こんにちは、ばしです。
本日2記事めの更新です。
前後編の後編、前編からの続きです。
前編をまだお読みでない方はこちらからお目通しください。
さて、いよいよ作業開始です。
手順はこうです。
(1)型紙に合わせて生地を断つ
(2)剣先部分を折り込んで縫う
(3)アイロンで折り目をつける
(4)裏面から重ねて縫い留める
(5)小剣通し作成&縫い付ける
(4)と(5)の順番は逆が正のようですが、まあ、今回は我流ですのでこの順番で進めてみました。
(1)型紙に合わせて生地を断つ
まずはアイロンでしわを伸ばしまして、
元はこの2枚分の大きさでした。
アイロン前に半分に切りました。
で、型紙を載せます。
チャコで線を引いて、
ハサミで切る。
パッチワークのつなぎ目が切りづらい。
切り出せました。
切った残りの方が面積が大きいです。
もったいないです。ですが、パーツ分けすればもう1本作れそうです。残りの生地で3パーツ切り出して作ってみよう。
さて、次のステップへ。
(2)剣先部分を折り込んで縫う
両サイドはこのままで。
ただ、剣先は切りっぱなしというわけにはいきません。裏地をつけるのは作業が大変そうなんで、折り込んで縫い留めることにしました。
厚紙を定規代わりにして、先端部分で起こすようにしながらアイロンがけです。パッチワークのつなぎ目がアイロンかけづらいです。
2回折りました。
表から。うん、いい感じです。
ネイビーの糸で縫ってみた。
あ、目立ちますね、ダメですね。
結局、先端部分だけ裏地をつけることにしました。
折った部分と裏地のみを縫い合わせることで、表に糸を出さずに橋を縫い留めることができる。
ていうか、それが一般的なやり方なんですね。
折った部分に裏地を差し込んで、裏地と折った部分だけを縫う。
縫ってみました。大剣部分はいい感じ。内側に織り込まれてしまう部分は完成したら見えません。
なもんで、
剣先はいい感じですが、
見えなくなる部分はもう面倒なんでとりあえず縫い留めました。笑。これ、本来は重ねた状態で袋状に縫い合わせたあとにひっくり返すと縫い目がすべて隠れるらしい。あ、はい、次回はそのようにやってみます。
で、小剣の方はといいますと
こちらはそもそも小さいし見えづらいし、裏地なしで縫い留めました。
とりあえず完了です。
(3)アイロンで折り目をつける
ここからはアイロンがけの時間です。
私が若い頃はノーアイロンのシャツ生地などなくて、ワイシャツのアイロンがけは自分でやってました。なもんで、アイロンはわりかし得意な方です。
ですが、ネクタイにアイロンはあまりやったことありません。何回も折りますので寸法を間違えぬよう、「厚紙で作った折見本」を使って折り目をつけていくことにしました。
段ボール製のアイロン台に生地を載せ台紙を載せる。
位置を合わせて台紙ごとアイロンをかけておおよその折り目を付け、次いで生地だけをアイロンがけして折り目をしっかりとつける。
折り目を付けたら裏返して次の折り目。2折り目終了。
コットンだし、パッチワークだし、元の縫い目や糸もあります。
上手く進んでいるのかそうでないのか、よくわかりません。
そんな感じで3回折り目つけた状態が上の写真です。
最後に、この両側から折りたたみ部分丸ごと折り重ね、左右のバランスと太さ加減を確認調整しながらアイロンをかける。
できました!
それっぽくなってきました。
(4)裏面から重ねて縫い留める
形はネクタイっぽくなりましたので、縫い留めながらネクタイぽく仕上げていきます。
縫い留めていく際に表まで一緒に縫ってしまわないように、細い定規などを中に入れるのがいいらしい。なのですが、長めの定規がなかったので、厚紙を細く切って折りたたんでガムテープ止めした自作「定規もどき」で代用です。
さて、いよいよ縫います。
まずは、大剣と小剣のそれぞれを「閂(かんぬき)止め」という方法で留めます。
こんな感じの縫い方のやつです。
ついで、全体を縫っていきます。
2~3センチ間隔で縫い留める。2~3センチ、上に重なる側の中面の空洞部分に糸を渡らせて、その後5ミリくらい下側と縫い合わせたらまた2~3センチ上側に中空を渡らせる、の繰り返し。わかりづらい説明ですね。だけど、具体的な縫い方はここでは割愛いたします。ほかのサイトを参照ください。
縫えました!
おお、それっぽく仕上がったな。いい感じです。
今回参考にしたネクタイと並べ比較してみました。
これも裏地あり。
なんだけど芯地はない模様、で、セッテピエゲ風です。
内側の方、大剣先を縫った際に横着した縫い糸が見えてしまっています。見えない部分、なんだけどばれてしまう。剣先部分もきれいではないし、次回の改善ポイントです。
また、私のはなんだか重なり部分が中央になっていないな。
あ、重ねる順番を間違えて縫い留めたらしい。でも、そうなると合わせ方が左の茶とは逆になります。どうやら、型紙から切り出す時点で裏表を間違えてしまっていたようです。まあ、締めたら見えないし問題ないでしょう。
さて、最後のステップです。
(5)小剣通し作成&縫い付ける
切り出した生地の残り。
ちょうど細い帯状に余った部分がありましたので、これで小剣通しを作り、大剣の裏に縫い留めました。
とりあえずこんな感じ。
あまりきれいではないな。まあ、締めたら見えないし問題ないでしょう。正しくは、小剣通しは布を二つに折って端を縫い、筒状にしたものを表裏ひっくり返したら縫い目が内側に入り込んで綺麗に仕上がるらしい。あ、なるほどね、次はそうします。
そんなこんなで、
2日がかり約5時間の作業も完了です。
早速締めてみた!
まあ、悪くないのではないかな。
まあ、特段素晴らしいとも思わないけど。
上着のボタンをあけたらこんな感じ。
紺ブレにカジュアルに合わせる一本が欲しかったんですよね。
こいつはデニムに合わせタイ。もとい、合わせたい。
今回は2種類あった生地の内、より春夏っぽいと思える方で作ってみましたが、5月のこの時期にしてはかなり暑くなってきました。今シーズンちゃんと出番がくるのでしょうか。
コットン素材だし、冬はやめとこう。
けどまあ、秋なら問題ないでしょう。
【感想】
そんなこんなで初めてのネクタイ自作、無事に完了いたしました。我流ゆえ改善点は多々ありますが、作ってみたから、やってみたからこその気づきも多く、次回につながる作業であったかと思います。
今回は布1枚から作りましたが、斜め45度に切り出した布は思いのほか伸びます。1枚布で作るよりも、3つのパーツをつないだ方が伸びすぎなくて良いのかもしれない。
3つに分けることは生地の無駄がないけどコスト効率に優れてるだけ、と思ってましたが、案外それだけではないのかもしれません。ネクタイの製造方法は長きに亘る年月の中で様々な工夫や改善等が図られ極まってきた面もあるでしょうから、「現代の一般的な作り方」をもっと積極的に取り入れたほうがいいのかもしれません。
ですが、最初からそれだと、
「なぜそのようにするのか」
「それはどのように重要なのか」
が分からないままでいることになるのかもしれません。
例えば、3つのパーツを「斜め」に継ぐのはなぜか。その理由は、水平な切り口でつないだ場合、それを巻いていくと継ぎ目部分が幾重にも重なり、そこだけが分厚くなってしまうからではないか。斜めに継ぐことで、巻き込んだ際に継ぎ目箇所はスパイラルを描くこととなり、重なることなく分散してくれる。
確証はないですが、おそらくそのような理由かと思われます。
これは、今回「パッチワーク」素材を使ったために、元からある生地の継ぎ目に苦労したがゆえに気づいたわけですが、最初から教科書通りに作業を進めていたら持ちえない、思い至らなかった視点かもしれません。
で、それは嫌だな。
そんな風な「教科書を丸暗記」的なのは面白くないな、と思ってしまう性質な私です。
まあね、遠回りなやり方で無駄な労力かもしれませんが、靴を作ろうというわけではない。靴に比べればいたってシンプルな構造のネクタイです。その分、奥は深いのかもしれませんが、だからこそ、少しくらいの遠回りはあえてした方が良いかも。そんな風に思う次第です。
鉄は熱いうちに、といいます。2本目の作成は、できれば5月中にやりたいな。次回は3つのパーツをつないで、裏地の付け方も変える。このあたりは教科書通りに進めてみて、違いを実感したいと思います。
「そんな簡単なら自分もやってみたい」
という方もおられるかもしれません。もう何本か作ってみてそれらしくできるようになったら、そんな方のお役に立てるよう、もう少し詳しい進め方や型紙などとともにハウツー的な記事も書いてみようかと思ってます。まあ、いつのことになるやら、ですが。
ただ、拙ブログはあくまでも「ビン靴」ブログですので、腕前が上がったら自作ネクタイに関する別のブログを立ち上げてみたいな。興味ある方はお楽しみに~。
まあ、一番楽しみにしてるのは私自身なんですけどね。
(おしまい)