こんにちは、ばしです。
いやあ、日に日に暑くなってきますね。
街中のサラリーマンもノーネクタイの人が増えた。夏は近い。にもかかわらず、相も変わらず中古のネクタイ漁りに積極的な私です。とはいうものの、以前ほどには買い漁ってはおりません。かつ、あくまでも「オールドグッチ・タイ」と「ピエールカルダンのポリエステルタイ」がメイン・ターゲットであります。この2種については「これは」と思うものがお買い得な時だけゲットです。
そのほかについてはあまり積極的ではない。
なわけですが、時は折しもクールビズです。夏が近づくにつれリユースショップのネクタイは値が下がる。ということで、ちょろちょろと拾ってきてしまう。とはいえ、一応、ルールは設定しております。「税別300円」までを目安としてます。それ以上のものには(めったに)手を出しませんが、それでもそれなりに楽しめます。
この春に買った数百円のネクタイはこんな感じ。
左上から時計まわりに、
Brioni ブリオーニ
ISAIA イサイア
BRICK HOUSE ブリックハウス
FINTEX フィンテックス
SCHATTI スキャッティ
GIANFRANCO FERRE ジャンフランコフェレ
といった具合。
高級ブランドあり/ツープライスあり。現役ブランドあり/今は亡きブランドあり。聞いたことないブランドあり/懐かしいブランドあり。イタリア製あり/日本製あり。中古品を漁るとこんな風に様々な年代・ブランドに出会えるのが楽しみの一つです。で、どれも数百円。中古になると扱いはさほど変わらない(笑)。
締めたらこんな感じ。
シャツはタブカラーがマイブームです。で、春の陽気の所為もあってか、ネクタイは明るめでカラフルな色目を選びがちだったようです。なんだけれど、どれもペールトーンかつ光沢はない。意識しているわけではないのですが、スーツではなくジャケパンスタイルなこともあってか、この手のモノを手に取りがちなようです。
そんな中で、私にとってのこの春一番の収穫はこいつでありました。
Hardy Amies(ハーディエイミス)
黒地に白の筆記体ロゴ。
見るからに古めかしい一本です。締めたらどうなのでしょう? 最近はネクタイもビンテージなやつが多くって、たぶんもう普通の人の感覚・感性ではない私でして、「好きか嫌いか」以外の判断ができなくなっております。
で、好きか嫌いかと問われたら、このデザインと雰囲気は堪らない、大好きであります。
そんなのが百円でした。これはもうね、タダみたいなもんです。ハーディエイミスのネクタイが百円です!!
・・・って、ハーディエイミスって、誰? 誠にもって恥ずかしいのですが、存じ上げませんでした。調べてみましたところ、著名な方なんですね。
簡単に略歴を紐解きますと、
1909年ロンドン生まれで英国を代表するデザイナーであったエイミス卿。
1946年にサヴィル・ロウに自身の店を構え、当初は主にレディスのクチュール作家として活躍。1955年にはブランドはエリザベス女王2世よりドレスメーカーとして王室御用達を賜り、世界的人気ブランドに成長。1968年スタンリー・キューブリックの伝説的な映画『2001年宇宙の旅』の衣装デザインを手がる。1989年にはナイトに叙せられる。2003年没。
こんな御仁だったそうです。
ぐおお、めちゃダンディです。
それもそのはず。エイミス卿は、メンズ・ファッションにおける「うるさがた」としても知られていたのだそう。紳士服に関する多くの著作があり、ブリティッシュ・トラッドの第一人者として名を馳せておられた方だそうです。
以上、こちらの記事を参照させていただきました。
そんなハーディ・エイミスのネクタイ。
レディスのクチュールがメインでは?
と思ったら、メンズラインも手掛けていたらしい。1959年にメンズのビスポークをスタート。1963年に北米に進出。1990s頃までは日本でもライセンス品が相当数流通していたそうなのですが、これはロゴや「MADE IN ENGLAND」の表記より、英国本国での旧い年代の品ではないかと思われます。
うるさがたの紳士によるメンズラインの品、ということなわけですが、そもそも何がどう「うるさがた」なのでしょう? 著書も多いとのことなので、1冊買ってみた。
「ハーディ・エイミスのイギリスの紳士服」
中古本です。あ、いや、別に安くすませようとかではない。日本で1997年に出版されたこの本は今は中古でしか手に入らないらしい。ブロガー・しんのすけさんの初期の頃の記事「メンズファッションの教科書の教科書」にそう書いてあるのを拝見しまして早速にメルカリで購入してみたのでした。
ぱらっと目を通しました。書評の類がからっきし苦手な私ですので詳しくは避けますが、内容としましては、今のスーツスタイルの歴史的成り立ちを紐解くとともに、正統な紳士服とは何か、何が重要でどうあるべきか、について述べた本です。ただ、ルーツを探るだけでなく、ピエールカルダンやアルマーニなど、新たに台頭してきた新しいブランドやスタイルについても好意的に触れられておりました。
要は、「正統(クラシック)」なことについての造詣の深い「うるさがた」でありながらもそれに固執することはなく、特に若い人たちを中心に新しい流れが生まれることを当たり前のこととして受け入れている。変化に寛容で柔軟な考え方の方との印象でありました。
おお、いいですね。よかった。そうと聞けば気軽に締められるってもんです。早速に登板させてみた。
うーむ。
なんかイマイチです。ネクタイは素敵なのですが。ジャケパンでないほうが良かったかな。せめてシャツは無地が良かったかもしれません。次は別な風に合わせてみよう。で、できればもう1本くらい、ライセンス品でない今回のようなビンテージなHardy Amiesが欲しいな。
目印は今回と同じ、黒地に白の筆記体のロゴです。
いやはや。
セカスト・パトロールの目当てがまたひとつ増えてしまいましたわ。
(おしまい)