もちょうどよい個体であったように思えます。年末に素敵なやつをゲットできてラッキーでした。靴の神様に感謝です。
さて、丸一日履いた感想ですが、見た目の可憐とは異なり分厚いアッパーはしっかりと頼り甲斐のある感じです。
わおっ。新たな傷発見笑。
ワックスなど再度色を入れましょう。
まあ、目立たんでしょう。
ツリーを入れて次回の登板を待て。
マイファースト・ベルルッティ。
直ぐにでも転がすつもりでしたが、こいつを手放すと次に入手できるのはいつになることやら。なもんで、ええ、毎度毎度恐縮ですが当初予定を変更です。こいつには当面我が家にステイしてもらうことにいたしました。もうすぐ新年です。2025年のスタートは我が家で迎えてくれ給え。と、その前に、
ベリー・メリー・クリスマス ♬
(おしまい)