こんにちは、ばしです。
今回はシューツリーの話です。
型崩れなどを防ぎ、革靴を長持ちさせる上で必須のアイテムであるシューツリー。今から三十五年前、二十歳のときに初めて買ったシューツリーは今も現役で活躍中です。シューツリー自体も長持ちします。まあ、単なる木ですしね。
参考記事:絶対持つべきもの、シュートゥリー
ところで、
シューツリーの正しい使い方とかってあるのですかね? 私の場合は我流ですが、履いたあと丸1日ほどシューツリーを入れた状態で玄関に放置して、その後、外した上で靴箱もしくはシュークロークにて保管、との流れです。
若い頃に読んだ雑誌に「ツリーの材質によっては入れっぱなしにしておくと必要以上にアッパーの油分等を吸ってしまって靴に良くない云々」ということでありましたので、長年そのような運用としております。
ただ、実際にはツリー付きで購入したものは常に突っ込んだまま、というのもある。だからといって不具合はないようです。かといって、1日だけ入れたあとすぐ外して保管しているものはどうかというと、これもまた不具合はない。
また、「フローシャイムのペアにはフローシャイムのツリーを入れておきたい」なんていう幼い考えにより終始突っ込んだままのモノもあったりで、まあ、あまり堅く考える必要はないかと思ってます。
なので、シューツリーの数は靴の数と同じだけ必要ではありません。なのですが、靴によっては合う・合わないがありますので、形状や大きさのバリエーションがあった方がベターではある。
米国やカナダのビンテージなのがあったりしますが、私と息子と二人で普段使いしているのが写真のこいつら。あ、いや、厳密には右の4つ。一番左は今回新たにゲットしたやつです。
今回の主役がこいつ。
表面に光沢。ニスか何か、塗料が塗られていているようです。先端の塊と後ろ側はねじ式でつながていて、くるくる回すことで長さを調整でできます。
かなり伸びます。メンズサイズとレディスサイズ、どちらでも行けそうなくらい伸縮可能です。
この状態になるよう靴の中に突っ込んだら、
踵付近のレバーみたいな形状のやつを倒す。
実践してみましょう。
先端から靴にINして、
踵まで装着したら、
倒す。
むふん。
いいですね。
なんか儀式のような、「氣」が入るような。
古風で古式にも思えるこの手順、なかなかに気に入ってます。
お、なんか文字が書いてあります。
GILCO、とあります。ギルコ?ジルコ?
調べてみたところ「ギルコ」と呼ぶらしい。
ちなみに、
今回で2セット目です笑。
1セット目はこの「madras EXTRA」にセットでついておりました。
オリジナルのシューツリーかと思っていたのですがどうやら違ったみたいで、
全く同じのをメルカリで見つけて思わずぽちったのでした。
あらためて調べてみましたところ、
Gilco ギルコ
なんでもこのシューツリーは「秋田ブラシ木工株式会社(埼玉県入間市)」さんが1992年頃までのおおよそ30年間製造されていたものだそうです。オリジナルの「Gilco」のほかに、シェトランドフォックスやガルジョンマー(リーガル製ジョンマー)付属のシューツリーもOEM供給されていたらしい。詳しくは以下のブログ記事を参照させて頂きました。大変大変詳しく興味深い内容です。詳細はぜひそちらをコメント欄含め参照ください(勝手に引用させて頂きますお許しを)。
「ギルコ・シューキーパー」byカバ男のブログ
「ミズノとギルコ」byをかしの庭
1992年頃までということは、ちょうどバブル経済崩壊と同タイミングで製造が中止された、ということですね。凝った精緻なつくりですのでお安くはなかったであろうと思われます。服も靴も、そしてシューツリーも、1980s-90s初頭までのメイドインジャパンの品はやはり品質において素晴らしい、ということみたいですね。
今回のものはおおよそ30年以上前。ちょうど私が初めてシューツリーを買った頃と時代は被るのかもしれないな。日本製のシューツリーにこのような素晴らしいものがあると知れて嬉しいです。
(左:madras EXTRA 、右:Adult madras)
ビンテージをビンテージに。
日本製のシューツリーを日本製の靴に。
どちらもmadrasのペアにINしておくことにします。
3つ目が欲しい。
(おしまい)