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おんぼロブパリのメンテ、再び

こんにちは、ばしです。

 

先週久しぶりにこいつを履きました。

黒のウイングチップ。

外羽根のショートウイング。少し草臥れ気味ですが、こいつ、こう見えてジョンロブです。昨年暮れに安く拾ってきたのですが、

もうほんとに、酷い状態でした。
アルフレッドサージェント製のロブパリなのですが、見るも無残でどう見てもそんな高級な靴には見えない。こいつを丸洗いしてクラックを削ってオイルやらクリームやらをぶち込んでどうにか見れるようにしたのでした。

それでもまあ、こんな感じ。右足の甲にはサンドペーパーで削り過ぎた痕も見えます涙。

 

過去記事:
マイファースト JOHN LOBB
おんぼロブパリのメンテ

 

で、先週久々に履き終えた状態がこちら。

汚くはないけれど、お世辞にも美しいとはいえない。傷やクラックはしょうがないとして、もう少し何とかならんものか。この英国式のスタイルのウイングチップはこれ1足しか持ってません。できることなら、爪先あたりはもう少ししっかりと光らせて美しく履きたい。てなことで、週末に再度メンテしてみたのでした。

なりゆきで色々と試してみることになったのですが、結論としては訳の分からない感じで、あまり皆さんの参考にならないかもしれませんが、まあ、失敗は成功のもと、ということで、記録を兼ねましてご紹介です。

 

 

まずは、

いきなりこいつらを入れてみた。

向かって右、左足にコロニル1909(ムショク)。いつものやつです。
向かって左、右足にスタンダードプロダクツの550円の乳化性クリーム。最近調達したニューカマーです。名称が長いので、「スタプロ」と略すことにします。

で、先週も別のペアで同じことをやってみたのですが、その際は後者のスタプロの方が良く光った(「Standard Product のシューケアグッズを使ってみた」)。今回のロブパリはいつもより光らせたい、ということで、550円のスタプロに期待です。

 

まずはコロニル。

まあ、普通に自然な感じでしょうか。

ただ、アッパーの傷みがそれなりにあって、うーむ、こんなもんでしょうがないかな、といった感じ。ですが、それにプラスアルファが欲しいんですよね。

続いて、右足にスタプロを入れてみた。

あれれ?

思いのほか光りません。先日のHawkinsで試した時のようにもう少し光ってくれることを期待していたのですが、予想に反してコロニルよりマットな感じ。

その後、ウエスでしつこく磨いてしつこくブラッシングを施したところ、多少は光りましたが、

それでもやはり、

あまり変化はなく、

メンテ前の状態とあまり変わらない。むしろ、右足は艶感が当初より減じた印象です。おー、何やってんだか。ほかの手立てを講じてみよう。

 

こういうときはワックスに限る。

のではないか。磨きのスキルは低いなりにやってみた。Brift H・長谷川裕也さんが「20分間で磨く」という内容のYOU TUBE動画を拝見したのですが、その回は「黒いクリームをたっぷり入れてからワックスで磨く」というやり方でした。クリームを吸い込んでしまう状態でワックスをかけても同じように吸い込んでしまう。なので、先に黒いクリームで毛穴を塞ぎつつ、アッパーをクリームでお腹をいっぱいにさせてからワックス入れると結構光りますよ。てなお話だったので、私も真似してやってみることにした。

 

まずは左足。

ステインリムーバーでクリームを落としたうえで、

サフィールクレム(黒)。

たっぷり塗り込んだ。

たぶん、お腹いっぱい、なのではないか。
すみません、油性のクリーム使い慣れてなくてよくワカラナイ。

次にワックス。

KIWIのパレードグロス。新しい顔のやつをちょうど買ったばかりで、無色なのですがこいつを使ってみることにした。

今回は布にとって薄く塗って乾かして、を頑張ってみた。

どうだっ!

あまりぱっとしないな。

よし、追加施術です。

コロニル塗ってみた。

あまり、変わらない。

で、どうせならと、右足も。先程スタプロを塗った上からコロニルを重ね塗りしてみよう。比較してみましょう。

 

左足はクレム+KIWI+コロニル。

先程の通り、まあ、普通な感じ。
これに対しまして、
右足はスタプロ+コロニル。

おお、光り方で言えばこちらの方が光ってる。
再度、ビフォーアフターで確認です。

 

【BEFORE】

左足にコロニル。右足にスタプロ。
左の方が艶感あったのが、

【AFTER】

甲のあたりは右足の艶の方が強くなった。
爪先はワックス入れた右の方が光っている。

それならば、と、

左足にスタプロをいれてさらにコロニルを塗ってみたところ、甲は変わらずで、爪先の光は鈍くなった。重ねて塗ったことによる化学反応、でしょうから、何か原理というか道理というか、があるんだと思うのですが、さて、何がどうなんでしょうね。もう、わけわからんので作業はこれで終了です。

 

あらためて、全景。

写真ではそれなりに見える。

補正はしてはいないのですが、実物よりきれいに見えます。古い靴のメンテは好きだし、経験もそれなりにあると自負しておりますが、あくまでも「古靴のメンテ」の話であって「シューシャイン」ではない。

「自然な光り方が好みです」

などと言い訳を繰り返してきましたが、やはりこれだと寂しいですよね。爪先はもう少しく光ってて欲しい。いい加減、少しくらいは磨けないと恥ずかしいかも。とはいえ、もう少し何とかしたいけれど「シューシャイン」という世界においては、私には何かが根本的に欠けているのかもしれない。スキルと、道具と。特に、ウエスには改善の余地が大きいようように感じているのですが、具体的にそれが何かを知る上では、やはり「お手本」があった方がよいでしょうね。

このロブパリは一度プロに磨いてもらおう。

見違えた姿を見たい。私が前回プロに磨いてもらったのは相当に前のことです。確か、コロナ禍初期の頃にシューシャインギルドの大岡さんに磨いてもらったのが最初で最後のことだったような気がする。その時のペアがこれ。

 

Lytton’s

(2020年11月5日撮影)

調べてみたところ、磨いてもらったのはこの半年前、2020年5月27日だったようです。確かお店でお互いにマスクをしていたと記憶してます。他の靴も順次磨いてもらうつもりがコロナ禍の所為でそれっきりになってしまったのですが、このペアはその後も手を加えることなく半年に1回程度履いておりました。直近に履いたのが今年の9月。

その際の状態がこれです。

(2024年9月6日撮影)

ブラッシングだけなのに丸4年経ってもでこの輝き。素晴らしい。使用頻度は少ないとはいえ、やはり、私とは根本的に何かが違うと言わざるを得ない。やはり学ぶべきことは多そうです。

また、折しも「靴磨き選手権2024」の準決勝&決勝が今年は大阪で開催されるようなので、時間が合えば覗いてみて、様々なプロのシューシャイナーの技を見学するのも悪くないかもしれない。

難点は、そんなことしたらまた新しいシューケアグッズが欲しくなるかもしれない、ということです。収納方法の目途もたってないのに、靴が溢れてるだけでも大変なのに、シューケアグッズまで溢れかえるなんてことは想像しただけで・・・

 

 

楽しいかもしれない。

 

(おしまい)

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