Florsheim 20713(後編)

こんにちは、ばしです。

 

いやあ、台風の影響、広範囲でしたね。

台風そのもの、というよりもそれによる全国的な雨。そして、大型であることを見越しての列車や飛行機の運休、それに伴うイベントの延期など、全国的に動きの止まったような週末でした。

大阪はといいますと、なぜだが雨も風もあまりなし。甲子園では阪神巨人戦やってたし。とはいえ、外出の予定は立てづらく、「いつ来る」「もう来る」などと思いつつ、自宅で古靴弄りな週末でした。

 

今回は前回からの続きです。

金曜夜がこんな感じでした。
その後、丸1日経過した土曜日の夜。

手触り他、前日と変化はほぼありません。

引っ掻き傷は、まあ、目立たない程度になったような。

糊付けしたダメージ箇所もその後問題はなさそう。

履き口のクラックはなくなりはしないものの、クリストフポーニー・レザークリームの成果でしょうか、幾分ましになったように見えます。よし、順次仕上げていきましょう。今回は特段変わった取り組みはありません。①いつもの手順で仕上げて、②少し大きいので中敷きを自作して、③履き下ろし、です。

 

 

①いつもの手順で仕上げ

今回はフローシャイムは1960sと革質も良い時代のモノですので、いつものニュートラルのクリームでさくっと仕上げましょう。と、その前に、

 

LEXOL

余分なオイルクリームを除去です。

都合3回くらい拭き取りました。ギトギト感はなくなって、もっちりした手触りになりました。色艶もいい感じです。上質なアッパーの革質ゆえ、と思われます。

 

 

コロニル1909(ニュートラル)

仕上げのクリームを指でしっかりと塗り込む。

ウエスでしっかりと磨いたら、

おお、ツヤツヤになりました。

ワックスは要りませんね。

右足も同様の手順で仕上げました。

まあ、こんなもんで。
さて、コバ回りもきれいにしときます。

 

コバインク(黒)

両足ともに塗り込んだら、しばし乾燥です。
その間に、

 

 

靴紐にアイロン

最近のマイブームです。

石鹸でしっかり洗ってすっかり乾燥した紐にスチームアイロンをかける。ええ、平紐です。丸紐にはやりません。

すっきりっ。

コバ回りをしっかりと磨いたら、ソールにもワックスとクリーム入れてメンテ完了です。

 

どうだっ。

う、美しいです。

流石1960sです。

 

【BEFORE】

【AFTER】

時間帯と照明の加減が違い過ぎて比較しようもないね笑。

 

【BEFORE】

【AFTER】

ですが、爪先のキズは当初より目立たなくなりました。まあ、なくなってはいないのですが、なんといいますか、私の靴であることの目印です。

アウトソールもへたりはありません。当面はこのままで。

スリムなショートウイング。

親子穴の「子」のサイズが大変小さいです。
よくもこんなの抜けましたね。ステッチも細やかですし、まさに1960sといった雰囲気で、全体的に大変よろしいのではないでしょうか。

さて、

 

 

②中敷きを自作

革とコルクシートで中敷き自作です。

厚紙にアウトソールの型を取り、一回り小さく切ったら靴の中に入れてサイズ調整を行います。このペア、サイズ表記は9.5Dですが、少し小さめの造りで9.0C~Dくらいの印象です。

あ、ミスった。
土踏まずあたり、くびれが強すぎますね。

目印をつけとこう。コルクシートを切り出す際、目印を手掛かりに少し太らせましょう。

コルクシートは隠れますので向きはどうでも良い。革は裏からペンで線入れして切り出します。左右1枚ずつ必要です。同じ向きで2枚切り出すことのないよう注意です。

切り出したコルクシートと革を貼り合わせます。いつもは両面テープで貼ります。それで十分なのですが、折角ノリを買いましたので、ノリ貼りしときました。

革は5月に奈良のオリエンタルシューズさんのファクトリーセールで購入したハギレの革を使用しました。適度の厚み、の割には柔らかで肌触りも良い。いい感じっぽいです。

黒の革を使おうかとも思ったのですが、アッパーが黒だし、元のソックシートに似た薄茶にしました。まあ、履いたら見えないわけですが、なんというか、こだわりというか、自己満足、ですね。

今回はコルクシートを厚手のものを使いました。

履いてるうちにコルクシートが沈み込んでいきますので、当初は足を入れた際に少しきついくらいがちょうど良いです。今回はまだ一度も足入れ確認してないのですが、まあ、問題ないのではないかな。

もしも窮屈なようであれば薄手の靴下を履こう。緩ければ厚手の靴下で。とりあえず、まずはいつもの、どちらかといえば少し薄手の靴下で履き下ろしてみた。

 

 

③履き下ろし

昨日さっそく履き下してみました。

台風の影響があれば先送り、と思ってましたが、お蔭さまで朝から台風一過の晴天、まさに履き下し日和で、駅のホームには少し柔らかな朝日が差し込んでおります。梅雨どきから真夏の盛りの期間はクルマ通勤な私です。今週から9月、真夏のピークは去ったようなので、この日から電車通勤です。こいつを拾ってきたセカスト東大阪宝持店、車でしかいけないので当面は通えないな。まあ、代わりに他の店を漁りましょう。

羽根の開き加減も好みな感じです。

履き心地については、爪先は若干余裕あり。ロングノーズ気味な靴を履いてるような印象ですが、違和感を感じるほどではない。。そのほかの印象は、中敷きのフィット感はおおむね見立て通りで、幅も甲の高さも想定通りのジャストフィッティングです。まあ、あえて言うならば、朝の時点でジャストということは、数度履いたら少しばかり緩くなるかも。

とりあえず初日、丸一日履いた後の状態を確認です。

玄関にて。

ほんのりと足の跡=フットプリントがついています。この後、回を重ねるごとにコルク部分が沈み込んでくるはず。先を見越して、薄い、1ミリ厚程度のコルクシートを追加しておいても良いのですが、「コルクシートを足すか」「靴下を少し厚手にするか」、どちらで調整するかは、もう何度か履いた後の様子で判断することにしよう。

 

☆★☆

 

あらためて全景。

3穴のVフロントダービー。

米国靴ではあまり多くないスタイルかもしれない。1968年製ということで、vcleat.comさんの1969年のカタログを見てみましたが、残念ながら「20713」は掲載がありません。うーむ、残念。掲載の有無の基準って、何かあるんでしょうかね。モデル名など分かれば嬉しかったんですけどね。

トゥが細身なこいつ。

ジャケパンよりもスーツスタイルの方が収まりがいいかもしれません。ですが、昨年同様にこの秋冬もジャケパンスタイルで臨むつもりですので、気にせず履いていこうと思います。まあ、靴は腐るほどあるので、出番はそうは多くないんですけどね。

いずれにせよ、

今回久しぶりに旧い年代のフローシャイムを手に入れ&手入れしてみての感想は、やはりこの年代のアッパーの革質は素晴らしいですね。このところ米国本格派以外にも相当に手を出しておりましたが、これを機に、少し年代にこだわって「1960s 漁り」に注力してみようかと思った次第です。次の目星もついてます。次もフローシャイムです。

 

やはり旧いフローシャイムはサイコーです。

 

(おしまい)

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