こんにちは、ばしです。
先週の日曜日。
1月最後の日曜の大阪は寒いなりに穏やかな晴天でした。いわゆる「屋外で靴メンテ日和」ってやつです。このところ運動不足気味でややウエイト過多な私は、文字通り重い腰を上げて、ようやく今年の1足目と戯れたのでした。
こいつ。
Lloyd Footwear
キレイな発色の茶のセミブローグ。
昨年12月にゲットした1足です。
こいつ、ロイドフットウエアのペアです。
ここの靴はその昔に1足だけ買ったことがあります。1997年。27歳で東京に転勤になった私の「東京でやりたいこと」の一つがここで靴を買うことでした。3月に結婚してGWに引っ越して、いそいそと代官山の店に足を運んだのは夏前だったかな。例の白い靴箱に雨がかからぬよう大事に抱えて帰ったような記憶が。
買ったのは真っ黒のホールカットのペア。
当時の私は「ロイドで靴を買いたい」だけでなく、「ダイナイトソールの靴」が欲しかった。当時は結構珍しかったんですよね、ダイナイトソール。ということで、ダイナイトソールのそれほど値の張らないエントリーラインといった位置づけのペアを買いました。
確か当時は3足でローテーションしてましたが、そいつはめちゃくちゃお気に入りでヘビーローテ、中1日で週3くらいの割合でガンガン履きました。
そんな思い出のロイドフットウエアのペア。手書きの文字を見ますと、今回のものはクロケット製のようです。「297」というのはラストのナンバーと思います。サイズは「7.5E」。おお、ジャストマイサイズ!
ソールはレザーのヒドゥンチャネル。
ヒドゥンのクロケット製=「マスターロイド」なのかと思ってたので、先日のインスタでも「マスターロイド」と紹介したのですが、そうではないみたいですね。勉強不足ですみません。
マスターロイドはソール中央の文字が筆記体で「Master Lloyd」と刻印されてるそうで、クロケットの最上級ラインである「ハンドグレード」相当なのだそう。こいつの底には「MADE IN ENGLAND」とあります。同じくヒドゥンチャネルではあるものの、最上級グレードのものではないらしい。
もう1点。
内側の手書き文字、先程の反対側には「B0153」。モデルナンバーなのかシリアルナンバーなのか。マスターロイドのラインにはモデル名が手書きされているらしい。モデル名の記載がないこいつは、その下の「Jシリーズ」ってやつということでいいのでしょうか。
ちなみに、ロイドのOEMファクトリーは、その昔はエドワードグリーンもあったらしい。グリーンが経営的に厳しくてOEMに力を入れていた頃のことと思われます。
現在はグリーンはなし。とはいえ、今も錚々たる英国靴メイカーが名を連ねているのだそう。グレードごとに異なっていて、最上級のマスターロイドがクロケットのハンドグレード。その次がクロケットの通常ライン。次いで、チーニー製、バーカー製、と続くのだそう。
「少しだけ違いの分かる男」である私には、これでも十分に上質だと思えます。けどまあ、いつかマスターロイドも手に入れて違いを確認してみねばなるまい。いずれにせよ、そんなクロケット製の上質なやつを6000円ちょっとと、例のごとくお安くゲットしたのでした。
ただまあ、安いのには理由がつきものです。今回の理由。
履き口内側にダメージ。
軽微ですが擦り切れてます。
普通は内側もしくは外側と、ダメージの箇所は左右でシンメトリーになることが多いと思うのですが、今回のは左右ともに踵左側が擦れてます。履き癖、歩き癖によるものなのでしょう。
内側。そうそう、マスターロイドはフルソックらしいです。こいつはそうではないので、逆立ちしてもマスターロイドではない。で、アッパー&ソールの消耗加減が軽微なのに比してフットプリントは強めです。履いてた季節によるものなのか、体重の重めの持ち主だったのか。まあ、ユーズドばかり履いてる私にはどちらもあまり気にならない程度です。踵についてはこれ以上ダメージが広がらないよう、何か手立てを考えよう。
その他は見ての通り、綺麗なもんです。ところどころにシミはあるのですが、目立つ傷やクラックの素のようなものもなく、全体的に良好なコンディションかと思われます。転がそうかとも思いつつ拾ってきたのですが、折角なんで自分で履くことにします。近々履き下ろすべく、いつもの手順でメンテいたしました。
ステインリムーバー
ワックスの類はなし。
汚れもほとんどなし。
LEXOL
アッパーは布にとって軽めにこする。
コバ回りは歯ブラシでごしごしと。
リッチデリケートクリーム
いつもの百均のヒト用クリームではなく、上等なやつで。
踵内側も保湿&栄養補給。
リッチモイスチャー
もちもちになるやつ投入。
もちもち&艶やかになりました。指先から伝わる感触、アッパーは結構上質と思われます。
TAPIR レダーオイル
油分補給&保革。
アッパーはそれなりに厚手ですが柔らかでしなやか。履き皺あたりも当面クラック等の心配はなさそうです。
さて、オイル入れましたので、気休め程度ですが少し時間をおいて浸透させます。その間にソール周りをケアです。
去年暮れに購入した新顔。
コロニルのソールトニックから乗り換えましたが、まあ、効能効果はそんな変わらんでしょう。「アンメルツヨコヨコ」みたいなボトルの形状は結構使いやすいです。
知ってます?アンメルツヨコヨコ。今もあるのかな。若い頃、涼しくなろうと夏場にあいつを全身に塗りたくって眠ったら、逆にスースーし過ぎて寒くて寒くて目が覚めた。あ、すみません、どうでもいいね。で、この後、乾いたらトラディショナルワックスを入れます。いつもの手順です。
さて、仕上げ。
コロニル1909シュプリームクリームデラックス
2024年もいつもの手順です。
比べたら艶感と色目はやはり違いますね。
右も同じ手順で手入れ。整いました笑。
【BEFORE】
【AFTER】
まあ、こんなもんで。
【BEFORE】
【AFTER】
コバインクも入れました。
すっきり~。
艶やかなアッパー。
落ち着いた自然な光沢。
光り加減はこのくらいが好みです。
バックシャン。
踵周りにもキズなど皆無です。
クロケットらしい意匠です。
同じくクロケット製のペアのお尻。ロブパリのこいつ、デザインは同じですが、こちらには縦にステッチが2本走っています。ジョンロブ向けは少し手がかかっているみたい。そう、ファクトリーとしての時代の長かったクロケットは、今も昔も色んなブランドのOEMを手掛けていることで有名です。
かく言う私も、
なんやかんやで、今回で6足目のクロケット製のペアです。全部クロケット製なんだけれど、クロケット名義のモノが1足もないという笑。
右上:BEAMS別注のポールセンスコーン
右下:New&LINGWOOD名義のポールセンスコーン
中下:「PS」ロゴのポールセンスコーン
左下:John Lobb Paris
左上:Eduard Meier
BEAMSのポールセンスコーンが1990s頃に日本で人気を博したこともあり、日本国内にはPS名義のクロケットの旧い奴が結構あるのかもしれないな。ちなみに、クロケット製のペアはもう1足あります。
UK8Eと私には少し大きいこいつはポールスチュアート名義です。少し大きいんだけれど、休日にたまに借りて履きます。こいつのお陰で休日も含め「クロケット製WEEK」ができる私です。仲間外れは良くないんで、一応ご紹介。
で、先程のポールセンスコーンのペアたち。
国内向けに企画されたものだからなのか知りませんが、幸いなことにどれもほぼジャストサイズ。で、3足とも甲がやや高めで、内羽根なのに羽根がしっかりと閉じます。私好みです。今回のロイドのペアはどうだろう。
早速足を入れてみました。
おお、良い感じ。
今回もしっかりと閉じます。というか、7.5Eにしては若干サイズに余裕があるな。甲が高めだからなのでしょうか。いつもより少し厚めの靴下を履くか、薄手の中敷きを1枚入れるか。いずれかでいい塩梅にサイズ調整ができそうです。
さて、再度全景。
やや濃いめのタンカラー。
茶色は靴は沢山ありますが、もっと濃いめの茶のモノが多いんですよね。このくらいの色目のがあると助かりそうです。特徴的なメダリオンもなかなかに気に入りました。
米国ビン靴がメインのはずが、なんだかんだ言って英国靴、結構持ってるんですよね。で、結構登板させてます。米国靴のように「Bウイズ」とか「Cウイズ」といった細身のものがあまりないからでしょうか。サイズ感がちょうどよいものが多いような気がします。こいつにも、ローテーションの一角を担ってもらうことになりそうです。
よろしく頼むわ。
(おしまい)