こんにちは、ばしです。
4月前半に古いフローシャイムをメルカリで拾いました。
4月後半からGWにかけてがっつりメンテの予定でしたが、5日連続のブログ記事の執筆に時間を費やし、こんを詰めすぎた反動でGW中は靴のメンテもほとんどせずじまい。
そんなこんなで1ヵ月以上放置してしまっておりましたが、ようやく、履きおろしに向けてメンテ開始です。
こいつ。
FLORSHEIM 6131
SIZE:10A
品番:6131
製造年月:H8=1958年8月製
このところフローシャイムのペアとはご無沙汰だったところ、古くてボロくて安いのを発見しまして、ソッコーゲットしました。
中敷きは片方が取れてしまっていてありません。
紛失していない右足。
ロゴも結構はっきり残っている青窓のレギュラーラインです。
左足。「42」。その下には内側の印字と同じ「437584」。
読みづらいですが、中央には「UNION MADE」の刻印です。
古いですが、内側のダメージはそれほどでもありません。内側は、ね。
アッパー、こんなです。
どーん。ぼろいです。
出品者さんもビン靴フリークな方で、曰く、
「アッパーに傷とクラックと剥がれがあります」
「このままだとクラック等はますます進行しそう」
「やすりがけしてカジュアル履きがおすすめ」
「硬化なし減りも僅かな網目ヒールの交換用にも使えます」
「ジャンク品として安く出品してます」
とのこと。届いたら、写真どおり、記載通り、想像通りの状態でした笑。
ハナから、「がっつりやすりがけして」、とのつもりでしたが、とはいえ結構手間暇かかります。このまま、騙しだましで履けないかな。
ということで、まずはいつも通りにメンテです。
まずは左から。
ステインリムーバーで汚れ落とし
たしかに、アッパーは分厚く柔らかいです。トゥも傷はありますが、古いし、まあこんなもんでしょう。なんて思っていたら・・・。
内側。ずるっ、と、剥がれました。
はは、きれいに剥がれるもんですね。
外側もこんな感じ。
びっくりしたものの想定内です。とりあえずこのまま進みましょう。
LEXOL
剥がれた部分はサイド部分なので上からだと分かりません。
デリケートクリームもどき
トゥ。デコボコしてますが、これだけで結構光ります。
次いで、
TAPIR レダーオイル
マットな感じになりました。だけでなく、、
落ち切っていなかった汚れが落ちた、のではなく、さらに剥がれました!
わお、タピール、流石に威力強力ですね。
ついで、最後のステップ。
コロニル1909で仕上げ
うん、良い感じです。アッパーぼろいのが悲しいところですが、まあ、還暦超えてますし、状態は個体差があるのは仕方ありません。
とりあえず、右も同様にメンテです。
ビフォーアフター。
【BEFORE】
【AFTER】
レザーソールはへたりなし。ヒールの削れも僅か。網目模様のヒールトップは1950s-60s前半の仕様です。
【BEFORE】
【AFTER】
うん、いい艶感です。
アップだとこんな感じ。
わお、右の内側もすごいです。大きく剥がれました。トゥの剥がれはもともとです。黒のクリームが塗り込まれているんでしょうね。
ということで、今回剥がれたところもにも黒のクリーム入れてみましょう。
目立たなくはなりましたが、、、笑。
履き口の下部を走る切り返しのライン。
独特です。初めて見る意匠です。
バックシャン。
踵に傷はありますが、それほどひどくもなく、そもそもあまり目立ちません。
再度、サイドビュー。
いや、やっぱり目立つな笑。
強烈なスカーフェイスです。
独特なトゥの切り返し。
傷の少ない左のトゥは、それなりに良い感じに光ってます。
こうしてみますと、切り返し部分はさておき、歩行時に皺の入る部分に剥がれが発生しています。恐らく、この部分にまでワックスを厚く入れて履かれていた期間があったんでしょうかね。
やはり、ここまで酷いとどうしようもありません。クラックや剥がれがない部分も、お世辞にもいい状態とは言えません。
ということで、一旦アッパーを全て剥がして塗りなおしです。
以前、同じくフローシャイムの古いぼろいペアに同様の措置を施したことがあります。
(参考記事:「おんぼろフローシャイムをパティーヌ」)
写真のアングルがバラバラですが、こんな感じでした。
元の状態がこれ。
この傷だらけのこいつが、
剥がしたら下のようになり、
こうなって、
さらに、
こうなって、
最終的な仕上がりが下の写真。
割と見れるようになりました。
ということで、今週末、土日、2日がかりでメンテ予定です。
大阪は緊急事態宣言解除されましたが、今週末はまだ少し大人しとこう。
この茶色と同じように、今回のペアもつるんと光る、似たような感じに蘇ってくれたら嬉しいな。
次週に続く。