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COLE HAAN ホワイトバックスのその後②木は森に隠せ

こんにちは、ばしです。

 

丸洗いして。
COLE HAAN ホワイトバックスを丸洗い

絵の具で塗って。
COLE HAAN ホワイトバックスのその後①白は白く

 

それでも思うようにきれいになってはくれないコールハーンのホワイトバックス。意地でも綺麗にしてやる。今回はその完結編です。

 

 

丸洗いした結果新たに発生したこのシミ。アクリル絵の具でも隠しきれませんでした。

こんなとき、あなたならどうしますか?

そうですね。木は森に隠せばよい。シミはその背景をシミと同じ色にすればよい。そうすればシミは消えなくとも見えない。ということで、全体をシミと似たような薄茶色に染めることにしました。

 

ご存知の通り、

ホワイトバックスに似た「ダーティバックス」というものがあります。汚れの目立つホワイトバックスを、どうせなら最初から全体を汚してしまえ!とばかりに土や泥で汚した、との経緯で生まれたのが「ダーティバックス」です。

余談ですが、

ホワイトバックスもダーティバックスもソールがどちらもレンガ色です。これには理由があるらしい。そもそも、1800年代に英国はオックスフォード大学でスポーツ観戦用として生まれたホワイトバックスですが、その主たるスポーツとは「テニス」であったそうな。

で、テニスコートにはクレイコートといわれる赤褐色の土のコートがあるわけですが、当時は、この赤褐色の土が観客席にも敷いてあったらしい。プレイヤーだけでなくオーディエンスの靴も赤く汚れる。で、どうせなら靴底も最初から赤くしてしまえ、ということで赤いレンガソールとなったそうな。

ソールの赤もアッパーの薄茶も、きわめて合理的な理由から生まれた、といってよいでしょう。

 

つまり、

この赤いソールの靴のアッパーは、色が茶色くても別になんともおかしくもないし誰もなんとも思わない、ということです。そう、そもそも最初からアッパーが薄茶やベージュの靴が今も「ダーティバックス」として流通しています。「ホワイトバックスを染め変えたモノ」だなんて、きっと誰も思わない、誰も気付かない(うまく染まったら、ね)。

てなことで、染めましょう。

 

と、その前に。
まずは、

 

丸洗い

丸洗いと言いましても、ぬるま湯にドボンとやって濯ぐだけです。全体が濡れてませんと均一に染まりませんし、そもそも先日塗ったアクリル絵の具を落としておかねばなりません。いやあもうほんとに何やってんだか。

ぐおお、お湯が白く染まりました。
白の絵の具が溶けだしているようです。

ブラシでも擦って、また濯いで、を二度三度と繰り返したら事前準備は終了です。さて、ここからがいよいよ本番、「染め」です。

 

こいつを使います。

【QUESTION】

何かお判りでしょうか?
これは・・・

 







 

 

【ANSWER】

コーヒーです!

毎朝職場でコーヒーを入れるのですが、この日のために残りカスを4日分ほど取り置いていたのでした。

出がらしですので味はNGでしょうが色はつくみたいです。そして何より、エコでもある。MOTTAINAI精神を体現化する拙ブログにおいて、使用する染料の材料としてはこれ以上のものはないのではないか。

行平鍋で煮こむ。

おお、なんか濃い色目の泥水のようです。

粉が付着したらまた斑ら模様になりかねかません。ろ過してしっかり除去して、コーヒー色の出がらし液体を作ります。余談ですが、ポットは自宅用も職場用も同じ物を使ってます。

コーヒーだけだと色が濃すぎるように思え、また、コーヒーだけで両足がどりっぷ、もとい、どっぷり浸かるほどの量を作るのが面倒そうでもあり、ぬるま湯に濃いめのコーヒーを足し入れることにしてみました。

結構濃い色目になりました。

紐を入れ、

次いで靴を投入。
なんだけれども、少し薄め過ぎたかな。

出がらしでない豆で新たにコーヒーを淹れ、

追いコーヒーしてみました。

お客さん、凝ってますねえ。
てなノリで、揉みこむ、揉みこむ。

レンガーソールを上向きに、アッパー全体がコーヒーに浸かるようにして、

蓋をします。

(6/8(土)17:02)

この日の夜は雨予報。ということで、しっかり蓋をしてこのまま放置します。「します。」だなんて言っちゃってますが、コーヒー染めは今回が初めての経験です。果たしてうまく行くのだろうか。懸念点としては、

「そもそもコーヒーで染まるのか?」

ということ。Tシャツをコーヒーで染めた云々という記事が元ネタなのですが、その記事では、鍋にコーヒーと白いTシャツを入れ、火にかけて煮沸してたんですよね。今回はぬるい温度の薄めのコーヒーに浸けおくだけです。それで革は染まるのか? 仮に染まるとしても、

「色の濃さの調整はどうすればよいのか?」

という疑問。濃度と時間によって染まり方も変わるはず。目安となるものが何もない中で、今回はぶっつけ本番、なるようになれ、という状況です。染まらなかったら、あるいは、濃くなり過ぎたら・・・。運を天に任せましょう。

 



 

翌日。

(6/9(日)9:21)

16時間ほど経過しました。
どうなっているでしょう、どきどき。

運命の瞬間。

おっ。

おお!いい感じ、ではないでしょうか!?

爪先のシミ汚れもほとんど目立たなくなりました。濡れた状態では、ね。乾きますと往々にして色目が明るく変化します。今回はどうでしょう。

とりあえず、すすぎましょう。
水道水で3度ほど水を変えつつ洗いました。
余分なコーヒーはもうほとんど残ってないはず。

ソックシートも全体的に色濃くなりました。シミ汚れも目立ちづらくなったかも。狙っていたわけではありませんが、グッジョブですね。さて、いつもならここで洗濯機で脱水にかけるのですが、もうね、今回はやめときましょう。

代わりにしっかりと何度もタオルで水分を取り、

靴下を履かせたシューツリーをINです。ツリーは靴に対してやや小さめのものに靴下を履かせてます。内側の水分を吸収させつつ、形も整える。

靴紐は染まりませんでした。
このまま使うかベージュの紐を購入するか、悩み中。

爪先。たぶん、大丈夫ではないかと思うのですが、人間は物事を自分の見たいように見がちです。まだまだ油断はできない。

狙ってた色目より少しばかり濃いですが、狙いが良いとも限りません。それに、乾燥したら色目は薄くなります。とりあえずこのままで乾燥を待ちましょう。

 







 

1週間後。

昨日、6/15(土)7:36。
乾燥して、茶の色目は予想通り薄くなりました。特段コーヒーの香りはしません。で、結局紐は染まりませんでしたが、

シミは、

上手く隠れました。

お、コバ回りが荒れています。

ニュートラルのクリーム入れましょう。

色はもう入れるのはやめときます。

さて、

紐は結局、以前買った靴のどれかについてたやつが色も長さもちょうど良くて、それ使いまわすことにしました。通したらようやく、メンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、いい感じ

 

【BEFORE】

【AFTER】

シミは元あったものも丸洗いの過程で新たにできたものも、どちらも目立たなくなりました。すっきり。

 

【BEFORE】

【AFTER】

ソックシートもベージュに染まり、シミは残ってはいるものの当初よりは目立ちづらくはなりました。

いやあ、コーヒー染めって以外と悪くないかも。いい感じに染まった、といってよいのではないかな。ほかの靴とも比べてみましょう。

左はWalk Overのホワイトバックス
右はSANDERSのダーティバックス
今回はその2足の中間やや濃いめ、
といった感じに仕上がりました。

サンダースだけ形状が異なる。英国靴らしいフォルムです。ほか2足は似た雰囲気のシェイプです。まあ、どちらもWalk Over製だし、当たり前といえばそうなのかも。

うん、思いのほか良い出来です。
折角なんで何かキャッチコピー的なモノが欲しいな。

そう、例えば、

コーヒーで染めたダーティバックス。題して、「コーヒーバックス」。いや、それだとどこかのコーヒーチェーンの回し者みたい。やめとこう。

ほかに、例えば、

先日ランチに冷麺を食べました。あやかって、「コーヒーバックス、始めました」とか。いやだからそれは回し者みたいだからダメだと言っているわけで。

 

まあ、いずれにせよ、

 

 

丸洗いから3週間。

紆余曲折の後、きれいな薄い色目のコーヒーブラウンに染まりました。ええ、そりゃだってコーヒーで染めたし。ちなみに、青みを強くしたい時はブルーマウンテンが良いらしいとかなんとか。ブラックコーヒーでも黒くはなりません。悪しからず。今回はキーコーヒーでした。

そんなコーヒー染めのダーティバックス。

も一度やれと言われても、二度目はご免こうむりたい。なぜなら、同じように仕上げる自信がないから。再現性を伴うレベルでの技の習得には時間がかかりそう。ですが、今回はまあまずまず、上手くいったと言ってよいのではないかな。

 

ミッション☆コンプリート。

 

(おしまい)

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