こんにちは、ばしです。
昨日の前編からのつづきです。
ケニアのセラーから購入したコードバンのハノーバー。思えば、コードバンのペアは結構久しぶりなような気がする。
余談ですが、アメリカでは農業の機械化によりコードバンレザーの供給源でもあった農耕馬の数も随分減ってきているようで、年々希少性は高まる一方、なんて話もあるとかないとか。
まあ、農耕馬云々なんてのは随分昔の話でしょうが、とはいえこのままさらに減り続けたら、コードバンもエキゾチックレザーみたいな扱いになりはしないか、と、少しばかり心配です。
なもんで、状態の良いマイサイズのコードバンのペアは今のうちに確保しておくべきである。との考えもあり、買いは積極的・売りは消極的な最近の私です。
さて、
そんなUS8Dとマイサイズなコードバン。
メンテいたしました。
いつも通りまずは左足から。
LEXOL
いつもならステインリムーバーなのですが、液体は必要以上に染みてしまうので、粘度のあるこいつにしてみました。
いつも通り、出し縫い糸の隙間の埃などは歯ブラシでしっかりと掻き出しました。
RenoMat リムーバー
強力リムーバー投入。
強力なやつなので、強くは擦らない、やさしく、やさしく。それでもそれなりに汚れは落ちるっぽいです。ちなみにワックスの類はありませんでした。
リッチモイスチャー
もちもちになるやつ投入。
手に取って、
直接塗り込む。
いい感じです。
さて、仕上げ。
コードバンクリーム
油分もたっぷりなこいつ、モノは間違いないのでしょうが、動物くさいニオイが結構強烈なんですよね。なもんで、久々の出番です。
指にとって塗ったら、ウエスで磨く。
まだ少し表面がガサガサしてます。
艶は出てました。
色味も深まった。
コバインク
濃茶を塗るつもりが間違って黒を入れました。
まあ、どちらもそんな変わらんかな、きっと・・・。
ソールも磨いたら、右足も同様の手順で。
コードバンにリッチモイスチャーは、
モチモチ感と艶感がアップして個人的には好きな仕上がりです。
ストームウエルトにダメージ有。
ボンドで貼りましょう。
5分ほどぎゅっと抑えてしっかり貼る。
まあ、いいのではないか。
コバインクで仕上げ。
で、最後に、両足まとめてしっかりとブラッシングしたらメンテ完了です。
どんっ。
おお、まずまず良いです。
【BEFORE】
【AFTER】
靴紐は茶色に交換しました。
茶靴には黒よりも茶の紐の方が好みです。
ちなみに、今回は濃茶の75センチ。
靴紐は大体いつも高島屋の靴売り場で購入します。このところ値上げが凄くて困ったもんです。廉価な別のも探さねば。なんかいいのあれば教えてください。
【BEFORE】
白く粉がふいたみたいになっていた踵。
【AFTER】
すっきり綺麗になりました。
いかにもハノーバーっていうお尻です。
好きです。お尻。ではなく、ハノーバー。
てなわけで、
まずまず、いい感じに仕上がったかな。
左足甲に2ミリほどのへこみがありますが、この素敵な色目の前ではあばたもえくぼ、といっていいのではないか。とても嬉しくて、そんな風に前向きな解釈をするいつも通りな私であります。
喜んで早速履き下しました。
・・・えーとですね。
大変タイヘン窮屈なのですが。
どういうことなのでしょう。
朝、玄関で足を入れた瞬間から、爪先側がベリータイトです。
窮屈です。窮屈な旧靴。言うてる場合か。
うーむ、なんでだ。
US8Dなのに。
見間違えたかな。
確認です。
あれれ?
何も書いてない。右足も左足も、タン裏も確認しましたが、どこにもサイズ表記がありません。あれれ?どういうことでしょう。セラーが8Dと言っていただけで、写真も寸法も何も確認していなかった、そう思い込んでいただけのようです。あちゃあ、やってしまったようです。ですが、現物を見てもそれほど小さくは思えなかったのですが、、、。
計ってみました。
うーむ。
確かにほんの少しばかり小さめか。アウトソールの幅自体はそれほど狭くはない。むしろ十分すぎるほどです。全長も295mmありますので極端に短いわけでもない。コバの張り出しが大きい分だけサイズが小さいのか。
とはいえ、7.5相当は十分あるように思えるのですが、履いた実感としては写真の「110mm」の文字から爪先側が数字以上にタイトに感じます。踵周りはジャストで気持ちいいくらいなんですけどね。まいったね。
よし、比べてみよう。
左の濃茶はAllen Edmonds cordovan MacNeil。US8Dでジャストマイサイズなやつです。こうして見比べてみますと、確かに全長はハノーバーの方が少し短い。とはいってもほんの少しです。爪先の形状次第では誤差ともいえる程度ではないか。
で、甲の高さはといいますと、5穴の5穴目あたりはどちらもほとんど変わらない。ともすればハノーバーの方が高いくらいに見えるのですが、1穴目、ちょうどボールジョイント付近の高さは低い。ようは、5穴目から1穴目にかけての傾斜がハノーバーの方が急なように思えます。
真上から見ますと、
うーむ、確かに細いな。ボールジョイント(小指の付け根あたり)の幅が見た目に明らかに異なる。やっちまったようです。
内側を改めて確認しますと、やはり小指の付け根たりの外へのせり出しがあまりありません。US7.5の幅狭め、CかDウイズ相当か。いや、甲の高さも十分だし、踵側も狭くはない。おそらくUS7.5D。で、ボールジョイント付近から爪先にかけて細くなっていく程度が通常よりも急なのかも。US7.5Dの人なら問題ないのかも。8.0になったとたん、通常よりも窮屈に感じる。のかもしれない。
ハノーバーの靴はこれまで何足も買いました。ハノーバー名義のもの、他社名義のハノーバー製のもの、いろいろですが、少し大きめサイズのものが多かった。そんな中で、唯一小さめだったのが7.5DのL.B.Sheppard。
この個体。素足でジャストなサイズ感で、仕事で履けないんで転がしたのですが、比較的スクエア気味なトゥで、爪先にかけてそれほど急激に細くはなっていなかったように記憶してました。
うーむ、やはり比べてみますと今回の方が爪先が明らかに細いです。ちょうど、ウイングチップの「W」の下側あたりから爪先にかけてのカーブがより急になっている印象です。履いた感じも今回の方が窮屈なのはこのせいなのかもしれない。
うーむ。悔しい。
何が悔しいって、
この色目。
なんていうカラーなのでしょう。左のアレンはホーウィン社のいわゆる「#8」カラーのコードバンかと思われますが、この色目は他にも何足か持ってます。少し明るめのコードバンが欲しくて、今回ようやくゲットできたと思ったのにね。なかなかうまくいきません。
あと数度我慢して履けば、それなりに伸びていい感じになるかも、なんて期待もしたわけですが、丸一日履いての印象としては、どうやらNGのようです。とはいえ、折角ゲットしたばかりですぐに転がすのはなんか悔しいな。
なんて思っておりましたところ、
ありゃま。類は友を呼ぶ。
黒いコードバンと遭遇してしまいました。
無理はしないでこちらの黒を履きなさい。
神様はきっとそんな風におっしゃっているのでしょう。
メンテしてすでに履き下ろしました。
サイズはこちらはちょうどな感じです。信心深い私としましては、仰せの通り乗り換える、履き替えることといたします。
折角素敵なやつでしたが、
残念ですが転がしましょう。折しも、もう少ししますと世の中はボーナスシーズンです。出品するには良いタイミングかもしれません。次のコードバンは、、、当初通りCrown Windsorのペアを漁ることといたします。ようよう調べてみたら、過去に2足転がしてました。一足は黒のスムーズレザー。もう一足は茶のコードバン。次は、、、別にコードバンでなくてもいいや。こだわりはない。
ですが、
馬にはこだわりたい。
ターゲットはこのロゴです。
次は浮気はしないで、見つかるまで気長に探そうと思います。
(おしまい)