こんにちは、ばしです。
早起きは三文の徳、と言います。
早起きは健康に良いだけでなく、仕事も勉強もはかどる。気持ちの良い1日のスタートを切ることができる、らしい。けどまあ、冬場は辛いですよね。布団から出れない出たくない。諺に季節の向き不向きなんてものはないのでしょうが、どちらかといえば夏向きなもののように思える。
折しも季節は夏。
ということで、乗っかってみた。
月曜日に続き昨日火曜日も、2日連続で5時半起きしてみた。月曜は目覚ましに起こされたのですが、昨日は勝手に目が覚めた。早速外に出てみると、東の空に見えるはずの信貴山と朝日が見えません。日の出前か? いや、大阪のこの時期の日の出時刻は5時前らしい。単に曇っているようです。
この日の早朝の気温は25℃。
曇りがちですが大変過ごし易い気温です。絶好の「屋外での靴メンテ日和」と言えそうですが、小雨が降るかも、とのこと。そもそも平日です、7時には家を出なければならない。6時半頃までに作業を完了させよう。ということで、仕事でも勉強でもなく、早朝から趣味の靴磨きです。よし、やるぞ!ぬぉーっ、と背伸びをして、早速に作業開始です。
今回はメルカリで購入した今月の1足目。
今月これまでに買ったのはこの1足だけ。
買い控え中なわけですが、なのに買ってしまったのはなぜか。いつものごとく安かったわけですが、最大の理由は「旧い日本製の誂え靴ではないか」「であるならば相当にお買い得かも」と思ったから。
スタイルは内羽根のプレーントゥ。
このスタイルのペアってあまり見かけないですよね。流通量も少ないように思う。なぜなのかと調べてみたら、内羽根プレーントウは内羽根ストレートチップと同等以上にドレッシーな靴であると考えられているのだそう。なるほど、内羽根プレーントゥは1足持ってますが確かにドレッシーです。
チャーチ製のPEAL&Co.のペア。
子供たちの結婚式のときに必要かもと随分前に購入したこいつはエナメルの内羽根プレーントゥ。準備が早すぎて出番はまだなのですが、ドレッシーです。というか、礼装向けです。最近はエナメルでなくカーフアッパーのモノを礼装に合わせることもあるらしい。
そんな内羽根プレーントゥなわけですが、
今回のは茶色で、かつ、切り返しにはパーフォレーション。
内羽根のプレーントゥがフォーマルなものとの位置づけであるならば、レディメイドでこの色とデザインのペアはきっと作らないし売れないでしょう。つまり、このペアは誂えた品ではないか、と思った次第です。
コバに出し縫い糸が走るこのペア。見立て通り誂えたものであるならば、こいつはハンドソーンウエルテッドな品ではないか。ということで、到着してまず最初に靴の内側を確認してみた。
おおっ。見えますでしょうか。中敷き爪先側に細い釘の跡が整然と並んでおります。こいつ、やはり見立て通り、ハンドソーンの誂え靴のようです。ライニングはタン裏までオールレザー。猪豚ではなく鹿革のように思われる。上質な作りです。念のため他の箇所を確認してみますと、
アウトソールはハーフラバー済ですが、とても旧そうな雰囲気です。
トップリフトはコンチネンタル。ドイツ製で、ベンツのタイヤと同じゴムメーカーによる製造で、結構いいお値段の高級トップリフトです。
土踏まず付近、丸く削られたコバの底革に線が走ってます。ヒドゥン仕上げと思われます。
グラマラスなお尻。ドッグテールに履き口はダブルステッチ。合わせ目の両サイドも縫われています。手がかかってます。
ライニング。サイズなど文字の類は一切ありません。
お、ソックシートにはロゴの残骸が。擦れて読みづらいのですが、出品情報によりますとこのソックシートの文字、
FREAK collection co.,ltd
と書いてあるそうなのです。
ロゴの構成は、
上部にメルカトル図法の地球儀のような図柄があって、その下3行に英字が配置されてます。肉眼で見て、下2行は読めるのですが、肝心かなめの1行目は「FREAK」なのか?そのように書いてあるように思えたり、そうでないように思えたり。
余談ですが、拙ブログも構想段階では「FREAK2FREAK」のスペルだったのですが、「~freak2freak.com」関連のドメインをすでに誰かが全て取得してしまっていて使えないことが判明しましてFREEKに変えたとの経緯があります(過去記事「古靴と、古靴ブログと、古靴コロコロ」参照)。
なもんで、スペルは違えども「フリーク」なるブランド・屋号のペアということであれば捨て置けません。そんなやつがマイサイズぽいということで、これはもう私のためのペアみたいなもんです。早速に履き下ろそう。ということで早朝から儀式です。
いつも通りまずは左足から。
LEXOL
汚れ落とし。といってもさほど汚れもワックスもないみたい。
トゥにキズあり。このアッパーは顔料染めのように思える。
RenoMat リムーバー
念のため強力リムーバー投入。
けっこう茶色くなりましたが、これってワックス?顔料?軽めにしといた。
まあ、十分でしょう。
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デリケートクリームもどき
保湿。
顔料染めなんだけど多少は染みるみたいです。
クリストフポーニー・レザークリーム
油分補給。
顔料染めのアッパーって、分厚くて水分も油分も滲みない印象なのですが、こいつは革自体もさほど厚くない上に「ぐんぐん」とは言わないまでもそれなりに吸い込みます。理由はよくわかりませんが、あえて言うならば「ビンテージな革だから」でしょうか。
さて、オイルクリーム浸透のため少し時間を置きましょう。その間、右足を同じ手順で弄る。
右足にクリストフポーニー塗布しました。
たかだか10分ほどですが、少しは染みたような気もする。さて、策っと仕上げます。
左足、LEXOLで余分なクリームを除去したうえで、
コロニル1909(無色)
いつもの仕上げクリーム投入。
トゥのキズが目立つ。
サフィール
ビーズワックス(茶)&ミラーグロス
少しだけワックス入れてみた。
「矢筈」とまではいきませんが、角を斜め45度に削られたコバが繊細かつ美しい。トゥのキズは隠れません。コバインク(茶)で胡麻化そうと思ったのですが、馴染まずに逆に目立つと嫌なんでそのままにしといた。機会があればプロにお願いしよう。
そんなことで、右足も同じ手順でワックスまで入れたらメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
そもそもコンディションは悪くなかったので見た目の変化もあまりなし。なのですが、
【BEFORE】
【AFTER】
コバにコバインクをしっかり入れましたのですっきり引き締まったとは思う。
濃い茶の色目が私好みです。パンツにシャツにジャケット、どんな色目にも合わせやすいのが良い。
さて、残るはサイズ感の確認です。
昨日メンテして昨日早速に履き下ろしてみた。
全長はちょうど。
前の持ち主のフットプリントも違和感なくてとても良い感じです。ただ、ウイズは少々広めです。内羽根がしっかり閉じるのが好みなのですが、閉じた状態でまだ少しばかり余裕があります。
サイズ感でいいますと、【US8.0E】くらいのサイズ感です。大きいということはまったくなくて、朝から夕方まで快適でしたが、薄い中敷きを1枚入れてみても良いかもしれない。次回試してみようと思います。
メルカリで旧い日本製のペアを漁るにあたって、様々な検索ワードを日々研究中な私です。ルーティンとして使用している
「父が履いていた」
「祖父が履いていた」
とのキーワードも有効なのですが、もう少し間口を広めに検索するときはシンプルに、
「紳士靴」
で検索します。加えて、価格は上限5千円に設定するのですが、それでも「父が~」よりも絶対量は多い。ただし、内容はそれなりといいますか、「最近のセメント製法の安物靴」に大量にヒットしてしまう。そんな多量のペアを出品の新しい順にソートをかけて、上から1足1足丹念につぶさに確認してきますと、砂漠で目当ての砂粒を見つけるかの如く、ごく稀に今回のような「当たり🎯」にヒットします。
今回は私的には大当たりです。
年代も何もかも不詳ですが、今後また同じ靴店のペアに遭遇することもあるかもしれない。ロゴがもう少し鮮明であれば、その時にはそれを手がかりとしてもう少し詳しいことが分かるかも。分からないかも。まあ、気長に出会いを待ちましょう。そんなことも古靴の愉しみのひとつではないかと思う次第です。
(おしまい)