こんにちは、ばしです。
前回も書きました通り、今年のテーマの一つが「本格ビンテージ靴をメインとする」ことなわけですが、これは、古靴を漁る際の重要な基準となるもの、であります。何もないと歯止めが効かない笑。
このテーマに決めたのが正月休み明けの1月8日頃なのですが、実はそれ以前の1月1~7日までの間で、すでに何足か買い物・拾い物をしておりました。
で、振り返ってみますと、具体的なテーマを掲げる前ではあったものの、なんとなく意識の片隅にはあったんでしょうね、割ときちんと本格ビンテージを中心に買い漁っておりました。
今回は、そんな今年の1足目、
今年最初に拾ってきた中古靴。
もちろん、ビンテージです。
えへんっ。
こいつ。
オールドグレンソン内羽根ブーツ
今年の記念すべき1足目です。1足目はちゃんとしたビンテージがいいな、などと思っていましたところ、いつものリユースショップで発見。見るからにビンテージ感満載、で、いつものごとくお安いやつ。
私を迷うことなくレジに直行させたオールドグレンソン。
泣く子も黙るMade in England。ですが、何に合わせて履こうかな、などと考える余地を一切与えてくれませんでした。
理由はこれ。
少し見づらいですが、このブーツ、UK5Dです。さいです、メンズではなくレディスです。実際、レディスの靴コーナーに鎮座しておりました。最近は革靴女子なる言葉もあるようで、本格靴を履く女性も増えつつあるようです。
そもそも、レディスの靴を物色しているわけではありません。以前何度か、メンズの小さめサイズのペアがレディス扱いにされてしまってるのを見かけたことがありました。
それ以来、レディスコーナーのメンズのなやつを探すため、できるだけレディスの靴コーナーもチェックするのが習わしとなりました。
そうこうしていて思いますのは、リユースショップでのレディスサイズの本格靴の扱いが以前より増えてきたような。もちろん、まだまだ、で、たまに見かける、といった程度ですが、変化は感じます。
で、メンズと比べて相当にお安い。うーん、うらやましい。
そうだ、うちの娘を「古革靴女子」にしよう!
てなことで、拾ってきましたが、娘も、嫁も、履かない、とのこと。
ああ、一瞬で儚い夢となってしまいました。
でもまあ、しょうがない。
ウエルカム、グレンソン(レディス)!
これも何かの御縁です。
早速メンテです。
いつも通り、まずは左から。
ステインリムーバーで汚れ落とし
汚れもワックスも、それほどありませんでした。
デリケートクリームもどきで保湿
面積拾い奴にこそ、100均のクリームをたっぷりと。
TAPIR レダーオイルで保革&油分補給
色目が少し濃くなりました。
アップだとこんな感じ。
コロニルで仕上げ
まあ、いつものルーティーン。
右も仕上げて、ビフォーアフター。
【BEFORE】
【AFTER】
もいっちょ。
【BEFORE】
【AFTER】
オイル入れた分だけ少し色目が濃くなりました。白っぽいとうか、粉っぽいというか、乾いた感がましになった程度ですかね。ムラ感が取れてませんがご愛敬。機会があればレノマットでがっつりやってみよう。
紐の通し方は、ビフォー・アフターともにイケてませんね。普通にパラレルで良かったかな。まあ、よしとしましょう。
しかしまあ、レディスの靴だけあって繊細な印象です。そもそも、内羽根キャップトゥスタイルのブーツ、ていう時点でメンズにはまずありえなさそう。
6穴+3フック+1穴。6穴と1穴は外ハトメ。
バックシャンはこんなです。
で、ソール。積み上げヒールに釘。で、ソール中央には刻印。
アップで。
獅子が持つ盾に「MADE IN ENGLAND」。口から何か噴いてる?舌? うーん、よく分かりませんが、おどろおどろしくてカッコいいです。幽霊なんかが出る古いお城にいるやつ、みたいなイメージ。クラシック感満載です。
なんか、レディスの靴って、同じ本格ドレスシューズなのに、サイズか小さくなるだけで雰囲気がぐっと良くなるように感じます。そう思うのは私だけでしょうか。
以前にも一度、娘に本格靴を買ったことがあります。
こいつは日本製ですが、年代は今回のグレンソンと同じくらい、1980sくらいでしょうか。古いポールセンスコーン(UK7.5、1960s)と並べてみたらこんな感じでした。
同じスタイルでも密度が違うからでしょうか、塊(かたまり)感、というか、ぎゅっと中身が濃い、詰まったような気がします。比べてメンズは、でかければでかいほどのっぺりとした間抜けな感じになります。
近所の店で見かけるレディスサイズのトリッカーズやスタッズつきのチャーチなんか見ても、おんなじスタイルなはずなのに、やはりなんか、雰囲気違うんですよね。
新品の時の値段はそんな変わらないのに、中古の価格は断然お安い。革靴女子がまだまだ少ないから、需給バランスゆえ今はまだ低価格で流通してますが、そのうちレディスも値段上がっていくかも。
そうなる前に、
「娘に~」
「嫁に~」
と言い訳しながら、今日もレディスコーナーを徘徊(空いてるときに、靴コーナーだけです、怪しいから)する、アラフィフな親父なのです。
しかし、マーチン以外はなかなか気に入ってはもらえないなあ。
まあ、転がせばいいし、よしとしましょう。
よし、今日も明日も明後日も、めげずに徘徊です。
継続は力なり。
おしまい。