こんにちは、ばしです。
お盆休みが終わりました。甲子園もベスト4が出揃い、熱戦もいよいよ大詰めです。
まだまだ暑い毎日ではありますが、いつの間にか陽は徐々に短くなり始めました。雲の様子も秋の気配を感じさせる今日この頃です。もうすぐ夏が終わる。
さて、そうしますと「秋の準備」、となる。
お盆休みの最終日。少し気が早いですが、秋冬もののアウター、早速買っちゃいました。昨シーズンはジャケットばかり何着も買っちゃいましたので、今回はカジュアルなミリタリーライクなやつを一着。ええ、中古です。大体いつも中古です。新品の服買う金があるなら靴を買います。ま、靴も中古なんですけどね。
服を買うのは楽しい。
で、買ったら、手持ちの服を引っ張り出してきて、ともすれば一人ファッションショー、となるわけですが、これもまた楽しい。なのですが、流石にまだ少し早い、まだまだ暑いです、やりかけてやめました。なもんで、頭の中でエアー・ファッションショーです。
インナーはあれにしよう、パンツはあれがいいかな。って、7割がた古着だな。安上がりな私です。で、足元は黒の短靴にしよう。休日とはいえいいオッサンがカジュアル過ぎるのは嫌です。かといって堅すぎるのもどうかなと。
なんだけれども、一番種類が豊富なはずの足元がなかなか決まりません。うーん、おかしいな。なんかいい塩梅のやつ持ってなかったかな。
あ。ありました。
Eduard Meier エドワード・マイヤー
創業1596年。バイエルン王室ご用達。現存する世界最古のシューメイカー。
それが、エドワード・マイヤー。
この外箱に梱包されて届きました。
キリル文字で「ウクライナ郵便局、云々」と記載されているようです。そう、今回はウクライナのセラーさんから購入しました。送料込みで100ドル弱と毎度のごとくお買い得品です。
ですが、ウクライナからです。こんな御時世でもちゃんと届くのだろうか? と不安に思っておりましたが、8月初旬の見込みが1週間ほど前倒し、7月下旬に無事到着いたしました。
その後1ヵ月半ほど放置したままでしたが、ようやくこの週末にメンテしました。
ディテールのご紹介方々、いつも通りまずは左から。
LEXOL
4穴シボ革のフルブローグです。
いつものステインリムーバーは今回は割愛です。理由はありません。なんとなく。アッパーは布にとって指先で強過ぎぬ程度にゴシゴシと。
コバ周りは歯ブラシで。このペア、ノルウィージャンウエルトっぽいです。イミテーション?がちなやつ?よく分かりません。
まあ、どっちでもいいです。そんなことより、糸が白っぽいことの方が気になります。白がデフォルトでしょうか? 白くないし、中途半端でイマイチです。後で黒くしよう。
ソールはビブラム。ノルウィージャンにビブラムソールと適度にカジュアルですので、スーツには履けなさそうです。せいぜいジャケパンか。まあそれでもいいのですが、こいつはこの秋冬、週末にカジュアルに履くと決めたのでした。
とりあえずソールも綺麗にしときました。
デリケートクリームもどき
デリケートクリームでなく、なぜ「もどき」なのか。理由は単にデリケートクリームを切らしてしまったから。
リッチモイスチャー
この辺はいつもの手順で。
甲のシボ感が際立ってきました。
TAPIRレダーオイル
おお、ギラっとなります。
15分ほど、気持ちばかりですが、オイル浸透を待ちましょう。ま、気休めですが。その間に、
この中途半端に白い糸をどうにかしましょう。
黒いクリームを塗り込んでみました。
お、少し黒くなりました。
あ、いや、そうでもない。
ワックスならどうだ!
あ、もう、いいです、このままで。白くするか、黒くするか、改めて検討の上追加施術としましょう。
さて、アッパーに戻ります。
コロニル1909(クロ)
いつものコロニルで仕上げ。今回はニュートラルではなくクロにしてみました。理由はありません。なんとなく。
イマイチ黒くなりませんね。
モウブレイトラディショナルワックス
こないだチャーチのサドルシューズに使ったらすごく良かったので。
ただ、シボ革にはあまり向いていないのかもしれません。
右も同じ手順で仕上げてメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTRE】
まあ、私の腕だとこんなもんでしょう。
【BEFORE】
【AFTRE】
コバ周りがそれなりにキレイならそれなりにスッキリするでしょう。
サイドビュー。シボがなかなかの迫力です。
ウエルトの糸の色はとりあえずこのままでいきます。誰もそんなじろじろ見ないでしょう。
さて、タイトル通り、今回で3足目となるエドワード・マイヤー。
とりあえず、我が家に来た順番に並べてみました。
おお。
なかなかに壮観です。
右が1足目。
ソックシートのロゴはこんなです。ビスポークと思われるペアです(過去記事こちら)。
中が2足目。
先程とは異なるロゴです。で、内側側面に印字あり。こちらはクロケット製の既成靴です(過去記事こちら)。
2足目は内側の印字から間違いなくクロケット製と確認できましたが、1足目は文字の類が一切なく、恐らく2004年以前のビスポークの品と思われるものの、確証が持てない。
追加の情報を得たいと思っておりましたところ今回のペアを見つけ、渡りに船とばかりにゲットした次第です。
そう、今回の3足目、ソックシートのロゴは1足目と同じです。
擦れてますが、1足目と同じロゴです。
で、1足目と同様に文字の類が一切ありません。なもんで、ビスポークなのではないかと推察する次第です。
並べてみました。
1足目の方が全長が長い。3足目となる今回の方が幅は広そうです。
1足目は爪先までレザーライナーでしたが、今回のは爪先側はファブリックです。ソールも今回はビブラムのラバーソール。カジュアルな雰囲気ですが、
1足目と同様に内側にはハンドソーンのような釘の跡。
結論。
1足目と似たような仕様ですが、だからと言って追加で明らかになった事柄はありませんでした。
ただ、あらためて確認できたことは、
3足とも独特の形状です。「ペドゥフォームラスト」ってやつです。茶色はほぼジャストサイズ。左右の黒は少し大き目で中枠でのサイズ調整が必要です。
今回のは特に幅にゆとりがありそう。
ラバーソールだし、カジュアルでも履けるし、ぼろいマーチンを履いてる息子に譲ろうかとも思いましたが、氏素性をよく理解せぬまま履くのは靴に対して失礼かな、と思いやめました。創業から400年という歴史を前にすると、そんな風にやや畏れを感じてしまう小心者の私です。
3足目のマイヤー。
靴を100足持ってる奴はそんな珍しくないかもしれませんが、エドワード・マイヤーを3足持ってる奴は珍しいかもしれません。ニッチなところで勝負しがちな私には持ってこいかもしれません。
中敷きと靴下の厚さでサイズ調整などして、10月頃には履き下す予定です。履き心地など、その頃にまたご報告いたします。
秋の楽しみがひとつ増えました。
(おしまい)