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久々のジョンマー・オプティマ

こんにちは、ばしです。

 

今回は久々に購入した米国製のジョンマーです。

レギュラーラインのペアなのですが、若い頃に履いていたお気に入りのモデルのユーズドを久しぶりに手に入れました。どのくらい久しぶりかと言いますと、手に入れたのは8年ぶり。足を入れてちゃんと履いたのは20年ぶりくらいです。

初めての出会いは30年前の1995年。阪神淡路大震災のあった年の秋に神戸の三宮~元町界隈に出掛け、営業を再開していた高架下の靴屋で買ったのが自身初の米国靴となるジョンマーでした。

自身初の本格靴は遡ること5年前の1990年、二十歳の時にアメリカ村で買ったクラークスのUチップです(過去記事「僕の革靴人生の始まり」参照)。大のお気に入りで十数年履いてお役御免となったわけですが、今思えば、ぼろくとも捨てずにおいたら良かったな。今の日本のリペア屋さんの技術であれば、また履けるように修理してくれたかも。当時はそんなお店があったのか、知らなかっただけなのか。いずれにしても悔やまれます。

で、そのクラークスと両輪で大活躍していたのがジョンマー。1995年からこちらも十年ほどでお役御免。これも残念ながら処分してしまって残っていないのですが、クラークスもジョンマーも、どちらもサイコーな履き心地でした。

ジョンマーはその後、8年ほど前に当初と同モデル同サイズ(US7.5D)を手に入れたのですが、個体差なのか足が太ったことが原因なのか、残念なことに窮屈で履けず終い、転がして今は手元にありません。その後も同モデルを物色していたのですが、ここ最近みかけるジョンマーといえばリーガル製や大塚製靴製がほとんどで、旧いUSメイドのジョンマーがめっきり減ったように思える。そんな矢先にメルカリで遭遇したのが今回のペア。

かなりお買い得な価格だったこともあり、思い切って買ってみた次第です。

 

 

Johnston and Murphy OPTIMA

以前の2足は黒。今回は茶色です。
理由は特にありません。

トゥにも傷はなし。

踵周りも履き口にもダメージはない。

ソールの減りも軽微でへたりなし。トップリフトはオリジナルではなさそうですが、こちらも減りは僅かです。ラッキー。

ジョンマーのオプティマは履き心地の良さで定評のあるモデルなわけですが、その最大の秘密は中敷きにあります。

ロゴがくっきり残ったソックシート。

こんな風に独特な形状をしています。踵から爪先に向けて、足の中央付近で急激に傾斜がついていて、尚且つ土踏まず部分はかなり盛り上がっている。クッション性のある立体的なソックシートが足裏にぴったりフィットするため、靴の中での遊びがほぼ無くて立っていても歩いても吸い付くような履き心地です。

ちなみに、OPTIMAはこのソックシートが使用されたモデルたちのことのようで、今回のキャップトゥ以外にもウイングチップなど様々なスタイルがラインナップされていたようです。比較的年代の新しいビンテージで、1960s頃のビンテージにように天然素材だけ、というわけではないのでしょうが、人工のマテリアルでも履き心地に寄与するこのような使い方は大歓迎であります。

ただし、それもあくまでもサイズが合っていれば、の話です。現代科学を駆使したソックシートもサイズに遊びがあれば役には立ちません。そんな肝心のサイズですが、

以前持っていた黒の2足はUS7.5Dでした。

写真は小さくて出番がなかった8年前のペア(過去記事こちら)。若い頃はこれでジャストだった。若い頃、体重が65キロ前後のときは【US7.5D】=【JPN25.5センチ】がマイサイズだったんですけどね。その後、四十歳でタバコをやめた途端10キロも増えてしまい涙、それに伴い足も若干大きくなったようで、今は【US8.0D】がジャストです。

今回の茶のペアは、

【US7.5E】であります。

US8Dがジャストサイズの私ですが、9.5A、9.0B、8.5Cは爪先に捨て寸ありとなりますがまあまあ問題なく履けます。同様に、7.5E、7.0EEは爪先に余裕はほとんどないものの普通に履けることが多い。今回も恐らく大丈夫、なはず。

先ほど、

 

「思い切って買ってみた」

 

と書いたのはこのサイズのことです。このペア、実はメルカリでの出品時の情報がとても少なかったのですが、セラーに質問も確認もせずにぽちった経緯があります。

具体的には、写真は3枚だけでサイズ部分の掲載はなし。かつ出品情報も「アメリカの古着屋で21000円ほどで買った」「26cm相当の」「革靴」とのことで、メイカー情報もUSサイズについての情報もない状態だったのでした。

で、そんなのを見て思ったわけです。

私のこれまでの経験によりますと、この手のともすれば「手抜き」ともいえる出品物には「当たり🎯」が少なくありません。どういうことかと言いますと、商売っ気が薄いんですよね。「儲けてやる」「少しでも高く売りたい」といった魂胆のないケースが多いような気がする。

今回もきっとそうだ、MOTTAINAIから誰かに履いてもらおう、そんな考えだから5千円などという相場よりも安い価格設定になっているに違いない。で、そんなやつは、あれこれ質問して情報がつまびらかになってしまうと他の人に搔っ攫われてしまいかねない。

OPTIMAであることと、状態がさほど悪くないことは写真から把握できましたので、あとは出品情報どおりサイズが「26cm相当」であることを信じ、かつ祈る思いでぽちったのでありました。届いたのが昨年12月で、年が明けて先週の日曜日にメンテしました。あれからちょうど30年。なんだか運命めいたものを感じなくもない。ということで、儀式です。

さくっとご紹介。

 

 

 

ソールとコバのケア

いつもと順番を変えて、また、両足同時に進めてみた。

ソールを光らせ、

コバも整える。で、気づいた。

右足裏にだけ「PS」の刻印。なんの印でしょう。「FR」だと「Factory Reject」、つまりB品となるわけですが、こいつもその類でしょうか。だとすれば何の略なのでしょう・・・。

 

LEXOL

いつも通りアッパーへ。ワックス等はないようです。

 

 

デリケートクリームもどき

ガラスレザーですので浸透はしなさそうですが念のため。で、気づいた。

右足かかとに線が2本。これは事後についた傷やダメージではなく、当初から革にはいった線、模様、と思われます。一般的に「トラ」と呼ばれるものではないかな。「トラ」とは、牛の首から肩にかけての弛みが鞣す際に皺になったもの、と思われます。牛なのにトラ。なんちゃって。

いすれにせよ、

先程の「PS」はこのことなのかもしれない。「トラ」は天然素材である証、欧米では革の個性として親しまれているとのことですが、今回はB品扱い、だったのかもしれない。

さて、次のステップ。

 

 

クリストフポーニー・レザークリーム

ガラスレザーにオイルクリーム入れてみた。
20分放置してみましたところ、

まったく変化なし。だよね。
拭き取って、仕上げ。

 

コロニル1909(無色)

いつものクリームで仕上げました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

ほとんど変化がありません。
面白くない。追加施術です。

 

 

ハイシャイン・プライマー

2度塗り重ねてみた。

 

ビーズワックス(茶)

3度塗り重ねてみた。まずまず光ったかな。

紐を通してメンテ完了です。

 

ガラスレザーだし、レギュラーラインだし。

なんだけど、内羽根の6穴ってやっぱいいですね。

踵にワックスはなし。次回はいれてみるか。

爪先はヌメっと光りました。
向かって右、左足の方が光り方が鈍いかも。左足の方がハイシャイン・プライマーの量が多かった所為かもしれません。

まあ、遠目であればさほど差異は感じられない。まあね、見た目は大事ではあるもののある程度きれいならそれでよい。靴は履いてなんぼです。特にこいつは履き心地が売りです。

 

早速履き下してみた。

US7.5Eですが長さも幅も甲の高さも問題なし。ソックシートのフィット感も大変グッドです。ただ、少しだけ、くるぶし外側が履き口に若干当たります。踵にだけ中敷きを追加したほうが良さそう。現状の中敷きを踵部分だけ剥がして厚手のコルクシートを足してみる予定です。

ハイシャイン・プライマー&ビーズワックスで磨いたトゥ。まずまず良い感じに光っていてよいのではないかな。ただやはり左足(向かって右)の方が透明感に劣る。過ぎたるは猶、です。次回からは厚塗りにならぬよう注意せねば。

ですが、このくらい離れたら差は感じない。まあ、ワタクシ的には十分な仕上がりであります。

 

で、はた、と思いだした。

12月に靴袋だけ先に購入していたのでした。
折角なんで記念撮影。

おお、いい眺めです。

爪先がピカピカ光ってるののも悪くないですね。で、キャップトゥはハイシャイン向けのスタイルと言えるのかも。他のキャップトゥも順次光らせてみようと思います。

次はビーズワックスのみでやってみよう。

 

(おしまい)

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