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Florsheim 30779 The Albany のメンテ

こんにちは、ばしです。

 

前々回の記事で紹介した「ALBANY」。

「Flexibles」というラインのフローシャイムで、恐らく1974年製と思しきペア。サイズ表記は9.5Cなのですが嬉しい誤算、意外と小さめで自分で履けそう。であるならば早々に履き下ろしたいとのことで、週末にメンテナンスいたしました。

手順は概ねいつも通り。
2日に亘っての作業です。
まずは土曜日。
いつも通りまずは左足から。

 

 

コバにヤスリがけ

コバがガサガサです。
流石にこのままはやだな。

軽くサンドペーパーかけときましょう。

プロの道具だともっときれいになるのでしょうが、まあ、こんなもんで。やらんよりはマシでしょう。

 

 

LEXOL

ここからはいつもの手順でまずは汚れ落とし。

ワックスも汚れもさほどありませんでした。このくらい旧く乾きがちなアッパーだと、液体のステインリムーバーはグングン吸い込んでしまうので、粘度のあるLEXOLを使うことが多い私です。

 

 

RenoMat リムーバー

強力リームーバーで追加の汚れ落とし。

LEXOLでは落ちない汚れもこいつなら落ちる。ウエスにとって優しく撫でる。力を入れて擦るのは厳禁です。そんなことしなくともか化学反応で落ちる。ということのように感じております。

 

 

デリケートクリームもどき

daisoのヒト用クリームをたっぷり投入。このところSTANDARD PRODUCTSの靴用デリクリを使ってますが、今回はやめといた。理由は、スタプロのは余分なものが入っていそうだから。

それは悪いことではなく、それだけで結構光るのですが、今回はフルメンテしますので、このステップでは純粋に水分&栄養補給のみで良い。まあ、どちらを使おうとも、大創産業さんのお世話になることになるのですが。

結構吸い込みます。1年近く店頭に並んでましたので、見た目の印象以上に乾いてたのかもしれない。

腰裏にもたっぷり。

タン裏含めオールレザーライナーです。内側も万遍なく保湿です。
さて、水分補給の次は、油分です。

 

 

クリストフポーニー・レザーセラム

高級なやつ、投入。

スポイトでぺチャリ。

指で塗り広げる。

ぎとぎと油ギッシュっ。

こんなにオイリーになってしまって大丈夫なのか?! と思われるかもしれませんが心配ご無用。

15分後。右足を同じ手順で作業を行っているうちに左足はすっかり浸透しきっています。

ていうか、浸透し過ぎではないか、と思えるくらいです。なんとなく心許なく思える。よし、こんな時は追いオイルです。

 

 

クリストフポーニー・レザークリーム

これもオイリーなのですが、軟膏のようなペーストなので塗り込んだあと浸み込むまでやや時間が必要です。

まずは左足にしっかりと塗り込む。

この後の工程としては、丸1日放置した後にステインリムーバーで余分なクリームを除去しますので、この時点では気持ち多め、たっぷりと塗り込んでおきます。それが正しい使用方法なのかどうかは知りませんが、今回はそうしてみる。

左足、完了。

次いで右足も。

しっかり塗り込めました。

向かって左、右足の甲の状態があまりよろしくない。ダメージではないのですが、革の質そのものが左のそれよりも劣っているように見えます。多少なりとも改善してくれれば嬉しいな。頑張れ!と、声を掛けて、一晩寝かせる。

 



 

翌日日曜日。

昨日のギトギトはどこへやら。
すっかり落ち着きました。

やはり右足の甲は革質が劣りますね。まあ、やむなし。それもそうなのですが、糸がぴょんぴょんと煩わしいぞ。

ジリジリと炙ったら、メンテ再開です。
やること少しなんで、両足いっぺんい進めます。

 

 

ステインリムーバー

浸透しきらなかった前日のオイルクリームを除去。

良い感じではないかな。
最後にいつものクリーム入れるだけ。

 

 

コロニル1909(ムショク)

おおっ。素晴らしい色艶です。
いい仕事しますね。
ムショク、なんですけどね・・・。

左右ともに爪先が少しばかり色が抜けてますが、旧いビンテージですので、カラーレスのクリームのみにしときましょう。

最後に、ソールとヒールを綺麗にして、コバインクを入れたらメンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おー。いいですね。

 

【BEFORE】

【AFTER】

引き締まりました。

 

 

【BEFORE】

【AFTER】

紐も新品に交換。平紐が好みです。
で、こうして見ますと、結構細身ですね。

アウトソールもしゅっとしてます。

お尻も小ぶりです。
同じサイズ表記でも旧めの年代のものはやや小さめのことが多いです。1970s前半は「旧め」といっていいのかどうか微妙な気がしますが、こいつは表記よりも小さめの造りであることに違いはない。

右の甲は残念ではありますが、

左足。この甲の質感。これがBourbon Windsor Calfの本来の姿のようです。きめ細かなでなかなかに素晴らしい。違いが少しだけわかる、少ししか分からない私でもその良さは理解できます。

見た目の光沢も素晴らしい。

ソールもオリジナルです。
嬉しいです。

 

メンテを終えての感想としましては、

ある晩に履いてみたいなアルバニー

 

そう、ずっとそれが言いたかった💦

さておき、この手の「がち」な米国製ビン靴をリユースショップで拾ってきたのは久々のような気がします。寂しいことではありますが、年を重ねるごとに減っていくのはビンテージの宿命です。なのですが、減ったとはいえまだこんな出会いがあるということも確認できたことは良かった。嬉しいことです。

で、やはり旧いビンテージ靴にはワックスは無しが好みです。ニュートラルのクリームで十分に良さが引き出せます。今後さらに年月を重ねることになりますので、なるたけすっぴんに近しい状態で保持しておくのがいような気がする。こいつを見ていて、あらためてそんな気分になりました。

素敵な出会いに感謝です。

 

(おしまい)

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