Freek2Freek

go-getter の正体

こんにちは、ばしです。

 

今回は少し時間が巻き戻りまして、

お盆休み中にウエッジソールのリーガルをメンテした際のことです。

左:リーガル 2526 プレーントゥ
右:リーガル 2523 タッセル

リーガルのウエッジソールなやつ2足で記念撮影したわけですが、もう1足、リーガルではないけれどもウエッジソールなやつを加えて記念撮影をしておりました。

左のロングウイングがそれです。

go-getter(ゴーゲッター)

その昔(1995年-2015年)、原宿にそのような店名の古着屋があったそうな。このペアはそのゴーゲッターさんが「高級でないアメリカンビンテージ靴」のソールをウエッジソールに付け替えたリメイク品であります。

 

今回はあらためて、

こいつの正体について、であります。こいつがどこの何者か。これまで登板の機会ごとにインスタで「元はMASON(メイソン)の靴」と紹介してきたのですが、さてさて、そもそもなんでそんなふうに断定していたのかな。自分でもよく覚えてません。なんせ、購入したのが2019年12月とかなり前なもので、あらためて振り返ってみたところ、こんな経緯だったみたい。

 

最初に買ったMASONの靴がこれ。

EXECUTIVE IMPERIAL by MASON

メイソンのアッパーラインのロングウイング。2016年頃にゲットして今はもう手元にはないのですが、なかなかに素敵なペアでした。このペアの内側の印字がこんなです。

8 1/2  D  525    11744H8
CHIPPEWA FALLS WIS.

MASONSHOES
VELVET EEZ

1904年にウイスコンシン州チペワフォールズにて創業したメイソン。「VELVET EEZ」というソックシートにクッション性を持たせた仕様で、履き心地も柔らかだったような。で、一番上のサイズから始まる表記のパターンから、同様にメイソンと結論づけたのがこいつ。

2足目のgo-getter

2020年にゲットして、すでに旅立させたこいつの内側の印字がこれ。

「握手型ユニオンスタンプ」のマークがありますので、先程の茶のペアよりは年代は新しい1980sのこいつ、サイズから始まる印字のスタイルは文字と文字の間隔含め同じパターンです。こいつもきっとメイソン製ではないか。

であるならば、

同じくgo-getterの手によるリメイク品は2足ともメイソン製である可能性は当然のごとく高いはず。あらためて、黒いウエッジソールのLWBの印字はというと、

こんな感じ。

サイズから始まる一番上の表記を3足分並べてみますと、

(茶色)8 1/2  D  525    11744H8
(2号)9        D  372    74922T0
(1号)
8 1/2  C  524    54601K?

どうでしょう?

「8 1/2」の「1/2」の文字の大きさもまんまおんなじです。ウイズ表記の「D」の文字は左上に横線がはみ出た特徴も全く同じです。その他、「2」「4」「5」「7」「8」「9」の文字もほぼ同じと言えそう。上記の経緯より、今回のgo-getter1号をMASON製としているのでした。

製造年は2号が一番新しいことは間違いないでしょう。残り2足はどちらが旧いのかな。そんなことを考えておりましたところ、「1号をほとんど手入れしていない」ということに気づきました。折角なんでこの機会にメンテしたわけですが・・・、

 

 

☆★☆★☆

 

 

さて、ここからが今回の本題です。

メンテは簡単に。

さくっと汚れを落として、

クリームを塗ってブラッシング。デリケートクリーム的なものがほとんど染み込まなんですよね。

最後に、飛び出した糸の端を炙ったら終了。

うん、あらためてカッコいいです。

すでに転がした茶のLWBとは、全体の形だけでなく爪先のメダリオンのデザインも同じです。

黒のゴーゲッター。メイソンというだけでなく、これも「エグゼクティブインペリアル」のラインのペアなのかもしれない。と思いながら眺めていてハタと気づいた。今更ながらなのですが、この「テラっ」とした輝き。ひょっとして、

CORFAMなのでは???

CORFAM(コルファム)

は、米国DuPont社が1963年に開発した靴用の合成皮革で、1964年~71年頃の短い期間にだけ製造されました。それまでの人工皮革になかった通気性を有し、天然皮革と比べてもより高い耐久性と光沢感を持ち合わせていると謳われていたコルファム。日本のクラレ社が1964年に開発した合成皮革「クラリーノ」との競合に敗れ短命に終わったわけですが、米国ビン靴収集家からは忌み嫌われてもいる存在、それがコルファム。

 

以前1足持ってました。

KNAPPのペア。MASON同様にワーク系の靴ブランドであるナップのこのアッパーがマイファーストコルファムだったのでした。少し小さくて転がしてしまいましたので現物での比較はできないのですが、

写真のシボの雰囲気は、

かなり似ている。

ただ、

内側の印字。
かなり履いたのですっかり読みづらくなってます。購入当時の写真で確認してみますと、

「LEATHER・・・・」

とあります。この手の表記はだいたい「LEATHER UPPER」と書いてあることが多い。ちなみに、先程のKNAPPの表記は「POROMERIC UPPER」でした。

まあ、今更こいつのアッパーがコルファムだろうがそうでなかろうが、どっちでも構わないんですけどね。分厚いラバーソールゆえ雨の日に履くことが多かったわけですので、コルファムならソールだけでなくアッパーも雨の心配はない。それはそれで尚良し、とも言えます。

 

とはいえ、雨の日に最適なウェッジソールは3足になりましたので、このgogetter もそろそろ雨の日を卒業してもよいかもしれない。

週明け月曜日、早速履いてみた。

接写してみた。

あらためて、コルファム?あるいはガラスレザー? 色が剥げたり、一部銀面が剥げてたり、そんな個所を見ますとリアルレザーのように思えなくもない。切り返し部分を少し剥がして裏面を確認したらどちらか分かるかもしれない。

ですが、

それが明らかになったとして、だからどうというのか。そもそも他人の足元なんてそれほど見てないし、この距離で見て何がどうとか思わないし。それに、天然だろうが人工だろうが、履く頻度も履き心地もきっと以前のまま、何も変わることはない。であるなら、

 

このまま、曖昧なままにしておこう。

 

(おしまい)

モバイルバージョンを終了