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初夏に履くフローシャイム

こんにちは、ばしです。

 

春ですね。

春と言えば夏です。
夏と言えば素足です。
素足と言えばローファーです。

 

まあね、春とはいえまだまだ寒い。暖かくなったと思えば寒さがぶり返したり。まだまだ手放しで「春全開」という訳にはいきません。ですが、4月になり桜が満開になりますと気持ちは前のめり、ついつい季節を先取りしたくなってしまう。

間もなく訪れる初夏から初秋にかけて、休日の足元は素足にローファーのことが多い私。ここ数年ずっとそんなです。そのことには何の不満もないのですが、たまにはカジュアル過ぎないサンダルもいいな。

他人様の足元を見ていてそんなことを思い始めたのが去年の夏のこと。よし、次のシーズンはそんなやつを仲間に迎え入れようと画策していたのでした。

 

ですが、「古ぃ靴フリーク」の足元です。

どんなサンダルでもいいわけではない。とはいえ、サンダルで拘るとして、いったい何に拘ればいいのか。「サンダル」で検索したらわんさかとヒットはするのですが、なかなか私の心の琴線に触れるものが見つからない。

大体、サンダルサンダルし過ぎていてカジュアル過ぎるものが多い。まあね、サンダルなんで当たり前なのですが五十過ぎのオッサンの足元です。多少のドレス感も欲しいし見た目に安っぽ過ぎるのも困る。で、唯一「これいいな」と思ったパラブーツのペアはかなりお高い。

うーむ、サンダルにその額はちょっとネエ。
ビン靴のかなり良いのが買えちゃいますヨ。

 

ビン靴好きな私に相応しいサンダルが欲しい。
尚且つ、春夏秋の休日にしか履かないペアです。
できるだけ財布にも優しい方が嬉しい。

そんな私の我儘を受け入れてくれたのは、結局此処のユーズドなのでした。

 

 

 

フローシャイムのサンダル

フローシャイムです。嬉しい。文句は一切ありません。品代20ドル送料38ドル計58ドルと価格もこなれておりました。あれれ?送料高過ぎじゃね? あ、文句言っちゃった。

で、ちゃんとサンダルですがカジュアル過ぎない。「グルカサンダル」と「ドレスシューズ」の間くらいのカジュアル感かなと。

フローシャイムのサンダル。
実はもう1足候補があったのでした。

ほんとは、こっちが欲しかった(ebayの出品情報へのリンク)。

茶色ではなく黒。で、できればこっちのスタイル。ですが、残念ながらこの黒はサイズが10と私にはでかかった。こいつのマイサイズがあればそれが欲しいとかれこれ3ヵ月ほど探したのですが、残念ながら全然出て来ない。そうこうしているうちに3月も半ばです。初夏ももうすぐそこまで来ています。

 

迫る~♪ 初夏~♬

そんなメロディに載せられてぽちっと行かせて頂きました。

まずはディテールのご紹介から。

 

アッパー。

ぽちぽちと窓穴が空いております。茶のトンネルスリッポン。茶のアッパーだとバックルは金色のことが多いですがこいつは銀。銀の方が好みです。

サイドビュー。

所謂サンダルほどには隙間は空いてはいない。ソールとの境目はぐるりと囲われています。いつもの要領でサイズ調整用の中敷き入れてもこれだと見えないのでグッドです。まあ、入れずに済むのが一番なのですが。

で、出し縫い糸みたいなステッチがあります。

ステッチは土踏まずあたりまで。そこから踵にかけては成型されたイミテーションです。この糸も飾りでしょうね、きっと。で、先ほどのシルバーのバックルですが、

ガーン😨
ゴムが伸びきってる上にボロボロで今にも千切れそうです。修理しないといけません。まあ、だから安かったのかな。

ソール。

ラバーソールですが、ドレスシューズライクな形状です。で、あれれ?裏にも出し縫い糸っぽいのが見えます。これって実用?イミテーション? まあどっちでもいいんですけどね。

で、見た目かっちりした風ですが、サンダルのソールゆえか結構柔らかくて見た目以上にラクチンそうです。

中央には「FLORSHEIM」の文字。
その下に「SOLE MADE IN ITALY by 波波」。「波波」部分のアルファベット2文字は「JS」でしょうか?イタリアのゴムやソールメーカーのロゴですかね。調べてみましたが分かりませんでした。

 

ソックシート。

布のタグです。割と最近の、インドとかブラジルといったUSメイドでないやつでたまに見かけるやつです。

内側の印字。

サイズは8M。ウイズ「M」=Mediumです。蛇足ですが「N」ならNarrow、「W」ならWideです。品番は30178。製造は先ほどのソール同様にイタリア。

で、その横には「BJ」の2文字。

おお、嬉しいことにこんな新しい年代のサンダルにまでアルファベット2文字の記載がちゃんとがあります。「BJ」の「B」は製造月が2月であることを、「J」は製造年の一桁目が「9」であることを表しています。

1989年2月製? そこまで古くないかな。
1999年2月製? うーん、古くてもせいぜいそのくらい。
2009年2月製? 21世紀のフローシャイムの仕様が良く分からない。

 

ビンテージのフローシャイムの年代判別方法はかなり確立しているものの、旧い年代のものに関するものが多いです。「ビンテージ靴」との範疇で見かけるフローシャイムのペアは、その年代は新しいものでも1990s頃、製造がインドとしシフトした直後くらいまでです。

それ以降の、このくらいの年代の新しいものの年代判別方法は調べてもよくわかりません。このタグのこいつは何年製なのでしょう? 米国ビンテージ靴の雄、とはいえ、今も継続しているメーカーです。近所の量販店でも今のフローシャイムのペアを見かけたことがありますし、AMAZONなんかでも今のフローシャイムは売ってます。どれも昔の面影の欠片もないものばかりで、皆あまり興味がないのでしょう。

 

 

まあ、今回はビンテージであることを求めてはおりません。
唯一のこだわりは、ほかのどのメイカーでもなく「フローシャイム」のペアであること。ビン靴好きのオッサンの足元に納まるサンダルとしては悪くない選択かな、と。

 

さて、そんなこんなで、
ウエルカムフローシャイムのサンダル!
儀式です。いつも通りまずは左から。

 

 

ステインリムーバー

ワックスの類は皆無。

コバ周りのホコリが酷い。

 

LEXOL

いつもの手順。

コバ周りを歯ブラシで掻き出す。

 

デリケートクリームもどき

おお、だいぶ色が濃くなりました。濃いほうが素敵かも。

 

リッチモイスチャー

いつもの手順。

 

TAPIR レダーオイル

ボトルが一緒に写ってませんが、いつものオイル入れました。

さて、仕上げです。

 

コロニル1909(濃茶)

いつもはニュートラル(無色)ですが、色目が濃いほうが良さそうな気がして補色の意味も兼ねて入れてみました。

おお、いい感じです。ですが、出し縫い糸の色目が薄いままです。

糸も濃茶を塗り込みました。

おー、引き締まってきました。いい感じです。

右も同じ手順で仕上げてメンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おー、男前になりました。

 

【BEFORE】

【途中経過】

【AFTER】

おおー!
好みです!
カジュアルだけどカジュアル過ぎません。
かといって堅過ぎもしない。
グッドです!

よし、とりあえず足を入れてみよう。

靴下履いてもいいんでしょうが、春夏に素足で履く前提で買いました。
素足でUS8はほんの少し大きいかな。

ストラップを一番きつく締めても締めたままで着脱できるほどに緩い。けどまあ、ゴムが伸びてるせいでそう感じるのかも。中敷き追加するか否かは、BONTAさんに修理してもらってから決めよう。

 

さて、こいつの製造年。

1999年2月製でも2009年2月製でも、どちらでも構わないなんて言いましたけど、どうせであれば確定はさせておきたいな。そうでないとなんだか魚の小骨が喉に刺さったみたいで気持ち悪い。どちらなのか、おいおい調べましょう。もしくは、もしお判りの方おられましたらコメント欄よりご一報いただけますと幸いです。小骨、抜いてやってください。

 

最後に、あらためて全景。

 

うん、いい顔です。

Tシャツでも紺ブレでも、仕事以外のスタイルならどんなでも嵌りそうです。当初は別の黒いほうを探してましたが、メンテしてるうちにすっかり見慣れてきて、愛着も沸き始めてきました。これはこれでよかったように思えます。

ただ、色目は黒がいいな。
飽きたら塗り替えよう。
仮面ライダーもそう詠んでいます。

 

迫る初夏 我らを狙う 黒い影

 

ほうら、ね、やっぱり黒が似合いそうです。

 

(おしまい)

 

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