K SHOES のプレメンテ

こんにちは、ばしです。

 

昨年12月も様々靴をゲットいたしました。

数えてないですが多分10足前後。ご紹介しないといけないやつらが、メンテしないといけないやつらが山のように積みあがっております。昨年暮れにインフルエンザにかかってしまい動けなかったことが主な原因ですが、年始から少しずつ動き始めております。

正月休み最終日にメンテナンスを施したのは、昨日記事の「FILOGRANA」だったわけですが、実は今年最初に弄った靴は別の靴なのでありました。「がっつり」ではなく、私にしては珍しく「プレメンテ」。そう、今回はユーズドではない。

こんな素敵なビンテージを安く入手できるだなんて、いやほんと、日本に住んでてほんとよかった。そう思わせてくれるペアは、昨年12月に初旬に拾ってきた未使用品の英国靴でありました。謹んで、ご紹介。

 

 

 

K SHOES of England

久々の K SHOES です。

1842年代創業のイギリスの老舗ブランドである【K SHOES】。1981年には同じくイギリスの【Clarks 】クラークスによって買収され、その後2000年代初頭にはブランドそのものが消失した、「今は亡き」英国靴ブランドです。

高級靴というよりは大衆靴のイメージが強いK SHOES。理由は恐らく、カジュアル靴の代名詞でもある「デザートブーツ」の生みの親であるクラークス傘下であったことが要因ではないかと思われます。

ですが、元々はチャーチやクロケットと同様に英国王室御用達のメーカーでありました。ロイヤルワラントのないK SHOESも見かけますので、「英国王室御用達」の時期があった、というのが実際かもしれません。

今回はロイヤルワラント入り。女王エリザベス2世の紋章です。そのすぐ下には読みづらいですが、

By appointment to
Her Majesty the Queen
BOOTMAKERS
KSHOES

と記載されています。
ロイヤルワラントを冠した時期がいつまでだったのか、が分かればこの靴の正確な製造年代を知る手がかりにもなりそうなのですが、調べてみたもののよくワカラナイ。おそらく今回のペアは1980s頃、概ね40~50年前のものと思われます。

 

全景。

内羽根のキャップトゥです。

旧い英国靴らしいラウンドトゥ。
大変私好みのシェイプであります。

グラマラスなヒールカップに積み上げのヒール。

トップリフトもオリジナルです。
ええ、

なんてったって、デッドストックであります。
こんなのがセカストで転がってるなんて、嬉しい限りです。

アウトソールにも金箔。

土踏まず付近には「80」と「4+」の文字。
サイズ表記です。

そう、こいつは「UK8」サイズであります。
8以外の文字が何を表しているのか分かりません。「4+」がウイズ表記かと思いますが、内側の印字のどれに対応しているのかよくわかりません。ただ「+」とありますので、ワイド気味なウイズではないかと思われる。

残念ながら私には少しばかり大きそうです。中敷きや厚手の靴下で対応可能かどうか。正直なところ厳しそう。幅が私は少しばかり広すぎるように思われるのですが、その場合の行く先には「あて」があります。

とりあえず履くことを前提に軽く弄ってみました。
そう、「プレメンテ」であります。
一度やってみたかったんですよね。

我流ですが、やってみた。

 

 

内側にデリケートクリームもどき

まずはライナーから。

爪先側がファブリック、タン裏から踵までがレザーのライニングです。それほど乾いている風でもなかったのですが、いつものヒト用のクリームで保湿です。ついで、

 

 

アッパーにデリケートクリームもどき

引き続きアッパーにもヒト用クリーム。

たっぷり塗り込みました。

とても肌理細かくて素敵です。

 

 

クリストフポーニー・レザークリーム

軽く油分補給。

ギトギトしない程度に、うっすらと塗り込みました。
15分ほど放置して、引き続き次のクリームを投入。

 

 

コロニル1909(ニュートラル)

いつものクリームをたっぷりと。

このままでもいいのでしょうが、折角なので少しだけワックス入れておこう。汚れ防止、傷防止、とまでは行かなくとも、まあ、儀式として。

 

 

サフィール・ビーズワックス(ニュートラル)

年末に新品を購入しました。黒と茶は持ってたのですがニュートラルは持ってなくて。今回は新品だし、カラーレスにしとこう。

指で直接縫って、湿らせたウエスで磨く。

うん、まあ、こんな感じでどうでしょう。
何か変化あるのでしょうか?
確認してみよう。

 

【BEFORE】

【AFTER】

あまり変化がないような・・・。

 

【BEFORE】

【AFTER】

いや、甲から爪先にかけて、肌理が整ったようです。

まあ、そもそもとても程度の良いデッドストックです。

見た目の変化はなくて問題ありません。が、まあ旧い個体ですし、水分油分補給をきちんと行っておくことは大切ではないかと。

 

さて、サイズ感はどないでしょう?
足を入れてみた。

右足。素足です。かなり大きい。
左足。厚手の靴下履いてます。甲の高さはちょうどなのですが、幅が私にはやや広い。幅の広すぎるものは中敷きでの調整はしづらい。長さもラウンドトゥなこともあいまって遊びがやや大きい。

ということで、

こいつは義兄に履いてもらうことにしました。年末年始は大阪に帰省してたので、正月3日に足を入れてもらったところ見立て通り、幅広US8.5=UK8.0の彼の足にちょうどなサイズ感のようでした。オシャレで拘りの強い義兄には、若い頃から靴にデニムにと色々ともらってばかりだったので、遅まきながらお返しができて良かった。

デッドストックのK SHOES。

なかなか巡り合うことの難しいペアではありますが、サイズ以前の問題として、私は相も変わらず「デッドを履き下せない病」に罹患中であります。にもかかわらず、今月は2足ほどカナダから箱付きデッドが届く予定です。内1足は履き下そう。そう決めている。でも、そんな何足もデッドを履き下す勇気はないな。てなことで、今回は行く先がスムーズに見つかって何よりでありました。

目出度し、目出度し。

 

(参考)K SHOESの記事一覧

(おしまい)

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