BONTA de 靴修理(その5)K shoes

こんにちは、ばしです。

 

メンテナンスしたら嬉しくてすぐに履き下すのですが、珍しくまだ一度も履いてない靴がありました。去年の春先に拾ってきたK shoes。からっからだったのをガッツリとグリセリン保湿しました(過去記事)。

結構古めのMade in England。サイズは問題なさそうだったのですが、その後ほったらかしでした。履いていない、というか、実際は履けない。なぜなら・・・。

おー、なかなかすごいです。ライナーが崩壊してます。羽根部分から履き口にかけて、糸が完全になくなり、剥がれて浮いてしまっています。買った時点でこの状態でした。さすがにこれは履けません。ただ、それ以外は割とミントな状態でしたので、そのうち修理して履こうと考えていたのですが、結局そのまま放置プレイ状態。

なぜかって? 修理にすごくお金がかかりそうな気がしていたから。1500円の古靴の修理にいくらまでかけるか?1万円くらいで修理できるのかな。いや、そもそも修理できるのであろうか?

当時はまだ、BONTAデビューしておらず、持ち込む先は近所のミスターミニット。それまで、これほど酷い状態の靴を見たことがなかった私は、「お客さん、これは無理だねぇ」などと駄目出しされることを恐れて、棚の一番上に押しやっていたのでした。

 

そんなこんなで1年半が経過したこの12月。
先週まで取り組んでいた「毎日違う靴を履くチャレンジ」なる企画。9月1日から初めて3ヶ月を越え、手持の靴をほぼ履き尽くしたそのとき、まだ履き下していないこいつの存在を思い出しました。

仕事帰りに立ち寄ったオッドメントストア。元・靴修理職人であるオーナの谷口さんに「実はこんなぼろい靴があってね」なんて相談しところ、「それ、たぶん普通に修理できますよ」とのこと。

あ、そうなんだ、もっと早く相談すればよかった。「毎日に違う靴」の大トリ・100足目はこいつにしたいけど、修理、できるかな、間に合うかな? まあ、最悪間に合わなければしょうがない。ということで、翌日、さっそくBONTAさんへ。中4日ほどで引き取り、再度メンテナンスして、100足目にぎりぎり間に合いました。

こんな感じに修理されてきました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おー、いいですね。いい感じです。これなら履けます。写真ではわかりづらいのですが、裂けていた左の履き口(内側)も同時にリペアしていただきました。

【BEFORE】

【AFTER】

羽根部分はミシンはかけられないとのこと。まあ、履き口のように着脱で剥がれる心配もないので、接着のみで補修頂きました。

このペア、前半分はファブリック、後ろ半分がレザーライナー。リペアでは、後ろのレザー部分にぐるりと新しい革が充てられています。

【BEFORE】

【AFTER】

中敷きの下にまで潜り込んでますので、いったん取り外して、リペアして、再度中敷きをセットされているようです。

【BEFORE】

【AFTER】

同じ個所ではないですが、羽根の手前あたりまで、一枚仕立てです。もともとのライナーの上に薄い革を重ねて補修、ということなのでしょうか? 履き口が分厚くなった分だけサイズダウンしていないかと心配しましたが、大丈夫そうです。

兎にも角にも、これで気兼ねなく履けます! リペア費用は1万円ほどを覚悟してましたが、まさかの5千円と、靴にも懐にも優しい感じで大変ありがたい笑。

いつもと違って、夜にリビングで、いつも通りの手順でメンテしました。
どーん。

おお、良い感じです。

翌朝。足を入れてみました。

うん、いい感じです。昔の英国靴らしい丸っこいフォルム。私好みです。

玄関先で履いただけですが、ソールに早速傷が。。まあ、当たり前か笑。硬く返りの良いシングルソール、履き心地も申し分ありません。サイズ感も、朝いちばんの時点では、右足小指あたりが少し窮屈なように感じましたが、昼頃にはいい感じでフィットしてきました。

すてきなペアが1足増えた。と、喜んでいたのも束の間・・・。
夕方家に帰って、なんと! ダメージです!!

丸1日履いた後の状態です。写真はその週末に撮影したものです。履き下す前日、保湿もしたつもりだったのですが、足りなかったのでしょうか? 甲の履き皺の部分、表面が割れてクラック状態です。

割れた隙間から、革の地の薄いクリーム色が覗き見えます。まあ、見た目が行けてないだけで、履く分には何ら問題ないんですけどね。1年半前にがっつりグリセリン保湿を施してましたので、アッパーはもう大丈夫と安心していたのですが、足りてなかったか、その後1年半経って乾いてしまっていたようです。

しゃあないです。今更ですが、再度メンテです。

再度保湿した後、今回は補色しました。

コロニル1909シュプリームクリームデラックスのライトブラウン。ひび割れ部分と除いた地色部分に塗り込んでみます。

うん、色目はちょうどですね。

多めに指にとって、しっかりと塗り込む、刷り込む。
まずは左、完了です。

うーん、どうでしょう。ひび割れているのは分かりますが、補色はできたようです。

まあ、しゃーないね笑。右にもしっかり塗り込んで、メンテ完了です。

結局、アッパー全体に塗り込みました。履き皺部分は、まあ、なんともかんとも。

左アップ。

トゥが綺麗だけに、ちょっぴり悔しいですね。
右アップ。

ひび割れの程度はこちらのほうがひどいかも。

けどまあ、そんなアップで人の足元なんて見ません。このくらいの距離感でしょうから、まあ、そんなわからんかな。 

思えば、我が家にあるセミブローグのペアは、FOOTSTOCK1足だけ、それも、息子のペアです。たまに借りたりはするものの、私専用のはこれが1足目です。

いろいろとぼろいですが、アッパーの革質も、ソールも申し分ありません。なんとか、ローテーションの仲間入りをさせたい。そのためにも、クラック部分だけは、なんとかしておきたい。

なんとかなるのか? 
プロに頼む?
どこの誰に?
ていうか、
まだ追加費用かける? 
うーん・・・。

 

自分でやりますか。

 

(おしまい)

参考:「BONTA de 靴修理」記事一覧

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