息子にチャートシー

こんにちは、ばしです。

 

4月といえば春。

あ、もう5月ですね、すみません。で、兎にも角にも春といえばもうすぐ夏です。あ、気が早すぎか。で、何が言いたいかといいますと、そんな春は、リユースショップで秋冬モノを漁る絶好のチャンスである、ということです。

シーズン終盤のセールでも売れなかったやつらが、オフシーズンの間はお値段がかなり勉強された状態になります。コート類とか。スノーブーツとか。オフシーズンゆえに安い。で、秋冬向けのこんなのも安くなっておりましたので、拾ってきました。

4月の4足目。

こいつ。

 

 

Paul Stuart のチャッカ

「Paul Stuart」
「税抜別2300円」

安いです。
なぜ安いかといいますと、

状態はあまりよくない。

ソールもホコリっぽいな。手入れしないまま持ち込まれたのでしょうか。そりゃこの状態だと手を出すのが躊躇れます。ただ、見た目ほど傷みはなさそう。メンテしたら綺麗になりそうです。

しかし、こんなペアなんて履いて捨てるほど、あ、いや、掃いて捨てるほどあります。その程度のモノには安易に手を出さない私です。で、そんな私が持ち帰ったからにはそれなりの理由があるわけです。

ソックシートには「Paul Stuart」の文字。

で、その上。
何やらどこかで見かけたことのある手書きの文字が。
ええ、そうです、こいつ、あいつです。

 

 

Crockett&Jones CHERTSEY

クロケットの224ラストの「CHERTSEY チャートシー」です。

クロケットの秋冬の定番であり、1960sに開発されてから今に至るロングセラーであり、同社を代表する1足、といってよいでしょう。

ポールスチュアートは様々なシューメイカーに発注をかけてます。英国だとエドワードグリーンとか、グレンソンとか、そして、今回のクロケット&ジョーンズ。

「スチュアート・セレクト」など、ポールスチュアート名義の本格靴にはお宝が混ざってることがある、と知って以来、注意深くウォッチしておりましたが、今回初めて拾い物に遭遇した次第です。

なんだけれども、まあ、綺麗ではないな。

綺麗にしましょう。どのようにメンテするか、2週間ほど思案したうえで、丸洗いすることにしました。

 

 

スエードチャッカを丸洗い

久々の革靴丸洗いです。

GWに実施いたしました。季節もいいし、渇きも早いでしょう。
とりあえず紐を外して風呂場へ直行です。

ぬるま湯をジャーっ、といきましょう。

一杯までお湯をはって、とりあえず20分放置です。

20分後。

中までしっかり浸透したと思われます。
さて、洗いましょう。

サドルソープを切らして久しいです。
中性洗剤ならなんでもいいでしょう。

普段使いのボディシャンプーでわしゃわしゃと洗いました。
茶の色が濃くなりましたので、どの程度汚れが落ちているのかさっぱり分かりませんが、まあ、それなりになってるでしょう。落ちてなけりゃ、そん時にまた対応を考えましょう。

シャワーでしっかりと濯いで洗剤を落とす。で、さらに、再度ぬるま湯に20分ほどドボン。

ついでにグリセリンをドボドボっとぶちこんでみました。スムーズレザーにグリセリン水が効果的なのであれば、スエードも同じ、ではないかな?まあ、「おまじない」みたいなもんです。

20分後。

タオルにしっかりとくるんで洗濯機で脱水です。

8分廻してみました。

ソックシートが一部剥がれましたが、まあ、問題ないでしょう。
で、爪先の白いのはボロタオルです。洗濯機で脱水するとアッパーが変形します。整えて乾かせば元に戻りますが、どうでなら変形は少ないに越したことはない。てなことで、突っ込んでおいたのですいが、いい仕事したようです。

形を整え、シューツリーを入れたら陰干しです。

 

☆★☆★☆★☆

 

GWが明けて最初の土曜日であった昨日は仕事、だったのですが半ドンでしたので、午後から仕上げの作業です。

とりあえずしっかりと乾燥したようで、ひとまず入念にブラッシングしました。そんなアッパーの状態は、

メンテ前よりはましでしょうが・・・。
まあ、とりあえず進めていきましょう。

コバ回り。色ぬけがひどいな。ダイナイトソールの上のミッドソール(といっていいのかな?)部分が革で、ここがひどいことになってます。とりあえずこの色ぬけから整えましょう。

 

コバインキ

焦げ茶のコバインキ(ペンタイプ)。

左から塗りましょう。

お、いいんではないでしょうか。
次いで右も。

おお。

引き締まりました。
さらに、

トラディショナルワックスを追加で塗布しました。

ありゃ、もう少し艶が出るかと思ったのですが。
まあいいや。

さて、アッパー。仕上げましょう。

 

撥水・防水スプレー

スエードの仕上げはこれしか道具がありません。
全体的にプシューっとふりかけて乾かす。

紐を通したらメンテ完了です。

 

 

【BEFORE】

【AFTER】

うん、まあまあですが、マシにはなりました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

こんな間近では見ないでしょうし、こんなもんで。

踵のヘリ、足そうかと思いましたが、当面はこのままでいこう。

紐の通し方間違えたかも。
まあ、正解なんてないでしょうし、好きにすればいいよね。

 

さて、こいつ。

サイズ表記は8Eです。
ポールスチュアートは米国のブランドなのでUS8E、との説もあるようなのですが、足を入れたら私には少し大きい。UK8かも。まあ、それはどちらでもよい。いずれにせよ、こいつは息子の足元にと拾ってきたのでした。

次の秋冬シーズンまで半年あります。

息子の靴ですので、息子の部屋に置いとこう。ていうか、私の寝室は先日綺麗に整理したばかりで(前回記事)、追加の靴を置くスペースがありません。

なもんで、

箱ラベル追加作成しました。

寝かせた状態となりますが、すっぽり収まりました。このまま息子の部屋で秋までお寝んねです。

 

半年後はこんな感じ。
あ、いや、紐はこの後通し直しました。
息子よ、多分君の足にぴったりなはず。

もしタイトに感じる場合は、
いつもより少し薄手の靴下で調整してみて。
きっとそれでうまくいくはず。

それでもまだ窮屈ならば、
その時は父が履こう。
おお、どっちに転ぶかな。

 

秋が待ち遠しい。

 

(おしまい)

 

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