黒のペニーローファーズ(中古のリーガルその21)

こんにちは、ばしです。

 

コロナ禍以降クルマだった通勤を年明けから電車に戻したのですが、諸事情ありまして、先週はほぼ毎日クルマでした。通勤に要する時間は約40分。電車でもクルマでもドア・ツー・ドアの所要時間はほぼ同じです。

あ、いや、それは朝の話です。帰りはクルマの方がかなり時間を要します。なぜって、それは会社から自宅までのルート上にリユースショップが点在するから。パトロールしながら帰りますので、走行距離は朝とほぼ同じなのに、時間は2倍近くかかります。

ここ最近、リユースショップに風が吹いています。安い掘り出し物なんかに出会える機会が多い。2月に続き3月もリユースショップを主戦場に「2000円でお釣り」なやつ探しに徹すると決めましたので、折角のクルマ通勤の機会は重要です。頻繁に寄り道&パトロールを行い、早速、雑多な靴コーナーから2足ほどゲットしてきました。

先週の成果。

 

こいつら。

 

 

 

黒のペニーローファーズ

 

ハーフサドルのリーガルのローファーです。メンズとレディス、それれぞれセカストの異なる店舗でゲット。で、どちらも旧ロゴ=1990年代のペアです。

先月、娘がリーガルデビューしました。ピンク色のとてもチャーミングなペアなのですが、探していたのは黒のペニーローファーです。娘からは常々「勝手に買ってくるな」と言われてはいるものの、サイズはピンクと同じ23センチです。

 

まあ、一口に黒のペニーローファーといってもスタイルや雰囲気は様々ですから、「勝手に買ってくるな」との彼女の意見もごもっともです。サイズも足を入れてみないことにはなんとも、ね。なのですが、まあ、安いし、綺麗だし、もし履かないなら転がそう。とのことでゲットした次第です。

その後、探し求めていたわけではないのですが、メンズのリーガルローファーに遭遇。そういえば、息子はローファー持ってないな。身だしなみとして1足くらい持っていた方がいいだろう。もし履かないなら転がそう。とのことで、こちらもゲットしました。

 

週末、早速メンテしました。
汚れの目立つメンズから、いつも通りまずは左から。
いつもの手順で。

 

 

ステインリムーバー

サドル部分の切れ込みにコイン(1セント硬貨)を入れて履く、なんてスタイルが流行ったので「ペニーローファー」。なのですが、磨きづらいんですよね、この切れ込み。

と、思ったら、こんなでした。おお、磨きやすいけど、コインは入れられないな。

 

LEXOL

白い容器ですが中身はLEXOLです。小さめの容器に移し替えて使用しています。

コバ周りは入念に歯ブラシで掻き出す。

 

 

デリケートクリームもどき

100均のヒト用クリームをたっぷりと。

旧い薄汚れたペアですが、乾きはそれほどでもありませんでした。

 

 

リッチモイスチャー

少しお高めのやつ投入。

もどきだけの時よりも、気のせいか、黒さが深まるような気が、いや、しないな。

 

TAPIR レダーオイル

油分補給&保革。

 

コロニル1909(ムショク)

我が家では仕上げは大体いつもこいつです。甲の皺がとれませんが、アッパーはこれにて終了。

 

最後にソールをメンテです。

レザーソール。25.5センチ。

爪先はラバー。接地面中央にもラバーが埋め込まれてます。これはオリジナルの仕様なのでしょうか。リソールされてる?

あ、「REGAL」の文字が見えます。オリジナルなようです。

内側。

SPUIT
by nippi
Genuin Leather
insole

とあります。うーんやはりオリジナルではないのかな。
「nippi」って、コラーゲンみたい。と思ったら、やはりそうでなのであった。
コラーゲンのニッピ社とリーガルコーポレーションは互いに互いの筆頭株主なんですね。

 

リーガルさんのホームページによりますと、

1902(明治35)年 1月
明治合名会社大倉組皮革製造所、合資会社桜組、福島合名会社及び東京製皮合資会社の各製靴部門を統合、各種靴の製造、販売を目的とし、東京市京橋区鎗屋町(現 東京都中央区銀座)に日本製靴株式会社設立。

とのこと。各社の靴製造部門が統合してリーガルコーポレーションの前身である「日本製靴㈱」となった。で、靴部門以外が統合されて設立されたのが「日本皮革㈱」=現・㈱ニッピ、なんだそう。元をたどれば兄弟関係、というか、一体だったんですね。全く知りませんでした。

 

あらためて、あまり見ないソールです。中古のリーガルに装着されてる硬化ゴムみたいな硬い茶のソール、あれ、苦手なんですよね。私がリーガルデビューしたのもあのソールでしたが、固すぎる履き心地がほんと辛くて・・・。それ以降永らく敬遠してきたリーガルですが、レザーソールのペアは別物だと再発見した私。積極的に拾ってきてしまいます。

 

「中古のリーガルのローファー」といえば、ガラスレザーのビーフロールの茶の硬いソールのペアが多く出回ってますが、正直、あまり頂けません。学生さん向けであって、大人が履く靴ではない。といったら怒られるかな。

今も同じモデルが健在のようですが、

 

茶色のソールは見る限りソフトな素材になっているみたいですね。これなら歩き易そう。ですが、折角革靴履くなら、レザーソールがいいよね。。絶対その方が履きこむほどに愛着が増すはず。

ソールがギラリと光るのが気持ちいい。誰も見ないんだけど。

今回はレザーソールベースにゴムのカスタム。ハーフラバーよりもレザー部分がしっかり残っていて手入れし甲斐も残っている。この手のソールは初めてですが、悪くないかな。ヒールトップの削れも僅かです。

アッパーも悪くない。ガラスではないから手入れのし甲斐もありますね。

履き口もダメージ等皆無。

内側もライナーありです。「G5L」が品番なのかな。よく見かけるアンラインドのビーフロールとは価格帯も別のラインだったんでしょうねきっと。

 

さて、メンズはこんな感じで。
レディスは、汚れもほとんどないんで、TAPIR→コロニルのみで、さくっとメンテしました。

キュートです。

こちらはアンラインド。

「ガラスレザーの硬いソールのペア」なのですが、サイズがぎゅっと小さいだけなのに、雰囲気も随分変わりますね。ビーフロールではなくハーフサドルだから、なのでしょうかね。あ、あと製法も違うみたいですね。

「GENUINE MOCCASIN」。

メンズのはグッドイヤー製法でレディスはモカシン(1枚革)でマッケイ製法のよう。写真だと見えづらいですが、黒のソックシートの前方に、縦に縫い目が走っています。

なんとなくですが、この硬いラバーのソールは、小さめサイズのマッケイが一番馴染むような気がします。でかくて幅広サイズのグッドイヤーに装着すると、ソールが緩やかに湾曲するような、若いころに履いたリーガルのこのソールのペアはそんな印象でした。

 

そんなこんなで、メンテ終了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

 

レディスはほぼ変化なし。メンズは結構綺麗になりました。

2足とも、ソックシートのロゴも綺麗ですし、ソールもヒールも削れは僅か。どちらもあまり履かれていない様子です。いい靴なのにMOTTAINAI。

ところで、どちらも1990年代の長靴ロゴなのですが、先ほどの写真(再掲)もそうなのですが、

リーガルさんのホームページを拝見しましたところ、ローファーやインペリアルグレードのソックシートのロゴは今もこの長靴ロゴが今も使われているんですね。ずーっと変わらずそうなのかな。よくわからない。

 

米国靴と同様にリーガルさんも「ロゴでおおよその年代判別」と思ってましたが、もうなんかわけわからなくなってきました。品番で判別するのかな。

まあ、別に最近のでも昔のでも、一定以上のクオリティならそれでいいのでしょうが、ビン靴フリークとしては新旧の区分がないのは少しばかりつまらないなあ。まあ、リーガルコーポレーション以降か以前(日本製靴時代)か、の区分だけで十分なのかな。

今はそれでいいのでしょうが、今のうちから20年30年後を考えて、どうせなら何か仕掛けがあれば尚ベターなように思うんですが、どうなんでしょうね。

 

しかし、まあ、あれですね。

リーガルの靴については、若い頃の出会いが良くなかった所為もあり、6:4か7:3くらいの割合で、気持ち少しオブラートに包みつつも、どちらかといえば良くない印象のコメントを綴って来たように思います。にも関わらず、

今回で「中古のリーガル【その21】」です。

おそらく、拙ブログにおいて一番登場頻度が多いシューメイカーがリーガルさんかと。そこには常に、「普通」ではなく、頭一つ抜きんでる程度に凄くあって欲しい、フロントランナーであって欲しいという思いが・・・。

見方を変えれば「判官びいき」なのかもね。あ、また言っちゃった。中古しか買わない私がいうのもなんなんですけどね。ですが、リーガルがやらずして誰がやる。と思う。もっとやれるのでは?とも思ったりするのですが、余計なお世話かな。

 

さて、残るはサイズです。大丈夫かな。まずはレディス。

ピンクと同じ23センチ。とはいえ、年代も恐らくも異なります。

どちらも23センチ、見た目にはほぼ同じなんですけどね。ただ、足を入れてみたら、黒は少し窮屈らしい。長さは問題ないらしいのですが、甲が低くてだめらしい。ああ、やはり実際に足を入れてみないとわからんもんです。

そういえば、

1月に拾ってきたボルドーのWEEJUNSも小さくて履けませんで、家内の足元におさまることになりました。レディスのペニーローファー2足、どちらも家内が履くのか、はたまたリーガルさんは旅立たせるのか。

ああ、娘よ、勝手に買ってくるなという君の言葉は正しい。
ですが、父はめげないぞ。

 

さて、

息子のローファー。こいつはどうでしょう。買ってきた2足とも履けないのはつらいな。このペア、私には少し大きい。恐らく息子の足サイズかとは思うものの、ローファーのサイズ感は紐靴の場合よりも微妙なことが多いです。息子の足にフィットしてくれるのでしょうか。

黒のローファーって、履きこなすの難しいですよね。普通に履いちゃうと、そこらへんの学生やサラリーマンみたいになっちゃう。父が思いますに、スリッポンはやはり春夏に、素足で、くるぶし見せて履くのがいいんでないかな。試し履きはもう少し暖かくなってからにしよう。そうすることで・・・、

 

今しばらく、君は我が家にステイだ。

(その後どうなるかは知らん)

 

参考:中古のリーガル記事一覧

 

(おしまい)

2件のコメント

  1. はじめまして。いつも楽しくは拝見しています。またとても参考にしています。

    この息子さんのローファーですが宮城興業製ではないかと推測しています。というのも90年代に購入した宮城興業British Classic (TUFF) ローファー型番4158を所有しておりまして、そのソールも革に似たようなラバーが埋め込まれています。またサドルもアッパーに全て縫い付けられておらず(コインは入れられません)、モカ縫いもつまみ縫い(?)で見た感じも良く似ています。

    それとは別にRegalの旧ロゴプレーントウ未使用品も所有していますが、この靴と同様に「SPUIT by nippi Genuin Leather insole」と刻印されています。そしてソールの仕様も全く同様です。ということでこのソールはオリジナルソールです。

    大した情報ではありませんが、ご参考まで。

    1. BadDog様
      はじめまして。コメントありがとうございます。
      息子のロファーの件、なるほど、宮城興業製ですか。
      よく見かけるリーガルローファーとはずいぶんと趣が異なる、
      より上質な感じがすると思ってましたが、そうであれば納得です。
      ソールもオリジナル、というのも嬉しい限りです。
      息子の足元での出番はそれほど多くはないようですが、
      転がすことなく今も我が家にステイしております。
      先日息子用に紺ブレも1着仕入れてきましたので、
      春先に活躍させようと思います。
      ありがとうございます!

BadDog へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です