こんにちは、ばしです。
先週の土曜日。
3月にアメリカから届いた1足をようやくメンテしました。
こいつ。
Florsheim Penfield
内羽根のパンチドキャップトゥ。
端正な顔立ちにどことなく漂うビンテージな雰囲気。
理由はこの7アイレット。
フローシャイムの「隠れた銘品」とも言われるPENFIELDです。インペリアルではなくブルーレーベル(=レギュラーライン)のペアであるペンフィールド。これまで流通していたモノの中には網目模様のトップリフトの個体もあるようなので、1960年前後から続いた息の長いスタイルと言えるかと思います。
さて、フローシャイムと言えば年代判別です。
今回のペア、
トップリフトは釘穴なし。1970s以降、ですね。
タン裏はフエルト。ですが、少しグレーがかった色目です。
ライナーは爪先側がファブリックで踵側がレザーライナー。
ソックシートのロゴはかなり擦れてますが、かろうじてフローシャイムのそれと判別できます。
品番は「20308」。
アルファベットは「JD」。
1973年10月製か、1983年10月製か。
1980sのレギュラーラインは黒地のライナーに白の印字のモノが多いような。なもんで、黒い印字の今回のペアは「1973年製」かと思ったのですが、品番の横に「FLEXIBLE FIBER INSOLE」の文字。これは1970s後半以降に見られるものだそう。
ということで、今回のペアは1983年10月製。ちょうど40年前の品です。まあ、1973でも1983でも、どっちでも構わないんですけどね。
なんせ、以前持ってたアレンの7アイレット「BOULEBARD」を売っ払って久しく、次の7穴はペンフィールドと決めていたのでした。
ウエルカム!
そんなやつ!
てなことで、儀式です。
いつも通り、まずは左足から。
ステインリムーバー
べったりではなかったものの、ワックスがそれなりに。
なかなかに手間かかりましたが、だいぶ落ちたと思われます。
LEXOL
コバ周り。ほか。
汚れ(ワックス)落としはこれにて。
リッチデリケートクリーム
乾きはそれほどでもないように思えたのですが、塗っても塗っても吸い込んでいきました。指で直接とって、4回くらい塗り込みました。
これだけでも結構光ります。
1980sの割にはアッパーの質はなかなかか、との感想です。
TAPIR レダーオイル
油分補給&保革。
黒さが少し増したような。
さて、オイルいれましたので気持ちばかりですが、時間をおいて浸透させましょう。その間は、
いつも通りソールの手入れ。
ソールトニック&トラディショナルワックス&コロニル1909。
底もピカピカ光らせたい私です。
さて、仕上げ。
コロニル1909(ムショク)
おお、良い感じです。
幸いなことにキャップトゥにも目立つ傷等はなし。
まずまずの状態のペアかと。
さて、同じ手順で右も仕上げましょう。
と、その前に。
左足もそうだったのですが、この紐の通し方。海外から取り寄せたペアにたまにこんな風に紐を通してペアを見かけます。なんていう通し方?斜めには進まず、アミダくじみたいにラダーに通されてます。どんな特徴なりメリットなりがあるのでしょうか。そのうち調べてみよう。
そんなこんなで、メンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
もとから状態も良かったこともあり、見た目の変化はあまりありません。ですが、あらためて、
ワックスなんてなくてもいいやん。
なんて思ってしまうビン靴のアッパーです。
1980sのレギュラーラインとは思えないな。
ソールも綺麗になりました。
7穴なんだけど、そんな風には感じられない。
バランスが良い、ということですかね。
羽根周りはダブルステッチ&トリプルステッチ。
履き口はダブルステッチ。
丁寧に縫われてます。
踵はドッグテール。
幸いにもこの付近にもダメージ等はなし。
ラッキーです。
この角度。
7アイレットであることを強く感じるアングルですが、まあ、他人様がこの視点からこの靴を眺めることはまずありえません。
なもんで、「7穴であること」とは周囲に強調すべきことがらというよりはむしろ「自分で密かに楽しむもの」、なのかもしれない。いや、まあね、できればそれとなく気付いてもらいたいんですけどね汗。
アッパーは柔らかな印象で、甲を覆う7穴はなんとなく独特な感じがします。今年は海外からの買い物でサイズミスが多かったのでほんの少し心配してましたが、幸いにもサイズはヴェリーグッドな感じです。
まあ、今回はマイサイズの8Dですので、もしこれで足に合わなけりゃもう何を信じていいか分からなくなるってもんです。
3月下旬から4月前半にかけて、3週にわたる「キャップトゥWEEKS」の最終日をこいつで、とも思っていたのですが、まあ、そんな焦ってもしょうがない。それに、金曜日はだいたいいつもジャケパンなのです。
このスタイルですのでやはりスーツが似合いますよね。
今週の大阪は少し涼しそうだし、天候も不順そうです。
こいつは5月になってから、晴天の日に履き下ろそう。
楽しみが増えました。
(おしまい)