Ludwig Reiter のセミブローグ

こんにちは、ばしです。

 

円安が若干緩和されてきましたね。

長らく150円前後だったのが140円前後に。とはいえ、だからといって海外からポチるうえで割安感を感じるほどではまだない。国内で買うか海外で買うか。どちらが安いかというと、最終的には送料次第、ということになる。

で、送料の安いお買い得なモノを漁る上では、ドルが140円か150円か、ということはあまり大差がない。最近は国内で漁ることがのほうが増えたのですが、送料次第ではまだまだ海外も捨てたものではないわけで。

むしろ、このところの円安で日本人はebayなどでの買い物は手控えてる方も多そうですし、逆に買い場かもしれないな。競争相手の少ない今は「これは」というやつをゲットできる確率も高いかもしれない。そんな屁理屈をこねながら、先月4月は2足ほど海外からぽちりました。今回はその1足目であり4月の1足目でもあるやつ。

チュニジアから届きました。

 

 

Ludwig Reiter セミブローグ

ロゴがかなり擦れてますが、オーストリア・ウイーンのシューメイカー、ルーディックライターの品です。

真っ黒のセミブローグ。

東欧靴らしいと爪先がストンと垂直に落ちるブダペスタースタイルのペア。

サイズは【UK7】。

その前にある【O】は数字のゼロ?あるいはアルファベットのオー? 確証はないのですが、たぶん後者、おそらくウイズ表記ではないかと。「Oウイズ」だなんてそんなごついのがあるわけない、と、普通なら思うところですが、以前持っていた東欧靴がそうでした。

5年ほど前に手に入れた東欧靴「Handmacher(ハンドマッハー)」。

ブダペストのセラーから買ったこいつが「O」ウイズ、と思しきモノでした。標準のウイズが何なのかわからないのですが、こいつは私には大きすぎて結局右から左で転がしたのですが、東欧系の靴って幅広いのが多いですよね。ビルケンシュトックなんかもまさにそんなフォルムです。ソーセージ食べてたらそうなるとかならんとか。

ただ、この機会にebayの出品物を見てみたら、今回のと同様にサイズ表記の前に「O」と印字されたものが結構ありました。ウイズでないほかの意味かも。よくワカラナイけれどその可能性が高いかもね。継続して調べるとして、とりあえずサイズの前に「O」と表記があるものは通常以上にウイズには注意すべし、と備忘のため記しておきます。

 

いずれにせよ、

今回もかなり幅広、なように思える。ですが、ぬかりはありません。今回はそれを念頭に【UK7】をチョイスしました。まあ、サイズはこれで大丈夫でしょう。ところで、

 

今回は「チュニジアから東欧靴」です。

ケニアの首都ナイロビのセラーからは買ったことありますが、チュニジアは初めて。ナイロビはアフリカを代表する国際都市なので、様々な国から人とモノが集まってるらしいと聞きなるほどと思ったのですが、チュニジアってどんな国?そもそもどこにある?子供のころから社会の授業が苦手だった私。

あらためて地図で調べてみた。

おおっ、アフリカと言いながら北の端っこで、ヨーロッパのすぐ近所です。地中海を挟んでイタリアまではすぐっぽいな。距離感が分からないので日本地図を重ねてみた。

チュニジアの首都・チュニス(北緯36度48分)を大阪(北緯34度41分)としますと、シチリア島まではちょうど大阪・東京間くらいの近さです。ドイツまでも飛行機ですぐでしょうから、人もモノを往来は活発なんでしょうね。チュニジアのリユースショップに行けばいろんな国の古靴があったりして。おおっ、チュニジアで東欧靴漁りたいな。いや、それならば直接東欧に行けよってな。

そんなことで、チュニジアからの東欧靴。昭和の日の午後にメンテいたしました。いつも通りまずは左から。なんだけど、今回は内側からです。

といいますのも、

ソックシートはひび割れた上に渇きのせいなのか白く粉が吹いたみたいになってます。サハラ砂漠の風でも浴びたのでしょうか。知らんけど。

左はひび割れの程度がより酷いように見えなくもない。そのまま履くか、革のソックシート1枚足すか、は、サイズ感次第なのですが、このままは嫌なんできれいにしましょう。

 

LEXOL

中にLEXOLを垂らしてブラシでワシワシと擦ってみる。

キレイになったけどヒビは当然割れたまま。

 

デリケートクリームもどき

百均のヒト用クリームをたっぷりと塗り込む。

爪先までレザーライニング。ソックシートだけでなく内側全部に塗り込んだら、いつも通りアッパーに戻る。

 

 

LEXOL

汚れも渇きもそれほどでもない。

東欧靴らしいメダリオンの意匠です。

 

デリケートクリーム

スタンダードプロダクツのデリクリで。

ごつくて頑丈な印象ですが、アッパーは意外と肌理が細かいとの印象。

 

 

クリストフポーニー・レザークリーム

渇きはそれほどでもなかったので一安心。念のためオイルを薄く塗り込んでおく。

外側にクラックの基を発見。これ以上ひどくなりませんように、と、願いを込めて塗り込むべし。このあと右足の内側の作業に移り、その間しばしオイルクリームを浸透させて、最後にさっくりと仕上げです。

 

 

コロニル1909(ニュートラル)

いつものクリームにて仕上げ。

ワックス等は今回はなしで。

この断崖絶壁を光らせたくなったら、そん時はプロにお願いしようと思う。

右も同じ手順で仕上げたらメンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

まあ、そんな変化はない。
内側以外はさほど状態も悪くなかったし。

 

【BEFORE】

【AFTER】

けれども、まあまあ整ったように思う。

アウトソールはハーフラバー済なのですが、

よくよく見てみると爪先だけ再度のリペアが施された、ようにも見える。

トップリフトの削れはなし。爪先リペア時に交換されたのかもしれない。で、東欧靴のトップリフトって、こんな波波な形状のをよく見かけます。旧いオールデンのヒールでも見かける形状ですが、何か名称とかあるんですかね。

薄茶のこちらもルーディックライター
このヒールも同じ形状です。

並べて記念撮影。

こうして比べてみますと、やはり今回の黒のほうが幅が広く思える。ちなみに、茶の内側の印字は擦り切れていてなんて書いてあるか読めないんですよね。履いたらどうなのか? GW中にソックシート手作り予定ですので、その際に足を入れて確認しよう。

ところで、

我が家のルーディックライターはこれで3足になりました。あと2足あれば「ルーディックライターWEEK」ができますが、まあ、それは出会い次第ですね。とりあえずGW開けたら東欧靴WEEKでもやって履き下ろそう。

東欧靴は何足か持ってますが、

セミブローグはこいつが初めてです。ハンドマッハーで空振りして以降ずっと欲しいと思ってたんですよね。マイサイズこのぽってりとしたスタイルは何にどうあわせましょう。スーツもいいけどジャケパンのほうが嵌まりそうな気もするな。そういう意味ではとてもとても私向きな1足と言える。

まあ、実は、単に、最近スーツを全然着てなくて、あまりイメージができなくているわけでもある。のですが、スーツスタイルに嵌まりそうなロングノーズ気味な靴を買っていないこともまた事実です。そういう意味では、やはりジャケパン向き、私向き、なのではないかと思うのですが、まあ、どうでもいい話ですかね。

ちなみにこいつ、

送料込みでUS 93.43ドルでした。日本円で14000円ほど。ルーディックライターの日本での人気はそれほどではありませんので、その中古は国内で買い求めても海外と値段はさほど変わらないようにも思える。内側の状態からいえば、同程度なら国内のほうが安いかも。それをわざわざ海外に買い求めるのはなぜか。

ひとつには、出品物の多さ。メルカリでルーディックライターの革靴を検索してもヒットするものは数えるほど。その中から、好みの色・スタイルでマイサイズなモノに出会える確率はさほど大きくはない。

もうひとつは、「ロマン」です。チュニジアから東欧靴。そう聞くとなんとなくワールドワイドで、壮大で、スペクタクルな印象です。あ、壮大もスペクタクルも同じ意味ですね。けどまあ、この小さな島国に居ながらにして、古靴を媒介として海を越えて壮大な世界と繋がれる。そんな風に考えると、そうそれはきっと、それこそがきっと、男のロマンなのではと思う。

そう、男にはロマン(=古靴)が必要なのです。

 

(おしまい)

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