こんにちは、ばしです。
先週、1足買いました。
注文していたペアが海外から届いた、というのではなく。
積極的、かつ、刹那的でした。
今月はもう買わないつもり、だったのですが、出会いとはそういうものでしょう。
初めてのお店で、新しい古いやつ。
Florsheim Faux Alligator U-tip
アリゲーターのフローシャイムは以前海外から取り寄せたペアを持ってました。サイズ表記のないやつで、届いて足を入れてみたらでかすぎたリアルアリゲーター。マイサイズなら手放さなかったやつです。
(参考記事:「2匹目のワニ」)
私と同じ八尾在住のビンテージ靴フリーク・M氏の手元にわたったのが先月のこと。で、嬉しいものの、うーん、なんか寂しい。と思っていたら、こいつに出くわしました。
事前情報では今回のペアも印字が消えて読めない。足入れた感じでは8.5D相当、とのことでしたが、確認しましたところ、うっすらと読めました。
サイズは9D、のようです。品番は、「2・・・・」でしょうか? アルファベットも含め、他は、、、、読みたいけど読めない。まあ、しゃーないね。
青窓のレギュラーライン。ロゴも綺麗に残ってます。
革のソックシートの下、スポンジの端がU字になっています。これは1960年代半ばまでの仕様です。
見えづらいですが、”UNION MADE”。その下に”PRO-FLEX”。数字は③。
トップリフトは網ヒール。これも概ね1960sの仕様です。減りも僅かです。う、嬉しい。
このお店、ミリタリーやアクセサリーのビンテージで有名だそうです。靴は、非常に良心的価格。良心的過ぎてびっくり。
ビン靴で面白いショップがありますよ、と、オッドメントストアの谷口オーナーに教えてもらったのが1ヵ月ほど前。ありがとうございます。面白いペアをゲットさせて頂きました。どこのなんてお店か、は、内緒です。谷口さんともそう約束したし、私も競争相手増えたら困るので笑。
今年は買い控える私。
例外は、安いコードバン、1960以前、レアなビンテージ、など。今回はレアな1960以前。で、きわめて良心的価格。紹介してもらった店での最初のペアです。買った当日夕方、このペアを携えて、報告を兼ねてオッドメントさんに立ち寄りました。はは、ほかの店で買った靴を見せに行くなんて、俺って失礼なやつかも。と思ったら、
「おお!それ! ばしさんにちょうど良さそうと眺めたんですよ!」
とのこと。おお谷口さん、なんて人のいい、もとい、いい人なんでしょう笑。
いやあ、嬉しいですね。そんな風に言って頂けたら、そんな気にもなります。
そう、きっとこいつは私の足元におさまる運命だったのでしょう。
買ったもののまだメンテしてない奴があるのですが、後回しです。
こいつ、早速メンテです。いつも通り、まずは左から。
ステインリムーバー
古いペアですが、状態はそんな悪くありません。
ところどころ、ひび割れ、革の地が見えます。あ、ちなみにこいつ、リアルなワニではありません。型押しです。あ、言わなくてもわかりますね。
リッチデリケートクリーム
いつもならLEXOLなんですが、ちょうど先週で切らしてしまいました。まあ、そんなこともあるよね。
「足元を見る」という言葉は、靴を見て「どの程度リッチなのか」=「どのくらいチップをはずんでもらえる可能性があるか」を見極めるホテルマンの知恵から来ているらしい。はは、アメリカらしい。
が、しかしまあこの手の靴に関しては、リアルか型押しか、なんて、日本では今時ホテルのドアマンでも見分けつかないんじゃないですかね。そもそも滅多に見ないでしょう。
よほどの靴好きか、エキゾチックレザー好きか、自己顕示欲の強いオッサンくらいしか履かないんではないかなあと。ま、私は履くんですけどね。
TAPIR LEDER OIL
保革&油分補給。オイル系は、ほんとは塗布後に1日くらい時間をおいて浸透を待った方がいいらしいです。
ま、せっかちな私ですが、そのうち一度くらいはそうしてみようかね。
SAPHIR クレム
ひび割れて地の色が見えてる部分を中心に、歯ブラシで黒を塗り込んでみました。
こんな感じで、ワシャワシャと塗り込む。
おお、黒くなりました。当たり前か。
コロニル1909
仕上げ。いつものルーチンです。
リアルか、型押しか。私にはどっちでもいい感じです。
右も同様に仕上げました。
うん、まずまずでないでしょうか。
レザーソールにソールトニック投入。見ての通り、爪先にスチールが乗っかってます。ソールはこの後、ムショクのパレードグロス入れて磨きます。
爪先。傷、というほどではありませんが、引っ掻いた跡がついてます。折角なんで、ワックスも入れましょう。サフィールのビーズポリッシュ(クロ)を3度、その上に、同じくサフィールのミラーグロスを2度入れてみました。
こんな感じに。
はは、
光ってる分、ひっかき傷が余計に目立つかも笑。まあ、爪先は綺麗に光ってる方がいいですね。
全体像、ビフォーアフター。
【BEFORE】
【AFTER】
お、いい感じになりました。
【BEFORE】
【AFTER】
底もピカピカです。
で、見ての通り、こいつ、なかなか唯一無二なスタイルです。
トゥの切り返し。大きな口みたい。なかなかに独特で潔い。見た目はワニというよりは、オオサンショウウオ、みたいかな。
踵も同様に、切り替えが潔い。丁寧に仕上げられています。
スムーズレザーの肌理は細かいです。1960sぽい艶感かなあ、と。
ひび割れ部分も目立たなくなりました。リアルな奴と型押しと、どんな風に見分けるんですかね。リアルなやつが1足あります。並べてみました。
Alligator McHale。カナダ製です。で、こいつも1960s。
で、どちらも「スプリットトゥ」=「U-tip」です。
手放したやつもU-tipでした。
リアルなやつは細かな皺などがやっぱり「型押し」とは違いますね。
はは、当たり前か。
しかし、3足ともU-tipです。たまたま、なのでしょうか?
当時の流行り? 何かそれ以外に、この形が適するといったワニ革ゆえの理由などがあるのでしょうか?
だとしても、こいつは型押しだし、なんでもできると思うんですけどね。まあ、そのあたりのことはおいおい調べてみましょう。
さて、こいつ、仕事では履けません。
最初からわかっとる。休日用です。
デニムなんかに気楽に履けるかな、と思うのですが、どうですかね。
履いてみました。
余談ですが、シャツはMUJIのネルシャツです。常に複数枚あります。ぼろくなったら靴磨き用。で、買い足す。なもんで、夏以外は、休日は8割方ネルシャツ着てます笑。で、このペア、9Dだけど、サイズ感は8.5Dです。お店のオーナーの見立て通り、古いペアにありがちな感じでやや小さめ。
仕事モードでは中敷きが必要ですが、休日の少し厚手のソックスですとちょうど良い感じです。
うーん、靴がまた1足増えました。
まあ、サイズもいい感じです。
何より、オッサン向けな顔です。
俺が履かねば誰が履く。
よしとしときましょう。