Knightly Gold Shield Veldtschoen Shoes

こんにちは、ばしです。

 

夏以前に購入して未メンテな靴が多々あります。

それ以外にも、貴重なビン靴を譲り受けたり、今月もちょろちょろと拾って来たり。増える一方で紹介が追い付かないので、このところ週2回だった更新頻度を週3回に増やすことになりました。ということで、日曜ですが更新です。

夏どころか春に買ってまだ手入れできてないものもあるのですが、メンテ&紹介の順番は順不同で行かせて頂こう。今回は先月9月に英国から届いた英国靴のご紹介です。先週からメンテに着手、昨日完了したところですが、今回は概要を、次回にメンテの様子などご紹介の予定です。

ぶっちゃけ9月はあまり買う気がなかったのですが、ずっと探していたモノに出くわすと必ずしもその限りではない、という恒例、もとい、好例なやつです。もとい、そんなことは恒例でもあったりして。

 

 

マイファースト・ヴェルトショーン製法の靴

今回手に入れたヴェルトショーン製法の靴。

年季の入った雰囲気で、かなりがっちりした造りのペアです。こいつがヴェルトショーン製法で作られているのですが、そもそも「ヴェルトショーン製法」ってご存知でしょうか?

これがヴェルトショーン製法です。

え?何が?と思われるかも、思われないかも。「ヴェルトショーン」と聞いてすぐにピンとくる方はかなりの革靴通な方と思われます。恥ずかしながら、私が知ったのは確か3年ほど前のこと。その製法の素晴しさに魅了された、というわけではなく、

「Veldtschoen(ヴェルトショーン)」

という語感、ウに濁点の「ヴ」がどうにもこうにも気になったわけでありまして笑。何で知ったかと言いますと、この製法で有名な「チーニーのケンゴン」なるモデルです。

 

BRITISH MADEさんより拝借しました。

上の写真がチーニーの「CAIRNGORM 2R」。いわゆる「ケンゴン」です。新品価格は税込十万円と安くはない。で、このヴェルトショーン製法とはミリタリーシューズを起源とするものなのだそうです。

具体的には、

今や希少な「ヴェルトショーン製法」。

グッドイヤー製法と似てますが、アッパーをソールを覆うように直接縫い付けてあるのが大きな特徴です。これにより、細かな埃や雨水が靴の中に浸透することを防げるため、悪路の多いミリタリーシーンで重宝されていたそうです。詳しくは先ほどのBRITISH MADEさんの記事を参照ください。

 

そんなヴェルトショーン製法。

ヴェルトショーンといえばケンゴン、といって過言ではないようですが、調べてみたらケンゴン以外にもクロケットやロータス、テクニックなど、主に英国靴で同製法の靴が売りに出ている。

テクニックあたりを狙っておりましたが、中古でもヴェルトショーン製法の靴って結構値が張るんですよね。国内でも海外でも、安くても2万円前後。ebayなんかでは送料込みで3万円以上が大半です。

1万円までで欲しいな。なんか掘り出し物はないかと気長に探していたところ、送料込み8千円ほどの出物に遭遇。迷わずぽちったのが今回のペアというわけです。チーニーでもクロケットでもロータスでもテクニックでもない英国靴。今回のはこんなやつ。

 

 

Knightly Gold Shield

 

ソックシートのロゴが擦れておりますが、3列の一番上には「Knightly」の文字が記載されているらしい。擦り切れる前のロゴ写真を見つけました。

元はこんななのだそう。

Knightly Gold Shield=騎士の金の盾。おお、なんだかアーサー王だとか、中世の時代を想起させるブランド名ですが、造りの由来はそこまでは旧くない。ただ、軍人を足元から守る貴重な盾、という意味なのかもしれないな。知らんけど。

さておき、

メンテし甲斐がありそうなやつです。
メンテの前に、しばしディテールのご紹介。

シボ革に4アイレット。
キャップトゥはステッチのみのイミテーションです。ケンゴンと同じ仕様です。

羽根から踵に続くラインはV字になっている。
Vステッチ、と呼ぶらしい。ケンゴンと同じ意匠なわけですが、これは英国ミリタリーシューズに共通して見かける仕様なのだそうです。他ではなかなか見ないデザインで、これ一つとってもとても素敵なチャームポイントです。

 

続いて内側の印字。

 

Made In England
4029  S160?  S?e  7 1/2
7 FTG

とある。
2段目以下は一部読めませんが、サイズはUK7.5のようです。
ほかはどんな意味があるのでしょう?よくワカラナイ。

 

次いで、羽根周り。

紐を外してみた。

タンと羽根が繋がっています。これは「ベローズタン」と呼ばれる仕様で、タンと羽根の間からホコリや雨が入ってくるのを防ぐためのものらしい。先ほどのヴェルトショーン製法と合わせて悪路対策を目的としたミリタリーシューズ特有の仕様なのだそうです。

手抜きのない質実剛健なペア。
そんなのが安かった。当然理由があります。

 

理由その1。

アウトソール。
分厚いダブルソールなのですが、

リペアされています。きちんとリペアされているので全く問題ないわけですが、オリジナルの方が売れやすいんでしょうね。僕は気にならないのだけれども。

 

理由その2。

左足土踏まず上部。
ダメージあり。そりゃあね、ガシガシ履く靴ですので、傷くらいつきます。内側だし、履けばほとんど見えないし、今日から私のペアであることの印です。

 

最後に、理由その3。

右足内側。

乾燥して、割れて、一部剥がれてます。こいつ、UK7.5サイズの割に少し大きいんですよね。なもんで、中敷き追加してサイズ調整する予定ですので、中敷きで隠れて見えません。まあ、それ以前に履けば見えない箇所ではある。懸念としては、ダメージがこれ以上広がらないかということ。恐らく乾燥によるものでしょうから、ソックシートも全体的に保湿しといたほうが良いのかもしれないな。

 

いつ頃の年代のものでしょうか。

調べてみたけどワカラナイ。そもそも、Knightly Gold Shieldというシューメイカーなのか、あるいは、アパレルのブランド名でどこかほかのファクトリーのOEM品なのか。それすら定かではありませんが、ごつくて丸っこくて、とても好きなスタイルのペアです。てなことで、先週末よりメンテ作業開始いたしました。

 

作業の様子は次回の記事にて。

 

(つづく)

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