Florsheim 31828 Apron Front Derby

こんにちは、ばしです。

 

今回は久々のフローシャイムのペアです。

今年9月にアメリカ村のビンテージショップ・Flag used clothingさんで購入したものです。Flagさんでは8月にブランド不詳のスリッポンを購入したのですが、そのときにお店で見かけて以来気になっていたのでした。で、我慢できなくなって、翌月に再度足を運んで無事購入した次第です。先日ようやく履き下しましたので、今回はそいつのご紹介。

 

 

Florsheim 31828

エプロンフロントダービー。要はUチップであります。まさにアメリカン・ビンテージといった顔つきです。

青窓のレギュラーライン。ソックシートもライナーもグッドコンディションです。

下の写真の通り、ライナーの印字もやや擦れ気味もしっかりと判読できます。

サイズは【8 1/2E】
旧いビンテージは表記よりやや小さめサイズなことが多い。加えて、この手のエプロンフロントは爪先がやや細身なこともあり、許容範囲なのではないかと。

品番は【31828】
レギュラーラインのペアです。モデル名など分かればと、Vcleat.comさんブログ掲載の当時のカタログを参照しましたが、残念ながら当該品番の掲載はなし。

アルファベット2文字は【JH】
製造年月の手掛かりです。Jが製造月をHが西暦年の下一桁を表す。今回は【19X7年10月製】ということになる。

 

「X」に入る数字は何か。手掛かりはこれ。

釘穴ありのトップリフトです。この仕様は概ね1960s製であることを意味します。よって、今回のこのペアは【1967年10月製】ということになります。私より2歳年上です。

ソックシートにも「UNION MADE」の文字。

旧い個体としては状態はかなり良い。

キズやクラックもない。

ソールも綺麗だしヒールの削れも僅か。

タン裏のフエルトの状態も良く、
履き口にダメージもない。

インペリアルではないし、「Laurel ローレル」みたいにメジャーなモデルでもないですが、この状態の1960s のペアがアンダー1万円。

おそらくビン靴専門店やネットショップなんかよりも安い。「靴以外がメインのビンテージショップ」で、同店のオーナーがビン靴好きで趣味的に扱われているからこそなんだと思います。1960s漁りを強化中の私としましては嬉しい限りですが、良いんですかねこんなお買い得価格で。そういえば9月以降Flagさんに足を運んでません。インスタ情報では内藤オーナーが先日アメリカ仕入から帰って来られたとのことなので、また物色しに行かねばなりません。

で、冒頭の通り買ったのは9月上旬。残暑、とは名ばかりでまだまだ夏本番の暑さ厳しい折でありました。

どのような恰好で履くか。

ノーネクタイにシャツ1枚で足元がこのペア、というのは頂けません。もっと涼しくなってから、ネクタイ締めてジャケパンスタイルになったら履き下そうと決めておりました。なので、購入後履き下すまでタイムラグが発生した、との経緯です。ようやく11月になり、かなり涼しくなってきて、そろそろタイムハズカム、ということでメンテいたしました。

いつも通りまずは左足から。

 

 

LEXOL

状態はそもそも良い。ワックスが塗られている印象もなし。ということで、LEXOLでさくっと汚れ落とし。

アッパーは予想通りワックスもクリームもほぼなし。

コバ周りも入念に汚れ落としといた。
次のステップ。

 

 

デリケートクリームもどき

いつもの百均のヒト用クリームで水分&栄養補給です。

だいぶ色が濃くなりました。
次に油分補給。

 

 

クリストフポーニー・レザークリーム

クリームという名のオイル。メンタムの香りのするやつを直接指にとり塗り込んでいく。

艶感がだいぶ戻ってきました。

右足も同じ手順で。

触るとべちゃべちゃくっつきます。翌日まで時間をかけて浸透させます。

 

 



 

 

翌日11月17日(日)の朝9時過ぎ。

朝日が眩しい八尾自宅の玄関にて。

傷みが軽微な箇所ほどオイルが浸透しきらない。曲げ伸ばしのないトゥは革の傷みが他よりも少ない。理屈通りの状態です。

さて、さくっと仕上げます。

余分なクリームをLEXOLで除去しました。

必要な分はすでにしっかり浸透済です。
次に最後の工程。とその前に。

乾燥してスカスカした手触りの紐にコロニル塗り込みました。お陰で色が少し濃くなって艶も出たような。アッパー全体にもコロニル塗って、紐を通してメンテ完了です。

 

どんっ。

おお、すっきりしました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、色むらもなくなり、シェイプもかなり整いました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

サイドビュー。ソールもすっきりです。
ええ、底は、もとい、そこは抜かりはない。

爪先に埋まった小石を除去して、

あ、見えませんが、右のツールで底もきれいに塗り込みました。

この光り具合、どうだっ。

ハイシャインはスキル不足な私ですが、代わりにソールはキスできるくらい磨くのが好みです。まあね、履けば見えないんですけどね。ですが、ビンテージに対する私なりの敬意の表れ、と、受け止めておくれ。

で、もう一つの敬意の表れ、それは、履くことであります。

 

 

3日前の火曜日に履き下ろしました。

サイズ感はやや余裕あり。

爪先は良い感じです。踵と甲周りに若干の余裕があります。幅広、というよりは甲が高めの造りのようで、ご覧の通り羽根がかなり閉じます。好みです。ですが、丸1日履いた夕方時点でもゆとりがありましたので、このままでも悪くないのですが、薄手の中敷きを入れても良いかもしれない。近々自作しよう。

で、アッパー同様にコロニルを入れた旧い紐ですが、朝玄関で足を入れ、結ぼうと締めあげたら「ぶちっ!」とあっけなく切れた。なもんで、新品の55センチの平紐に交換しました。ああ、出かける直前で良かった。これでもう準備万端であります。

 

で、決めておりました。
1960sの足元、であるならば、

ジャケットもどうせなら同世代でどうだ!

前回記事のユニオンチケット付きのこのジャケットに合わせることにした次第です。

どちらもこの日が我が家での初登板。

1967年製の靴。
1963年製のジャケット。
1969年製の私。

靴とジャケットと私全て1960sのVINTAGEです。
あ、私はビンテージというには少し早いはず。

 

 

懐古趣味・主義、ということではなく、
見た目もクオリティも素晴らしい、
だからますますやめられない。

これまで様々脱線もしてきましたが、そろそろ原点回帰も悪くない。そんな風に思い始めた今年の夏。それからというもの、1960sへの熱は冷めるどころかますます高まってきております。来年はこれまで以上にこだわってみたいな、と。

 

そんな2024年の12月なのでした。

 

(おしまい)

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