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カネボウ・ベルエース

こんばんは、ばしです。

 

明日は久々のゴルフです。

時間設定しておけば記事は自動更新できるのですが、諸事情ありましてうまく作動しません。プラグインのどれかが干渉してるらしいのですが、詳しいことはよくワカラナイ。

おかげで、ここ数年毎回手動で更新しているおバカな私です。明日はいつも以上に早起きです。朝からバタバタするのはいやなんで、今回は前の晩のうちに、たまには月曜夜にカキーンと更新です。

 

☆★☆

 

さて、本題です。

変なやつ見つけたら必ず購入を検討する私。
千円以下だとほぼ100%、攻めます。
先月終わりころにメルカリで攻めてみました。
今回ゲットしたのは、

「カネボウ・ベルエース」

懐かしい響きです。今は亡き「カネボウ」。若い人には馴染みは薄いでしょうが、昔はその名を耳にしない日はないくらいメジャーな大企業でした。それが、2004年以降会社再建に伴い、多様な分野で事業譲渡が行われ、最終的に2008年11月に本体であるカネボウの法人格は消滅しました。

 

1887年 東京綿商社として設立
1893年 鐘淵紡績株式会社に社名変更
1971年 鐘紡株式会社に商号変更
2001年 カネボウ株式会社に商号変更
2007年 解散

 

解散というにはあまりにも歴史ある大企業で、当時はびっくりしたのを覚えています。形や名前を変えていまも歴史を紡ぐカネボウの大元は繊維事業だったわけですが、今回はその名残を色濃く残すペアです。

 

 

「人工皮革」です。

「鐘紡(株)」との表記ですので、年代としては1971年以降2000年までの間のペア、ということかと思われます。

古靴好きにとって人工皮革といえば「CORFAM(コルファム)」。以前1足だけ持っておりました。

KNAPPのペアですが、こう見えて人工皮革。
転がして手元にはもうありません。

CORFAMは、米国DuPont社が1963年に開発した靴用の合成皮革で、1964年~71年頃の短い期間にだけ製造されました。それまでの人工皮革になかった通気性を有し、天然皮革と比べてもより高い耐久性と光沢感を持ち合わせていると謳われていたコルファム。

短命で終わった理由は、「クラリーノ」の登場。1964年(65年67年との情報も)に日本のクラレ社が開発した合成皮革クラリーノとの競合に敗れたのが原因らしい。

1960-70年代は、アメリカも日本も新素材の開発が相当に盛んだったようですね。クラリーノは今もよく耳にしますね。ベルエースはコルファム同様に駆逐されたのかな、と思ったら、今も継続して製造されているらしい。

クラレの「クラリーノ」、帝人の「コードレ」、そして、カネボウの「ベルエース」。この3つがランドセル用の人工皮革として今も使用されているのだそうです。

「汚れはサッとひとふき」
「軽くて丈夫」
「雨にも強い」

おお、まさにランドセルにうってつけです。なお、ベルエースはランドセル用に軽量化が図られた「ベルバイオ」なる素材に進化もしているらしい(参考記事)。

新しい素材が開発されたらいろんな用途に使用したい、というのはアメリカも日本も同じだったんでしょうね。古靴好きには忌み嫌われるコルファム。今回のペアはおそらくコルファムよりも希少かと思われます。

なもんで、小さくて履けないんですが、アンダー千円という安さもあり、史料としてぽちっといってみたのでした。

 

 

さて、全景、ご紹介。

おお、どうでしょう。

シボ感はなかなかの出来栄えです。

「KENNETH」とあります。

ソックシートにも。

「KENNETH COLE」というNYのファッションブランドがありますが、まあ、無関係なんでしょうね。このペアはいつ頃の年代なのでしょう。1980s前半あたり、でしょうか。根拠はありません、なんとなく。

サイズは24EEE。幅広ですが、流石に私の足は入りません。
ですが、せっかく手に入れたし、儀式です。

 

コロニル1909

いやあ、もうね、デッドです。
で、人工皮革です。
汚れもないし、サクッとクリームだけ入れてみました。

手入れしてない右足の方が光ってますね。
なんだかなあ、です。

そんな右足にもクリーム入れて、儀式完了。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、右足の紐がピンと立ってます。
何かを受信しているのでしょうか。

 

いや、そんなものは何もないのですが、

気づけば指先が粉だらけです。

どうやらこの内側のライナーの所為みたいです。
ライナーもタン裏も同じケミカルな素材が使われているようです。
で、経年で劣化してモロモロになってます。
こりゃあサイズがOKでも履けないな。

「MADE IN CHINA」

とのこと。なんだ、つまらん。せっかくならジャパンメイドがよかったのにね。「ジャパン・ビンテージ」と思って購入しましたが、流石にそうは呼べないな。

で、見えづらいですが、内側に縫い目はありません。

ソールもケミカルな感じ。

出し縫い糸が見えますが、フェイクです。こいつ、セメント製法です。おそらく、安物。笑。バブル期にはこんなの出さないでしょうね。1980s前半までとの見立てはあながち間違ってないかも。

けどまあ、出来は悪くない。
シボ感はなかなかです。

ただ、ステッチはお世辞にも綺麗ではありません。

お尻の意匠はなかなかにオリジナリティが溢れてます。
パーフォレーションも親子穴ではある、一応ね。

キミは箱に詰めて貴重な史料として眠らせよう。

で、どうせなら「クラリーノ」や「コードレ」の靴も欲しいのですが、作られてたりするんですかね。1000円以下なら買う、かな?
いや、買わんな。

もう、この手のは1足でお腹いっぱい。

 

 

少しお遊びが過ぎたかも。

 

(おしまい)

 

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