こんにちは、ばしです。
5月ももうすぐ終わります。
今月は「売り」も「買い」も、どちらも大変静かです。マーケットがあまり動いてくれていなさそうな気がします。まあ、気の所為かもしれないし、控えめとはいえ6月に到着予定のが前倒しで届いたりはしてるのですが、そもそも古靴漁りに意欲的になれない。
なんといいますか、ある程度充足してるんでしょうね。GWに靴棚等を整理した際、家内から「130足に増えてるよ」と指摘されたわけですが(過去記事)、そりゃまあね、それだけあったら「あれも欲しいこれも欲しい」、とはならんわな。
愛でて楽しむというよりは「履いて楽しむ」「メンテを楽しむ」というのが私のスタイルですので、ストックばかり増えてもしょうがない。そろそろ一度、一軍のやつ以外は転がすことを検討してもいいのかもしれないな。
まあね、「売らなきゃよかった」と後悔することになるかもしれないけれども、そうしたら新たな意欲や情熱が湧いてくるのかもしれない。兎にも角にも、動きがないのはよくないです。水も流れなければ腐ります。
よし。ならば自ら波風を立てよう。
てなことで、出品をそろそろ頑張ろうと思います。6月からは本格的な出品ラッシュとすべく、どいつを転がすか吟味中なのですが、色々片付けてたら箪笥の奥の方から見慣れぬ奴が一足出てきました。あ、そういえばこんなの買ったなあ。メンテして転がさねば。
こいつ。
WASHINGTON PRESIDENTIAL
銀座ワシントンのペアです。
そういえば年の瀬の押し迫った昨年末に転がす専用にと拾ってきていたのでした。なぜ転がす専用なのかといいますと、
サイズが、ね。表記では「23.5」。まあ、そこまで小さくはないでしょうが、24センチ相当の方向けのサイズ感です。私には小さくて履けない。
踵履き口に糸が出てます。
あとでちょん切りましょう。
で、ブラインドブローグです。
探してもなかなかないやつです。
ソールもヒドゥンチャネルです。高級な仕立てです。
リペアされた風に見えますが、実際のところどうなのかは分からない。ハナからこの意匠のようにも思えます。もしこれがリペア痕であるなら、超絶綺麗なヒドゥンのリペアであります。
ま、いずれにせよ、欲しい人、いるかも。てなことで拾ってきたのでありました。そろそろ半年経ちます。いい加減に手を入れて、転がして、誰かに足を入れてもらいましょう。
ステインリムーバー
いやもう、ね。べったりです。
かなり時間をかけましたが、拭いても拭いてもウエスが赤く染まっていく。どんだけワックス入れとるねん。よし、ここは強烈なやつを投入しよう。
RenoMat リムーバー
強力リムーバーを投入しました。
だいぶ落ちました。
これまでも何度も書いてますが、レノマットは強力過ぎるので強くこするのはNGです。下手するとアッパーの地色まで除去されてしまいます。化学的に作用して余分なワックス等を除去してくれるようですので、たっぷり取って軽く撫でる、もしくはポンポン叩く。もしくは歯ブラシで。
羽根のつなぎ目にワックスが溜まってます。
ぼとぼとと雫が落ちるほどに歯ブラシにたっぷりつけてこの部分をゴシゴシ。歯ブラシは歯茎を傷めないように設計されているはずなので、力を入れてもそんなに強くは擦れてくれません。良くも悪くも。で、これが靴メンテにはちょうど良いのではないかな、と。
おお!すっきりです!
かなりすっぴんになったと思われます。
デリケートクリームもどき
百均のヒト用クリームをたプリと塗り込む。
よく染みこみます。トゥがムラになりましたが、乾いたらもとにもどるのではないかな。
TAPIR レダーオイル
おお、いい感じになってきました。
赤みと深みが増しそうです。
さて、オイル入れましたので気持ちばかり、15分ほど乾かします。その間にソールを綺麗にして、その後仕上げます。
コロニル1909(ムショク)
おお、いいね。
大変素晴らしいです。
カーフでしょうか。
とても肌理が細かい。
右足はこの状態です。
ワックスがべったり、なのに乾いてしまっているようです。
右足も同様の手順でメンテ~仕上げました。
どーんっ。
爪先のムラも乾いたらなくなりました。
【BEFORE】
【AFTER】
もうね、別の靴かと見紛うほどです。
といったら大袈裟でしょうか。
【BEFORE】
【AFTER】
やばいですね。
アッパーの革質、素晴らしいです。
で、やばかったですね。
ワックスをこのまま放置してたらひび割れを起こしていたかもしれません。がっつり落とせてよかった。
羽根周りのクロズミもきれいになりました。
ソールもぴかぴか。
大変美しいボルドーの色目であり、シェイプかと思います。
予想通り、ではありませんでしたが、予想以上に改善しました。
千円でお釣りと、単に安かったから遊び半分で拾ってきたわけですが、流石の銀座ワシントンさんです。
調べてみましたところ、この「PRESIDENTIAL」というのは三万円台半ばくらいのラインのようです。同一のモデルは見つけられませんでしたが、イタリア製の革を使用しているものが多いようでした。
このシリーズの同社における位置づけがどのようなものかは分かりませんが、価格帯は一般的に言って高級な部類であることは間違いないと思います。今回弄ってみて、そのアッパーのクオリティは価格帯通り素晴らしいといって良いな、との感想です。
銀座ワシントンの靴は1足持ってます。
旧いロゴのペア。
このペアはかなり旧いもので、同社が「Country Classic」なるノーザンプトンのファクトリーに発注をかけた英国靴であることを突き止めました(過去記事)。こいつクオリティが素晴らしいこともあって、銀座ワシントンのペアのユーズドにはいつも注目してます。
今回も期待通りのクオリティでした。
これまで沢山の中古靴を触ってきましたが、今回ほどワックスが塗りたくられたペアは初めてでした。
なんでここまで塗りたくられたのでしょうかね。
素敵なアッパーはナチュラルメイクで十分に光るのにね。
厚化粧しちゃうと折角の本来の良さが損なわれます。
それに何よりお肌によくありません。
ワックスの塗り過ぎには注意したいものです。
さて、
後は売れるかどうかだな。
まあ、6月中には売れるでしょう。
たぶん。
きっと。
頼むわ。
(おしまい)