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箱付きデッドなマクヘイル

こんにちは、ばしです。

 

何足目のカナダ靴だろう。

指折り数えて両手で足らないので、それなりの数は買ったようです。かなりお買い得だったんですよね。数年前は1カナダドル=80円弱で状態の良いビンテージがかなり安く買えた。日本での人気はいまひとつなれど、そのうちきっと人気が出るはずと買い進めてきたわけですが、目論見は外れて人気はまだまだ。

そうこうしてるうちに昨今の円安でカナダドルも100円台の半ばまで上昇。送料がアメリカほど値上がりしてないのでまだまだ買い得ではあるのですが、以前ほど安くはなくなってしまい、安易にぽちれなくなってしまった。

そんな折、これまで結構な頻度でお世話になってるカナダのセラーから連絡が。なんでも、箱付きデッドなペアを100足ほど仕入れたとのこと。昨年11月に「【お知らせ】箱付きデッドなカナダ靴が100足ほど一気に売りに出される件」との記事にしたアレです。ご記憶ありますでしょうか。で、お知らせするだけでなく、私自身もゲットいたしました。

 

ご紹介。

 

John McHale ”FALCON” 1960s

マクヘイルです。箱付きです。
折角の箱付きですので、まずは箱からご紹介。

文字情報がわんさか。

まず、右上の黄色のシールから。「FATHER & SON」というのは靴店の名前のようです。この店の倉庫か何かから箱付きデッドが100足ほど出てきた模様。元はCA$100弱で売られていたみたい。古そうな年代を思えば安いものではなかったのかも。

手書きで「27.98」とあります。古靴として安く売られていたのでしょうか。その下には「KNM UP」とあります。どんな意味なのでしょう。よくワカラナイ。一番下の余白部分には青いインクで「SMOOTH」の手書き文字。

右側も余白に青文字で「STITCH」。リロアンドスティッチのスティッチか。実写映画になるみたいですが、そういやあいつ青かったな。いやそうではなく、「SMOOTH」と「STITCH」ですね。

で、先程の黄色の値札の下にも手書きの文字が。意味不明。その横にはピンクの丸いシール。「249」。なんの意味でしょう。店での管理番号とか。

で、冒頭の写真、再掲。

最下段の文字列ですが、印刷ではなく後からの印字っぽい。

「58206」は品番ですかね。「BLK」=黒。
「BLU OXF」。BLUCHER OXFORD。左が外羽根で右が内羽根、なわけはない。この部分は印刷っぽい。どちらかに〇でもつけるべきものなのでしょうかね。で、その横に「FALCON」。モデル名のようです。サイズはUS8。

どんなペアかな。
ふたを開けてみる。

おお、黒です。
取り出してみる。

取り出した。箱が残った。
今回はここまで。

 

としたいところですが、やめとこう。

ファルコン、見参っ。

黒のSMOOTHでSTITCHです。

切り返しではなくて、STITCHだけです。
なかなかに手がかかってます。贅沢です。

そして、

未使用!
そう、デッドストックです!!
嬉しいです&かっこいいです。

このソール、出品時の写真では硬化ゴムの類に思えたのですが、実際はそうではなくてカラス仕上げのレザーソールです。カナダ人のセラーが言うには、McHale did this from the mid-1960’s to the early 70’s.  とのこと。つまりこいつは1960s半ばから1970s前半のペア、ということのようです。

右足内側には黒✕金の小窓。
うーむ、堪らんです。

左足内側。サイズはUS8D。カナダ靴の場合、表記は先にウイズ、次いでサイズ、となる。この順番の表があればそれはすなわちカナダ製。で、

「58 06」

の文字。うーむ、気になる。こいつ、1960s-70sとのことですが、「1958年06月製」と読めなくもないのですが実際のところよどーよ? と、セラーに尋ねてみたところ、

 

(参考画像)

1950sのロゴはこんなのだったそうです。

セラーが送ってくれた写真なのですが、「LONDON.CANADA」の文字が入っているのだそう。ちなみにこの「LONDON」は英国のそれではなくオンタリオ州のロンドンという名の街のことなのだそうです。

1959年3月、マクヘイルはフローシャイムを擁する「 International Shoe Co」傘下となり、そのタイミングでロゴも変更されたのだそうです。

このロゴは1960年代以降のものだそう。カナダ製フローシャイムの製造をマクヘイルが行っていたのはそんな経緯らしい。マクヘイルのファクトリーはこの頃、自社オリジナルのペアを作りながらケンムールも製造していた模様。

タン裏はフエルト。1960sっぽい仕様です。

そういえばトップリフトも釘穴ありです。フローシャイムのトップリフトも釘穴あり=1960s、が目安ですが、これもその関連でそうなのか、どうなのか。いずれにせよ、セラー曰くこいつは1960s前半頃の品との見立てなのだそうです。

 

さて、今回はデッドゆえメンテしませんので、ディテールをもう少しご紹介です。

サイドビュー。低く構えたエプロンフロントダービー。なのですが、ボリューム感が結構あります。

グラマラスなお尻ですが、割としゅっとしてます。

滑らかで美しい曲線を描く、程よく絞り込まれたウエスト。

ダブルではないけれど厚手のシングルソール。
まあ、このデザインには分厚過ぎるのは似合わないかも。

足入れはまだですが、サイズは問題ないでしょう。カナダ靴は何足目か分かりませんが、デッドストックは初めてです。それも箱付きということで、こいつはまさに箱入り娘になりそうだな。箱入りでないやつらと記念撮影。

今回で5足目のマクヘイルです。

真ん中はキャラバンコレクション。エキゾチックレザーを使用したラインで、このアッパーはWATER BISON=水牛です。

その左は去年買ったUウイングのジョンマクヘイル。これも切り返しなしのイミテーションのUウイングです。

真ん中はスコット名義のマクヘイル。セラー情報では1940sとのこと。そこまで旧くなくともこの5足の中では一番旧い。

その右はアリゲーター・マクヘイル。こいつは1960s当時の広告も残っていて、注文後6週間で仕上がるスペシャルオーダーだったらしい。

エキゾチックレザーのペアが多いのもカナダ靴の特徴であり魅力ですよね。

どれも素晴らしいマクヘイルのペアたち。

折角なんでマクヘイル・サークルやってみた。
いやあ、満足、満足、自己満足。

 

そんなことで、

デッドなマクヘイル。しかも箱付き。

デッドを履き下ろせない病に罹患中の僕に、このソールのロゴを搔き消すような真似ができるのだろうか。履き下ろすには相当の勇気が必要そうです。ていうか、まあ、無理だね。

といいますか、

こいつは今のところ履き下ろす予定はありません。まあ、先々はどうか知りませんが、しばらくは眺める専用です。ですが、いつまでも「デッドを履き下ろせない病」のままは良くないな。

ということで、

ええ、実はもう1足買っておりました。

こいつは履き下ろすことを前提にゲットいたしました。次回はこの中身をご紹介です。しかしまあ、あれですね、箱付きデッドが2足同時だなんて、なんて贅沢。きっと古靴の保護活動に熱心な私に、神様がくれたご褒美、なのでしょう。

まあ、さほど安くはなかったんですけどね。

 

(関連記事)「カナダ靴の世界

(おしまい)

 

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