こんにちは、ばしです。
12月になりました。
年の瀬ですね。実感はまだあまりありません。が、大阪も昨日からぐっと冷え込んで参りました。コートなしでは辛い日々の始まりです。いよいよ、本格的な冬の到来を感じる今日この頃です。
寒いのは苦手です。
つらい。そんな冬を素敵なものにするために、今シーズンは少しドレス感強めのブーツがあるといいな。オンでもオフでも履けそうなやつ。なんて風に思っておりましたところ、遭遇いたしまして、ゲットした次第です。
こいつ。
ブーツです。
ジョージブーツ。ということでいいのでしょうか。「ジョージブーツ」なるものの存在を知ったのは2年ほど前です。チャッカブーツとどう違うのか。
George Boots ジョージブーツ
チャッカブーツと似た形だが、チャッカブーツよりは履き口が高い位置にあるスタイル。ミリタリー起源のスタイルで、英国国王ジョージ6世治世時に将校の正装用の靴として導入され、その呼称がついた。くるぶし部をしっかりとカバーする丈で、着脱はやや手間がかかるが、着用した際の活動性は高い。アイレットは3アイレットが基本。また乗馬時の着用も想定していたオリジナルのスタイルから、ヒールは高めに設定されていることが多い。
男の靴雑誌「LAST」さんのホームページより引用させて頂きました。
チャッカブーツは、ポロ選手が試合後に履いていたともいわれるスポーツが起源なカジュアルなものであるのに対し、ジョージブーツはミリタリーが起源のドレスシューズ、ということのようです。
確かに、ドレス顔です。
なんだけど、出し縫い糸は白。で、履き口は高くて、くるぶしはすっぽり収まりそうです。ジョージブーツは3穴のモノが多いようですが今回は4穴。よりドレス感が強い、といっていいのかもしれません。
英国由来のジョージブーツ。サンダースやトリッカーズのものをよく見かけますが、今回は初見のブランドです。
CoSTUME NATIONAL コスチュームナショナル
初めて聞きました。イタリアのファッションブランドらしい。なんでも、ヨウジヤマモトで3年ほどアシスタントとして日本で働いていた方が1986年にイタリアに帰って立ち上げたブランドなのだそうです。英語表記の「o」だけ小文字のようですが、理由は良く分かりません。
ソックシート。CoSTUMEの「ME」と思しき文字が僅かに残っているのですが、ほとんど読めない上に、サイズ表記などの文字の類もなし。
内側に縫い目。イタリア製のこいつ、どうやらブレイクラピッドぽいな。グッドイヤーの本格的なジョージブーツではありませんが、本格的なのが欲しかったというわけでもない。兎にも角にも3000円と安かったので、入門編としては手ごろでちょうど良いかな、と、ゲットした次第です。
ま、安いのには理由があるわけです。
今回はこれ。事前の情報通り、踵内側にダメージ。使用する分には問題ありません。
メルカリにて出品者さん曰く、それなりに古いペアだそうです。元はレザーだったらしいソールはリソールしたものの、その後、そんなに履かず終いだったのだそう。確かに、底も踵も削れはほとんどありません。
色は茶色。
黒もカッコイイのですが、少し足元が重くなりそう。ということで茶にした、という訳ではありません。中古ですし、おんなじやつの色違いは早々はないですが、1足目としては茶の方が汎用性あって良いかなと。
で、アッパー。
リソールするほど、踵が破ける程に履かれたにしてはダメージなどはありません。手入れもきちんとされていたのでしょうが、そもそもこのアッパー、結構厚手でしっかりしてます。まだまだ余裕で現役で活躍しそうです。
よし。
儀式を執り行う。
いつも通り、まずは左足から。
ステインリムーバー
汚れはほぼなし。
ワックス軽め、といった感じ。
LEXOL
コバ周り&アッパー全体。
変化ほぼなし。
デリケートクリームもどき
百均のヒト用クリームです。
面積大きいやつにはこれに限ります。たっぷり塗り込みました。
リッチモイスチャー
面積大きいんで、値の張るやつは今回は割愛です。
TAPIR レダーオイル
油分補給&保革。
少し色濃くなりました。オイルアップしましたので、気休めですが、15分ほど浸透させます。
さて、その間に隅々まで眺めていて気付きました。
分かります?羽根部分、縁にミシンがかかってないんですよね。
履き口も。
あ、途中まではミシン目ありましたが、その先は貼り合わせてるだけ。
なもんで、まあ、そりゃ、そうなるわな笑。
ミシン目のないミニマルなデザインにしたかったんでしょうかね。素敵な選択だと思います。まあ、ミシン目はあってもなくても、個人的にはどっちでもいいんですけどね。
さて、続きです。
コロニル1909(ムショク)
いつものクリームで仕上げです。
色が濃くなりました。ほかはそれほど変化なしかな。まあ、もともと手入れが行き届いていたペアです。変化は僅かで十分です。
右も同様の手順で手入れして完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
茶は濃いめが好きです。
【BEFORE】
【AFTER】
出し抜い糸の白が効いてます。汚さぬようにせねば。
皺はあるも傷はなし。グッドです。
バックシャン。トップリフトもほぼ削れなし。
チャッカブーツはブーツとは言え「短靴」っぽいですが、これだけ履き口が高いジョージブーツは誰がどう見ても「ブーツ」っぽいですね。
手持ちの「ブーツ」としか呼べない2足と比べても、同じくらい履き口が高いです。奥はアレンのBAYFIELD、真ん中がエシュンのGINKO、そして、今回のペア。シンプルな作りではありますが、存在感でも負けてません。
今年の冬は、寒い日の足元はこの3足だな。と、思ったけど、厳密には4足です。もう1足ありました。
向かって右、1987-88年頃のUKメイドのPATRICK COX。こいつは「チャッカ」です。短靴ライクですが、色目もキルティングなアッパーも正に秋冬向け。4足あれば事足りるでしょう。
で、こうして並べてみて思いますに、今回のジョージブーツ、トゥがころんとしてます。かなりボリューミーです。
試しにGoogleで「ジョージブーツ」で画像検索してみますとこんな感じになります。
どれもシュッとしてます。英国靴ライクな写真ばかりです。
左上の写真は冒頭の「靴雑誌LAST」さんの記事のものです。
サンダースのペアとのこと。
ブーツなのにシェイプが利いてる感じです。
比べてみますと、やはりトゥがぽってりしてます。英国ミリタリー由来、というよりはむしろ、米国ミリタリーっぽいような。
手持ちのUSNVサービスシューズと比べてみました。
右の1960sのペアはサイズが「8W」です。
「W」=「WIDE」。
確かに、比べてみますと幅広めです。
なのですが、トゥのあたりの「ぽってり」感は茶に軍配が。まあ、どちらにしても、どちらとも英国靴ぽくはないですね。
足を入れた感じも、サービスシューズに似た感じです。
で、冒頭の説明の通り、こいつ、着脱はかなり面倒です。シューレースを全体的に、相当程度緩めないと履けません。ですが、履いてしまえば快適。くるぶしまですっぽり包まれた足首は適度に固定されます。それでいて爪先周りは余裕がありますので、見た目よりも優しい履き心地です。
1951年頃に発案された筒高なブーツ、それがジョージブーツ。筒高な理由は、発案者である当時のイギリス国王ジョージ6世が、シューレースがパンツの裾から見えるのを好まなかったから、らしい。
シューレース、見えちゃってますが、だめですか?
裾に隠れれば相当程度ドレッシーになるかとは思いますが、まあ、次代も違うし、ズボン丈も、幅も、当時とは異なります。個人的にはこのくらいの方が好みです。
そりゃまあ、確かに、
スーツの足元の場合は、靴紐は隠れて見えない方がカッコいいのかもしれない。その方が「大人な男」といった雰囲気が増しそうです。ただ、オッサンな私の場合、今以上に大人度が上がるとジイサンになってしまいます。それはまずい。ズボン丈をどうするか、は、慎重に検討すべき事柄のようです。
いずれにせよ、オンでもオフでも、見えても見えなくても、どちらでも活躍しそうなペアです。秋冬の登板頻度が高くなりそう。
「1足で2度楽しい」、そんなジョージブーツ。
冬が来たばかりでなんなのですが、
来シーズンは黒も調達しよう。
来シーズンは、ね。
(おしまい)