旧いカナダ靴にマスタングペースト(後編)

ばしです。

前編からの続き、後編です。

 

🌸🌸🌸

 

年末にメンテに着手したガンボート。

年が明けた2026年。仕事も始まり1週間が経過した1/10(土)。実は、年末年始の休暇中に仕上げるつもりが未着手。結局、マスタングペーストを塗り込んで3週間寝かせることとなりました。

状態はこんな感じ。

すっかり乾いた、浸透した、と思われます。

縫い目が白い。

マスタングペーストの残骸ですかね。
乾いて白くなった。

ところどころに残骸が。

懸案の履き口周り。

見た目の撚れた感じは大きくは変化なし。ですが、かなりしなやかになって、触ったみるとコシ・ハリが感じられる。

マスタングペーストを使うの今回が初めてでありますが、オイリーな感じは全くありません。相当に塗り込みましたが柔らかくなり過ぎといいうこともないようです。分厚いアッパーが適度にしなやかになり、このまま足を入れても履き口が裂けるなんてことはもうなさそうです。

こちらももう崩壊はしなさそう。ですが、見た目は酷いまま・・・。手入れ不足、ということではなく、単なる経年による劣化、ということと思われます。それも相当に。なもんで、元には戻らない。

ですが、アッパーの状態はとりあえず使用に耐えうる程度には改善したと思われる。アウトソールはそもそも頑丈過ぎるくらいでノーケアでも問題なさそう。よし、ダメージのケアはこれで終了。最後に見た目を整えて作業を完結したいと思います。

まずは手つかずだったコバ周りから行きましょう。

幅広トリプルソール。
良くも悪くも目立ちます。
整えましょう。

サンドペーパーでスリーステップ。

まずは粗めの#320。

次いで一番手上の#600。

最後に#800でツルツルに。

お、いい感じ。ただ、

コバに羽根の隙間にマスタングペーストの白い残りかすが。

サンドペーパーで右足もなだらかにしたら、

 

ステインリムーバー

こんなときは歯ブラシの力を借りる。

局地攻撃。少しだけすっきりした。
さて、仕上げましょう。

 

 

コロニル1909(濃茶)

補色も兼ねて、濃茶を入れてみた。

すっぴんにしてありますので馴染みやすい&色ムラになりづらい。

しっかりツヤツヤに。

コバも濃茶入れて磨きました。

マスタングペーストの使用感の確認が今回の主目的でもありますので、仕上げのクリームはコロニルだけにしておきます。右足も同様の手順で仕上げたら、紐を通してメンテ完了です。

元の紐、石鹸で荒い乾燥させてます。少し茶の色目が薄すぎるかも。別段ヘンではない、合わなくはないかも。ですが、好みではない。

新品の平紐に交換です。
平紐が好みであります。
今回は濃茶にしてみる。
紐が濃茶であるならば、

コバももう少し濃い色の方がバランス取れて良いかも。

濃茶のコバインクを入れましょう。
これにてメンテナンス完了であります。

 

 

【BEFORE】

【AFTER】

うん、いい感じです。

 

【BEFORE】

【AFTER】

コバもすっきり整った。
アッパーのクリームが拭き取り切れてないな。
まあ、ご愛敬ということで。

 

【BEFORE】

【AFTER】

アッパーがイキイキと蘇ったような気がする。

草臥れた様子はすっかり影を潜めたかと。

指でつまんで引っ張っても問題なし。

もちろん、乱暴に扱えないわけではありますが。で、使用感ですが、いつものTAPIRやクリストフポーニーとの比較は一概にはできないわけですが、マスタングペーストはとても使いやすい、扱いやすい印象です。

粘度あるも指先から伝わる体温でゆるりと溶けるのでアッパーに簡単に塗り広げることができ、かつ、しっかりと奥まで浸透をさせ易いような気がする。何度も塗り重ねても他のオイルクリームほどギトギトにならず、とても使いやすいオイルクリーム、といった印象です。

履き口周りのクラックは補色で誤魔化した。

もとい、誤魔化すつもりが限度あり。
まあ、履いたら見える箇所でもない。
これ以上の劣化が一旦ストップしてくれればそれでよい。

コバも整いました。それにしても分厚いな。

左はスコット名義のマクヘイル。この黒のペアのソールの分厚さも大概なモノと思ってましたが、それよりもさらに分厚い。

カナダ靴はアウトソールが分厚いものが多いです。アメリカより北にあって寒いから、底冷えするから、でしょうか。ソールを分厚くすることで足元からの冷気を遮断しよう、という目的でしょうか。それ以外に理由が思いつかない。

踏まずに打たれた釘が7本である理由は、寒さは関係ない、きっと。実は底付け担当の職人さんが北斗の拳のファンだった、というわけでもない、きっと。

外羽根である理由は・・・、手がかじかむことを考えると、内羽根より外羽根の方が締め解きはしやすい。これは可能性としてはなくもないかも。ですが、どうでもよいかな。

ちなみに、黒の羽根の付け根にパッチがついてますが、この箇所が使用中に裂けまして、BONTAさんにリペア頂きました「BONTA de 靴修理(その3)」。黒のペアにもマスタングペースト塗り込んでたら裂けることもなかった? いや、このパッチ、かなり気に入ってます。元からのデザイン・仕様のように思えてカッコいい。お気に入りです。

で、あらためてこの2足。

サイズも色も異なりますし、一文字のステッチの仕様も異なりますが、やはり似てますね。おそらく、きっとどちらもマクヘイル製、なのでしょう。茶のソックシートのロゴにあった「ROTMAN’S」が何者かは不明なままですが、まあそのうち何かヒントにでも出くわすでしょう。ワカラナイことが分からないまま、というのもミステリアスで良きかな。

黒は【US8.5D】程度のサイズ感です。
今回の茶は「785」=【US8.5G】ということのようです。ですが、ビン靴は年代が旧いほど表記サイズより小さめなことが多い。こいつはどんな感じでしょう。足を入れてみた。

思ってたほど大きくはない。幅は広めだけれど広すぎるといった感じはない。もっと羽根と羽根の隙間が閉じるかと思ってましたが、甲もさほど高くもなくて許容範囲。とはいえマイサイズより大きい、黒より大きいことは間違いない。靴の中で足指がいつもより遊ぶ状態で、

この分厚く重たいアウトソールの靴で駅まで15分歩くのは少ししんどそうです。いつものDAISOさんの中敷きで調整しましょう。1枚入れたらちょうどよさそうです。

年明けから電車通勤に戻してるのですが、
こいつ履くときはクルマにしよう。

いや、見せびらかしたい気がしなくもない。
電車通勤してみようか。

だれもそんな古い靴だとは思わないでしょう。
マスタングペーストのお陰ですかね。

近々履き下ろしてみます。

 

(おしまい)

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