こんにちは、ばしです。
先月6月に買った靴は1足だけ。
月初に届いた自分への誕生日プレゼント。箱付きデッドなフリーマン。早々にそいつをプレメンテした後は、手持の靴をまとめてメンテする週末を過ごしてきました。
月が変わった7月最初の週末。
前週に履いた靴をまとめてメンテ、のつもりだったのですが、取りやめ。使う予定のメンテグッズを買い忘れてました。それに、5足6足まとめてメンテ、ていうのは実際問題時間もかかるし結構疲れるんですよね。7月到着予定の靴も2足ほどあるのですが、どちらもまだ届かない。どうしよう。
てなことで、日曜日、近所で拾ってきました。
Hush Puppies M-5601
リサイクルショップではしばしば見かけるハッシュパピー。いつも眺めるだけでしたが、今回初めて持ち帰ってきました。ていうか、初めて足を入れてみた、文字通り、マイファースト・ハッシュパピーです。
この犬が目印です。そうと言われないと犬に見えんな笑。バセットハウンドと言うフランスが発祥の狩猟犬だそう。その下には「OTSUKA」の文字。ああ、そういえばハッシュパピーはオーツカ製だと聞いたことあったな。
実はこのペア、前日の土曜日に雑多な靴コーナーで発見しておりました。
で、足を入れてみましたところ、ジャストマイサイズな上に、すこぶる履き心地が良い。スニーカーライクなソールだから、というだけでなく、プラスアルファの良さを感じる履き心地です。値段も1300円+TAX。お買い得です。遊ぶにはもってこいです。ですが、そのときはスルー。なぜって、ビン靴フリークな私が敢えてこいつを持ち帰る積極的な理由が見当たらない。しかし、
「あの履き心地は相当に素晴らしかったなぁ」
と、家に帰ってからも気になって気になって仕方がない。やっぱり買う?いや、でもな。自分で履かなきゃ親父に履かせようか。新品だといくらくらいするのかな。などと、あれやこれやと調べてみましたところ、なんと、同ブランドのオフィシャルサイトにはシャツに靴下にベルトにと、アパレル感満載、なのになぜか「靴」の扱いがありません。
え、なんで?
さらに調べてみたところ、なんと!
大塚製靴によるライセンス生産が昨年の12月で終了しているではありませんか!!
つまり、オーツカ・パピーの新品は、市中にある在庫以外はもう手に入らない、ということのようです。おお、そうなのね。
初登場ですので、簡単にブランド略歴です。
Hush Puppies
1958年、ミシガン州ロックフォードにあるウルバリン・ワールドワイド社にて誕生。起毛させ特殊加工を施した豚革=「ハッシュパピーレザー」のアッパーが特徴的な、アメリカ発のカジュアルシューズブランド。
世界160カ国に展開しており、日本への進出は1965年。折からのアイビーブームも追い風となり日本でも定着。製造は大塚製靴によるライセンス生産であったが、2020年12月をもってライセンスアウトとなる。
いろんなところからの情報を取りまとめてみました。で、知ってはいたけれどあまり興味なかったのですが、思っていたよりもメジャーなブランドなんですね。ブログなどで取り上げている記事も予想以上に多く、その履き心地に魅了された長年のファンも多かった模様。ハッシュパピーの靴自体は今もあるようですが、インド製に代わっているようで、大塚時代のものとは別物になってしまったとの嘆きの声も少なくないようです。どっかで聞いたような話ですね。
「今は亡き・・・」
「かつては・・・」
そんなフレーズに滅法弱い私。かつ、なんてったって、大塚製靴です。皇室御用達であり、英国のチャーチよりも古い歴史を誇る日本を代表するトップメイカーです。そうと知ったら放っておけません。翌・日曜日、早速近所まで車を走らせたのでした。
(参考:大塚製靴オフィシャルホームページ)
で、このペア、調べてみましたところ、AMAZONでも扱いがあったようです。
「バツグンの履き心地★★★★★」とのレビューを発見。日付は2010年3月2日。10年ちょっと前にリリースされたモデルの様です。品番は「M-5601」だそう。
確かに、5601とあります。このペア、サイズ表記は25.5ですが、足を入れた感じはUS8Eくらいのサイズ感です。で、土踏まずあたりの位置が真横に盛り上がったような、例えるなら硬めの蒲鉾を踏んづけたみたいに感じる造作で、土踏まず~甲周りのフィット感が凄いです。
スニーカーライクなソールが特徴的なこのペア。
ほとんど減ってません。数回履いた程度、なのかもしれません。スエードのアッパーには、踵付近に毛羽立ちはあるものの、それ以外は全体的に汚れや痛みも軽微です。
10年も前の中古にしては、非常にグッドコンディションです。きっと保管状態も良かったのでしょう。これはお買い得な買い物したかも。ウエルカム、ハッシュパピー、まずは儀式です。
今回は左右同時でメンテしました。
スエードシャンプー
アッパーを軽く水で濡らしてシャンプーで洗います。容器の説明にはスポンジで泡立てる、とありますが、ハブラシでゴシゴシといきます。
わしゃわしゃと泡立ったら、布で汚れを泡ごとふき取る。
ドライヤーで乾燥
同じく、説明には「丸1日くらい陰干し云々」とありますが、明日は月曜です。そんな悠長なこと言ってられない。今日中に仕上げるべく、ドライヤーで時間短縮です。
そもそも、丸洗いしたわけではないので、割とすぐに乾きました。
サドル部分にSAPHIRクレム
中央に馬の鞍(サドル)を置いたようなデザインだから「サドル」シューズ、と呼ぶらしい。ツートンカラーが多いですが、今回はオールブラックです。サドル部分の素材はなんなのでしょう? よくわかりません、ぺらっとしてますが、合皮ってことはなさそうです。
傷みもないし、さくっと。ステインリムーバーで軽く拭いて、クレム塗り込みました。切換えしの切端部分、あまり綺麗でない。ここにも、スエードにはできるだけ付かぬよう、歯ブラシにとって境目ギリギリを狙ってクレムです。
ライターで炙る
オイルライターの出番です。スエードの毛羽立ちを炙って毛足を整えます。今回は色も黒ということで、焦げても気にならないのでガンガン炙りました。ジリジリ、という音が、「炙ってる感」満載でグッドです。
(BEFORE)
(AFTER)
踵外側、毛足が少し短くなってるのですが、どうでしょう、分かりますかね。
さて、仕上げです。
防水スプレー
スエード専用ではありませんが、まあ、問題ないでしょう。ほんとは黒のスエードスプレーが良いのでしょうが、生憎持っておりません。履くうちに色が白っぽくなってきたら、補色も兼ねて入れてみよう。黒いペアの黒はやはり深い黒の方がいい。で、それは靴紐も同じです。
黒い靴紐、洗ってもいいのでしょうが、面倒なのでTAPIR レダーオイルで拭き取りました。適度に汚れも取れる上に、オイルが入って黒が濃くなります。通し直して、最後にブラッシングして全体の毛並みを整えたらメンテ完了です。
どーん。
左右で若干雰囲気違いますね。スエードの個体差、なのか、光の加減、なのか。まあ、問題ないでしょう。ビフォー&アフター。
【BEFORE】
【AFTER】
うん、良い感じですね。全体的に黒が深くなって引き締まりました。
で、踵周りが特に綺麗になりました。
アップだとこんな感じ。
【BEFORE】
【AFTER】
おお、グッドです。念のため、画像補正等はしてません。スエードは見違えるので手入れし甲斐がありますね。靴も喜んでくれていたら嬉しいな。
折角です。足を入れてみましょう。
うん、いいですね。やはりこのソール、かなり良いですね。
サイドビュー。
あ、脛、汚いですね、すみません。メンテ作業中蚊に食われてしまいまして、搔きむしってしまいました涙。さておき、靴のほうは、横からの眺めもシュッとしてて綺麗です。
ソールの出来栄えが最高な、ラフ過ぎないカジュアルシューズ。
こんなのが1足あったら重宝するかも。兎にも角にも履き心地がサイコーです。
このペア、できれば親父に履かせてやりたいのですが、後期高齢者(1940年製)で持病持ちなもんで、紐靴はうまく履けないんですよね笑。
紐なしだと履けないかな?
2~3穴だけゴム紐とか入れときゃ、脱げない上に着脱も楽、とかにならないですかね。そんな年寄り向けのグッズとかないですかね?探してみよう。
まあ、これまでも父への誕生日プレゼントは大体いつも靴だし、靴ばかりそんな何足も要らんとか言われてるし、そもそもサイズが少しだけきついかもしれません。
ま、そん時は僕が履こう。どんな服に合わせたらいいかと悩んでましたが、真っ黒ですからなんにでも合いそうです。
出番が少なきゃ転がそう。
今は亡きオーツカメイドのハッシュパピー。探してる人、いそうですし、今後さらに増えそうです。問題は、幾らくらいで売りに出すか、ということと、どの程度の登板回数を「出番が少ない」というか、ですかね。はは、すっかり自分で履く気満々です笑。
このところ海外からの買い物ばかりで、久々のリユースショップでの拾いモノでしたが、コストパフォーマンスはやはりいいですね。でもって楽しい。
好きです、リユースショップ。
大好き。
サイコーね。
(おしまい)